1人で買い物をしていたら、

お約束の『チャイ飲む~?』につかまり、

エルマチャイをご馳走になり、待ち合わせの時間に少し遅れた。

焦って、ホテルへ戻っていた途中の道で、

タバコを吸って待っていたアリさんと会う。


『あれ、なんでここにいるの~?』と言ったら、

『あなたが来るのは、こっちからしかないでしょう?』と言われ、

『これ、ホテルに置いてくる。』と慌ててホテルへ行く。


買った陶器のタイルを見て欲しくって、

ホテルの部屋に呼び、

『見てみて、これニセモノじゃないよね~?』と言ったら、

『いくらでしたか?(金額を言うと)安いよ~』と言われ、

『まぁ、でも友達に配るのだからいいんだっっ。』と私が言って笑うと、

『じゃあ、行こうかっっ』と立ち上がり、

私を抱き寄せキスをする。

そして、

『エルマチャイの味。』と言って、くすっと笑う。


2人で散歩していたら、

ふいにアリさんが、タクシーを止め、一緒に乗り込む。

『ん?どこに行くの?』と行き先が分からない私が聞くと、

『私のお家で、バーべキュウしましょうかぁ???』と言う。


さすがに、もう子供ではないので、家に行けばなにがあるかくらい分かる。


“どうしよう、どうしよう”と思いながらも、

こうなることをどこかで、望んでいたのかもしれない。


家に着き、部屋に案内され、

始めはインターネットを見たり、

私のガイドブックを見ながら話をしていたけれど、 

沈黙になると・・・

私をベッドへ抱き寄せ、キスをし、だんだん手が胸の方にいく。


私は、急に恐くなって、

『ごめんなさい。。。出来ない。。。』と言って、

彼の身体を突き放した。

『なんで・・・?』と言われ、

『日本に彼氏がいるし、、、』と言うと、

『あぁ・・・』とため息まじりに言う。

『日本に彼がいなかったら良かったのに・・・。』と言うと、

『そうゆうこと言わないでよ。』と少し口調が荒くなる。


そして、私を抱き寄せハグをし、

『ハグだけ。』と言う。


キスをされそうになり、私が嫌がると、

『こっちを向いて。』と言われ、

目を見つめていると、

もう、私も我慢できなくなり、キスをし身体を許した。


2人の息が荒くなり、裸になり抱き合う。

 

もう私の中で、日本の彼以上になってしまった。


アリさんの何が良かったのか???


