とても寂しい通夜だった。
通夜だから寂しいに決まってるけど
とくに寂しい通夜だった。
理由は、すごく静かな通夜だったからなのと
小さ過ぎる娘さんの存在。
旦那さんのどうしようもない孤独感。
友人は友達が少ない人だった。
なかなか人に心を開かないタイプだったから
かもしれない。
自分でも「私は友達が少ない」
と言っていた。
だから、旦那さんは人生の中で唯一
心から信じられる人だったのだろう。
旦那さんの孤独感はものすごかった。
生前の友人から聞いた話では
旦那さんは幼い頃にお母さんを
亡くしており、お父さんもいない、と。
旦那さんにとっても友人が唯一の
家族だったのだろう。
その2人に新しい家族ができて1年半。
娘さんを見て愕然とした。
私は、晩年、友人とそんなに親しくは
なかったので
娘さんに初めて会った。
娘さんは想像以上に赤ちゃんだった。
こんな小さいんだ・・。
旦那さん、大丈夫だろうか。
ずっとそればかり気になった。
旦那さんと少し会話をしたけど、
まだ実感が湧かなすぎて、
呆然としている、という感じだっただろうか。
気丈に振る舞ってはいるけど
なんとなく心ここに在らず的な感じだった。
これからどうやってひとりで子育て
していくのだろう・・。
旦那さん、まさか自分がシングルファーザーに
なるなんて夢にも思わなかっただろう。
でも、このご時世、
周りを見渡せば核家族だらけ。
人生、いつどうなるかわからない・・。