埋もれる | 海外ドラマにfallin love

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いつのまにか完全にレビューブログになってしまいました(笑)

今日は、「埋もれる」という本を読み終えたので紹介したいと思います。


埋もれる「日本ラブストーリー大賞」シリーズ/奈良美那
¥1,000
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心にポッカリと穴が空いているような26歳の主人公が、


初めて1人の男性に、自分から惹かれて・・・


そしてむさぼりつくようにその人を求める。そして求め合う。


その様子はまさに「恋愛中毒」



そしてそんな恋愛中毒がずっと続くわけではなく、


主人公はハッと気づくのです。


これは愛と呼べるのか。


このまま一緒にいていいのか。


優しく優しく一緒にいてくれる人を捨ててまで欲しかったのものなのか。


この気持ちは


愛?恋?それともなんでもない?


そんな疑問を抱きつつも、やっぱり彼から離れられない。


舞台は韓国ですが、


それに意味があるようでいて、ない。


ないようでいて、ある。


そんな雰囲気。



でも、ストーリーの展開はともかく・・・


1つ1つのシーンが丁寧に、ゆっくりと描かれているので、


主人公の気持ちは強く強く伝わってきます。


そして官能的な表現も。


それはセクシーな感じなんだけれど、


あまりエロさを感じないというか・・・。(いい意味で)


すごく巧いなぁと思いました。



一言で表現すると、大人な恋愛。


という感じでしたが、


この本は、また10年後に読んだら印象が全然違うんだろうなぁ


と思います。


でも基本的にこの主人公はあまり好きにはなれません。


なんでだろう。


いじわるなわけでも、小悪魔なわけでもない。


いろんなことに迷う普通の26歳。


でもなんだか好きにはなれませんでした。最後まで。


それでも、お話としてはよかったです。


この作品は、


ロマンチックなわけでも、すごく切ないわけでもない。


けれど、現実と自分の想いの中で揺れ動く心は、


汚くも見えて、でもやっぱり綺麗な気持ちだと感じました。


タイトルの「埋もれる」もピッタリだと思います。



後から知ったのですが、


これは最近有名になってきた賞、「日本ラブストーリー大賞」


を受賞した作品です。


ぜひ1度読んでみる価値はあると思います。



最後に・・・本を楽しく読むには自分との共感点が必要かな。


と私は思っていたのですが、


この本を読んでも、前回の「子どもたちは夜と遊ぶ」を読んだことからも、


共感するところがあまりなくても、


1つの小説として楽しめるものはたくさんあるんだなぁ


と最近感じるようになってきました。


何かの文章で、


「本は、自分の考えや思いを正当化するものだ。」


ということが書かれていて、


本が好きな私は・・・


「そんなことない。」と思っていながらも、


「そうなのかもしれない」と思ってしまう部分もありました。


でも今なら言えます。


本は自分の考えや思いを正当化するものではない。と。