3年も付き合っていた彼を、1日で裏切ってしまった自分。


もちろん、今までも浮気をした事もなく、するつもりなかった私。


アリさんが最後の決断を、私に促す。


『どうしますか?入れてもいい?』と言われ、


『・・・。』と答えられない私。


『私はしたい。いい?』と興奮して息を荒立てて言われ、


首をたてにし、うなづいた。


初めてのエッチ。


もう、罪悪感は消えてしまっていた。


アリさんを、私も欲しかったから。



朝、目覚めた私は、彼に会うことを決めていた。


日本の彼への罪悪感があったものの、

“もう一度会いたいっっ”という気持ちの方が強かった。


ロビーへ行くと、

わたしが来たことに、

ホッとした様子の彼。


『おはよおう。』と微笑んでいう彼に、

『おはようっっ。』とつられて笑顔になるわたし。


一緒にホテルの朝食を取っている時、

少し二日酔いで気持ち悪さがあるのと、

“来て良かったのか?”という自問自答の罪悪感で、

浮かない表情をしていたわたしに、


『どうかしましたかぁ?』と、心配そうな顔をする。


『ちょっと、昨日のお酒で気持ち悪くって。。。』とわたしが言う。


『あぁ~』と笑う。


二人でバルコニーからの景色を見ながら、ゆっくり話をして、


その後、


『今日、一緒に観光しましょうか?』と彼が言い、

『はい。』とわたしが言うと、


思い出したかのように、

『あ、あの日本人の女の人で、今日あなたと一緒にいいですか?』

『彼女は、男の人と二人で来たんだけど、男の人がエジプトでおなかが痛くなってしまって休んでいるので。』

と言われ、


その女の人のことを考えて、一緒に誘っていること、

わたし一人よりも、他の日本人の人がいることに安心感を覚え、

嬉しくなり、『いいですよっっ。』と答えた。


バルコニーから、ロビーへ戻るエレベーターの中で、二人っきりになる。

彼をそっと見ると、目が合い、

彼はわたしを、ギュッとハグをして、それからキスをする。


日本人の彼女は、旦那さまとハネムーンでトルコへ来ていた。


わたしは、どちらかというと、みんなで一緒にワイワイするのが好きなタイプなので、

新しい出会いが嬉しかった。


エジプト~トルコのツアーで、

旦那さまが、エジプトで食あたりになってしまったとのこと。


奥さんは、意外とあっさりとしていて、

『彼は、お腹弱いのよね~』と笑いながら言い、

穏やかで明るく、わたし達はお互い人見知りせず、

エジプトのことや、お互いの生活のことなど話した。


彼女とアリさんとわたしの3人で、

ドルマバフチェ宮殿へ行き、ゆっくり観光。


オスマン帝国時代の宮殿は、ヨーロッパの雰囲気をもちつつ、

どこか懐かしいアジアのデザインもあり、とても魅力的だった。


宮殿の中は、3人でゆっくりと観てまわり、

宮殿の外では、少し歩いては、お茶をしたり、写真を撮ったり・・・

少し歩いては、写真を撮るわたし達に、若干飽きれていた様子のアリさん。


わたしは、アリさんをジッと見て、

目が合うと、ウィンクをするアリさん。


その度に、ドキドキし、唇を見るわたし。


わたしは、完全に彼に夢中になっていた。

観光がひと段落すると、

奥さんは、旦那さんのもとへとホテルへ一旦帰り、

その後、わたしとアリさんはグランドバザールへ。


ふたりっきりになると、

『あのねぇ、この後、仕事があるんだけど、終わったら、一緒に夜ご飯食べましょうかぁ?』と誘われ、

『はいっっ。』と答える。

トルコ石のお店へ行き、

その後、先ほどの奥さんと旦那さんが合流。


4人で昼食を取った。


旦那さんもとても感じのいい人で、4人でたくさんのトルコ料理をたらふく食べた。


わたしは、夫婦とお別れし、

アリさんと、少しブラブラ街を歩く。

アリさんは『仕事の時間だから。』と、夜の待ち合わせ時間を決めて、わたしは見送る。


わたしは、1人で旧市街の観光をした。

待ち合わせの時間を楽しみにしながら・・・




待ち合わせの時間にロビーへ行くと、アリさんが待っていた。


わたしに気がつき、目が合うと、

『行きましょうかぁ』

と、微笑んで言う。


『はい。』

と答え、一緒にホテルから出る。


ホテルから出ると、街はすでに暗くなり、

ホテルから近いブルーモスクはライトアップされていた。

とても、幻想的で綺麗だ。


知らない国、知らない街、知らない人。

いつも、海外へ来ると同じこのワクワクした感覚をもつ。


『他には誰も来ないんですか???』

と、これからどこへ行くかも分からず、

他にたくさん知らない人がいたら、

さすがに怖いと思い、アリさんへ質問したら、

『わたしだけですよ。』

と言われ、少し安心したような、嬉しいような気持ちになる。


ふたりで、新市街の方へ行くと、人の多さにびっくり。

新市街は、日本で言う所の新宿や渋谷のような若者と観光客の街。


わたしは、人ごみにまみれ、アリさんとはぐれそうになる。


アリさんは、わたしの腕を掴み、自分へ引き寄せる。


中学生の甘い恋のように、その瞬間ドキッと心をつつかれた。


手を繋ごうとしてくれたが、

その瞬間、日本の彼の顔がよぎり、手をはじくと、

気づいたアリさんはそれ以上握ろうとはしてこない。


だけど、何度も何度もはぐれそうになるわたしに、

もう一度、手を繋いでくる。


わたしは、手を握る。


あったかくて、大きな手。


アリさんの顔をのぞくと、少し照れたように微笑んだ。


ふたりで手を繋いで、その後、ショッピングをして、ご飯を食べにお店に入る。


初めてのトルコ料理、トルコのお酒。


ふたりで、トルコの話、日本の話、仕事の話、家族の話、

まるで初めて今日会ったとは思えない位、いろんな話をした。


わたしは、嘘をつきたくなかったので、彼氏がいることをアリさんへ話した。

アリさんは、今は彼女はいないかなぁと曖昧な返事。


恋愛や結婚の話など、話はつきなかった。


どんどん彼のことが好きになっていくのを、自分でも感じていた。


“RAKI”を飲み、ふたりともほろ酔い気分になる。


旅の疲れもあるせいか、だんだん、ぐるぐる酔いがまわり出し、

アリさんへ帰ろうと言い、タクシーへ乗り込む。


ホテルへ向かうタクシーの中で、ふいにキスをされた。


本当にふいにされて、抵抗する間もなかった。


わたしは慌てて、抵抗し、『やめて。』と言う。


『どうして???』と無邪気に言うアリさん。


『わたし彼氏いるし・・・。』


アリさんは、わたしの肩を抱き寄せたまま、ホテルへ向かう。


ホテルがタクシーに着いて、ふたりで降りる。


『ハグだけ。』


と言って、わたしを抱き寄せ、またキスをする。


すごく上手なキスで、正直とろけてしまった。


なにも考えられなくなり、そのまま抱きついていた。


アリさんが、

『明日、一緒に朝食を食べましょうっ。』

と待ち合わせ時間を決めて、バイバイする。


わたしは、ひとりでホテルの部屋へ行き、

そこではじめて、なんとも言えない強烈な罪悪感が襲ってきた。


“どうしよう”“どうしよう”とぐるぐるまわる頭で思っていた。


“大丈夫、酔っててキスしちゃっただけ。

明日待ち合わせの時間に行かなければもう会うこともないもん。

よし、明日待ち合わせの時間に行かないで出かけよう”


“でも、もしこれで行かなかったら、もうアリさんに会えない。。。”


と彼への気持ちとアリさんへの気持ちで揺れ動いていた。


結論が出ない、ぐるぐるまわる頭で、

“明日どうしたいか、起きた時の気持ちで決めようっっ。”と、

彼、アリさん、彼、アリさんとふたりのことを思いながら、眠りについた。