自分を説明するのって難しい。


「夫と3歳の娘と3人で暮らしています」


「平日は雑貨店の在宅ワーク、
週に一度はカフェで働いています」


妻であり、母であり、
雑貨店とカフェのスタッフでもある。
















何ひとつ極めていない私は
何者なのだろうか。


自分の肩書きが一週間の中で
コロコロ変わる感じが面白い。


夫のお弁当も作るし
娘の着替えも手伝う。


雑貨店の店舗スタッフさんの
手が回らない部分を
フォローアップすることや
穴が空きがちな土日のカフェシフトを
埋めることも私の役割のひとつ。


アンケートの職業欄は
「専業主婦」にマルをしている。


「中途半端な何でも屋」
みたいな選択肢があれば
迷わずにマルをつけると思う。














そんな私は今
仕事終わり、カフェで
ひとり寛いでいる。


今日は仕事が
いつもより早く終わったし
今日は何となく
直帰したくない気分だった。


はっきりとした理由はわからないけど
「役割のない自分」みたいな時間が
ちょっとだけほしかった。


1時間前にはカフェスタッフで
1時間後には主婦になる
その狭間の「ただの私」として
今、このブログを書いている。














リュックの中には
今日ロスになってしまった
クリームスコーンがひとつ
…これは私の分。


今日の朝焼き上げたばかりの
チョコチャンクスコーンがふたつ。


こちらは、
甘いものが大好きな夫と娘の分。


仕事のあとにケーキや焼き菓子を
お土産に買って帰ると
ふたりがとっても喜ぶもんだから
今日ロスじゃなくても
こうして買って帰ることがある。














私は仕事が好きだけど
娘は私が仕事に行く日は
悲しそうにしている。


「寂しいから行かないで」と
言われることもある。


お土産のケーキや焼き菓子が
小さな娘の心にちょっとでも
嬉しくて楽しい思い出として
刻まれたらいいなと思う。


大きくなった娘が、
「ママが仕事でいなくて悲しかった」
ではなくて、
「ママが仕事の帰りに
買ってきてくれたスコーンを
みんなで食べて楽しかった」
…そんな風に今日のことを
思い出してくれたら嬉しい。


楽しく働く姿を娘に見ていてほしい
とも思う。













ずっと何者かになりたくて
誰かに必要とされたくて
役割がほしかった。


願望は達成し、
私は常に何者かになり
誰かに必要とされ
担うべき役割がある。


有難いことだ。


さらに、こうしてたまに
役割を肩から下ろして
「ただの人」になる選択肢まで
用意されている。


本当に有難い。














そろそろ帰る時間になった。


あともう一呼吸おいて
カフェタイムを楽しんだら
安全運転でうちに帰ろう。


今日は娘といつもよりゆっくりと
お風呂に入ろうと思う。