「やりたいこと」



こんなシンプルなことを
人は時々見失う。



「やりたいと思っていたこと」



それが、実は、ただの見栄だったり
誰かの真似事だと気付いてしまったり。



過去の自分と今の自分は
日々緩やかに変化しているから
やりたいことも
変化していくことがある。













ある休日。



カーテンを開けたら快晴で
無性にどこかへ出かけたくなった。



・夫と娘(3歳)とのスリーマンセル
・若干のめまい
・コロナ禍



この条件で楽しめることは何か
めまいで既に回っている頭を
さらに回転させて考えてしまい
めちゃ具合が悪くなった(笑)



「やりたいことがわからない」
そう感じた。



いや、やりたいことはある。



鎌倉に行きたいし、沖縄にも行きたい。

スパで一日ゆっくり過ごしたいし
贅沢にマッサージなんかも最高だ。

太陽が燦々と降り注ぐ
果てしなく青い海も見に行きたい。




だだ、その日は条件付き。



・夫と娘(3歳)とのスリーマンセル
・若干のめまい
・コロナ禍



いつも自分のわがままで
家族をぶんぶん振り回すわりに
私は私で実は
家族にも笑顔でいてほしいと思っている。




自分が楽しくて
家族にも楽しくいてほしい。



めまいがある日には
悔しいが遠出も避けた方が良い。



ならスパがいいかなと思ったけど
空はバカみたいに澄み渡っている。



こんな日に外に繰り出さないなんて
あまりにもったいないじゃないか。














くるくる回る頭と目を休めながら
身体にお伺いを立ててみたところ
「美味しいパンが食べたい」
とのことだった。



お腹の気持ちを口からそのまま出す。



「美味しいパンが食べたいな」



食いしん坊の夫と
パン大好きな娘が大賛成してくれたので
3人で朝の家事と支度を
ちゃかちゃかと終わらして車に飛び乗った。













自宅から30分ほど離れたところにある
美味しいパン屋さんへ向かいながら
私の頭はまた思考を始めた。



パンを食べた後は何をしようかな?
何をしたら満足するかな?



働き者の私の頭。



だけど、頭が頑張ってくれるほどに
私のめまいはひどくなるので
今日は休んでいていいよと伝えて
感覚のスイッチを優位に切り替えた。



考えない
ピンときたら行動




パン屋さんへ向かう道中
おせんべい屋さんの駐車場に
"おだんごあります"
という魅力的な看板を発見。



あっ!おだんご食べたい!



そう感じたので
それをまたそのまま口に出す。



「ねえ!おだんご食べたい!」



和菓子好きの夫は
「いいね!」とすぐにUターンしてくれて
娘も急な予定変更を楽しんでいる様子。



おせんべい屋さんに入ると
ガラス張りの厨房があって
おだんごを香ばしく焼いていた。



おだんごは全5種類

こしあん
つぶあん
紫芋あん
みたらし
醤油



どれも美味しそう。



せっかくなので
一本ずつ注文することにした。



注文が入ってから
おだんごを焼いてくれるので
アツアツモチモチのおだんごを
堪能することができた。



どれもとても美味しくて
とっても嬉しい気持ちになった。



娘は醤油のおだんごを気に入り
ひとりで全部食べてしまったので
醤油は食べられなかったのだけど
それも含めて全部が嬉しかった。














まだまだお腹は空いている。



おだんごをペロリと平げて
パン屋さんへ向かった。



このあとパン屋さんへ行くと
わかっていたけど
おだんごを5本注文することに
誰も何も言わなかったし



おだんごを食べたあとに
「パンはもういいか」
と言う人もいなかった。



パン屋さんでは各々が好きなパンを
それぞれ3つずつ選んだ。



「ちょっと多いかな」とは言うけど
「ちょっと減らそうか」という人は
やっぱりいなかった。



いつも使っている外のテラス席は
使用不可になっていたので
近所の公園を探して
ピクニックをすることにした。














適当に探した公園は
思いの外、広く、気持ちよく
さっそく木陰を探して
レジャーシートを敷いて
自分たちのスペースを作った。



レジャーシートは今年の春に
使って以来そのまま
トランクに放置されていたものだ。



ズボラが幸いした。



この日は本当に気持ちよく晴れており
湿度も低かったので
木陰に入るとひんやりと心地よく
外で食べるパンは
いつにもまして美味しかった。














公園といっても
特に遊具があるわけでもないのだか
娘はパンを食べながら
「あそびたい!あそびたい!」と言い
今にも飛び出していきそうな勢い。



せっかくだから遊んで行こうと
またまた春から積みっぱなしの
芝滑りのソリを引っ張り出して
3人で坂を滑ったりして遊んだ。



私はめまいがあるので1回だけ。



それでも晴れた空の下で
めいいっぱい遊ぶのが本当に楽しかった。














ソリも遊び飽きた頃、
娘が「シャボン玉がしたい」というので
近くのオモチャ屋さんで
シャボン玉を買った。



私はフリスビー、夫はボール
この日の私たちはオトナコドモ。



電池を買い忘れて
シャボン玉ができないという
ミスを冒してしまったが
フリスビーが大ヒットしたから
問題なく楽しく遊ぶことができた。



ちょっと疲れてきた時に
夫が「子どもの時にこれやらなかった?」
とオオバコを2本摘んで見せてきた。



2本のオオバコをクロスさせて
せーので引っ張りあって
千切れなかった方が勝ち!



あー、懐かしいね、ということで
3人でやってみたら
これもまた面白くて大ヒットした。



太くて強そうなオオバコを
汗を流しながら探す感じが
なんとも良かった。



負けっぱなしの娘に忖度して
夫婦で目配せし、3回に1度は
ヒョロヒョロのオオバコを選ぶ。



その日唯一の大人な対応。













たっぷり遊んで喉が渇いたので
ドライブスルーで飲みものを買って
大満足で帰宅して
みんなでたっぷりと昼寝をした。



昼寝から目が覚めて
とっぷり暮れた空を見ながら
とてもいい一日だったなと感じた。


















「やりたいことがわからない」



そんな時には
できるだけ小さな
「やりたい」気持ち
掬い上げてみるのはどうだろう。



小さな「やりたい」が
「できた」に変わっていくことで
もう少し大きな「やりたい」を
育てることができるのだと
私は今、感じている。



人生でやりたいことがわからないなら
今年やりたいことをやる。



今年やりたいことがわからないなら
今月やりたいことをやる。



今月やりたいことがわからないなら
今日やらたいことをやる。



今日やりたいことがわからないなら
今この瞬間やりたいことをやる。



今この瞬間やりたいことがわからないなら
考えることをやめて直感に任せてみる。














やりたいこと探しに翻弄して
闇雲に情報に触れてしまうと
モヤモヤしてくるので
スマホからは距離を取ることも大切。



スマホの中に答えを探してしまうけど
いつでも知りたい答えは
自分の中にあるって本当なのかもしれない。



人生でやりたいことに出会う一歩目は
今この瞬間の欲求を
満たしていくことなのかな〜と
なんとなく感じている。



寝たければ寝ればいいし
食べたければ食べたらいい。



できないこともあるから
それはスパッと諦めて、
できる範囲の中で自分の気持ちを
丁寧に叶えてあげる。













今日は満月🌕

全ての人にとって
素晴らしい折り返し地点だ。