映画『ミステリと言う勿れ』を観てきました。

 

 

映画サービスデーだからでしょうか、日曜朝8時40分の回でしたが、結構お客さんが入っていました。

 

満席とはいかないまでも… ただその後、お昼前~午後上映開始の2回分は、残席わずかとなっていました。

 

映画情報サイトの口コミもよいみたいだし、人気のある映画なんでしょうね~

 

 

ちなみに私は、映画館で予告編を見て、おもしろそうだなと思って観に来ました。

 

原作未読。ドラマは最初のほうだけ見て、なんか自分には合わないなと思って見なくなりました。

 

なんだろうな、全体的な画面や雰囲気が暗いと感じたのか(殺人や犯罪といった暴力的なモチーフを心がまったく受けつけない時期というのもたまにあるし)、演出に違和感があったのか… 理由をはっきり覚えていませんが、主人公の大学生・久能整(くのう・ととのう)くんが、突然「青年の主張」みたいな長台詞を語りだすのが、少女漫画の典型的な説教くささを見るようで、少々気恥ずかしかったことが理由のような気もします。

 

 

今回映画館で観て思ったのは、トトノウくんて人気があるなぁ~ということ。

 

トトノウくんがちょっと動いたりしゃべったりするだけで、マダム層(たぶん)から好意的な笑いがフフフと起きていました。

 

じっさい私のような、ドラマよく知らない層から見ても、トトノウくんはよかった。菅田将暉さんが役柄によく合っているのだと思います。今回もやはり、何気ない会話の一言に引っかかって「青年の主張」を始めていましたが、周りが不思議とおとなしく耳を傾けて、何か心が動いている様子がするのも、菅田将暉さんのトトノウくんだから説得力があるのだろうと思います。トトノウくんの研ぎ澄まされた言葉は、不思議と人の心の奥に届いて、その人も知らないうちに何かを癒すような力を持っている。カウンセラーでもなんでもない、通りすがりのほとんど知らない人の立場であるトトノウくんに、なんでそんなことができるのか? 観ていてなぜか納得できるのは、菅田将暉さんがすでにそういう、真摯に人と(または自分自身と)向き合う雰囲気をしっかり持っているからではないかと。

私個人の好みとしては、主張があるなら長台詞で説明するのではなくて、エピソードに織り込んで作品そのものとして伝えて欲しいのですが、トトノウくんの魅力はこうやって言葉ではっきり説明することなんだろうなと理解しました。

観に来ている人たちは、そういうトトノウくんが好きで、励まされるのかな、と。

 

クライマックスの謎解きシーンで「(犯人は)~してから殺すべきでした。や、べきっていうか」ととっさに言い足すトトノウくんがとても自然でよかった。そうだよね~、殺さないのが一番だもんね。

 

今回の映画は、原作未読でも、ドラマ観てなくても、理解できましたしおもしろかったです。

 

ただこれはほんとに好みの話になると思うけど、このフラッシュバックいるんだろうか、とか、暗転の黒い画面が多いな(CMが入るのかと思ってしまう 笑)とかで、テンポが悪いと感じる部分もありました。演者の視線をじっと追う意味ありげなカットも多かったような… (まぁこれは今この人何を考えているんだろうなって、こちらの想像力を刺激する時間でもあるのだけれど)

 

あと遺産相続の謎解きって結局どうなったんでしょうね?(『あるべきものを あるべきところに 過不足なく』だっけ)

遺産を残したおじいさんとしては、あの4つの蔵が最終的にどうなることが正解だったのだろう。まぁ話の流れとしては遺産そのものは本来の持ち主のところに行くとしても、亡くなる前のおじいさんは4人の孫の誰かに残すつもりで謎をかけたのだろうし… そのへんが謎のまま残ってしまい、少々気になります。。