娘(3歳)の夏休みも残すところあと2日。




この夏は
夫婦ともに仕事に追われていたし
夫のご両親が仲良く立て続けに
手足を大怪我してしまい
順番こでお世話をしに行っていたので
家族だけの時間というのは
とってもとっても少なかった。




誤解のないように追記すると、
夫のご両親には
これまで数え切れないほど
お世話になってきたので
とても良い恩返しの機会だと感じている。











忘れっぽい私の
当てにならない記憶が正しければ
今日は夏休みに入ってから
2回目の家族水入らずの日だ。




なので、今日は
「何か夏休みっぽいことをしよう!」
ということになった。




・日帰り旅行
・温泉
・ホテルビュッフェ
・海




色んな案が出たが
カーテンを開けてみると曇り空で
私は生理2日目で
おこもり宿やホテルビュッフェは
全て予約で埋まっていた。




他に何も思いつかなかったので
寝っ転がって読書をすることにした。




人間の思考力は万能ではない。
いくら考えたって
答えが出ない時は出ない。









最近寝る前に読んでいるのは
「ももこの世界あっちこっちめぐり」
(さくらももこ/集英社)



海外旅行は楽しそうより面倒が勝つので
本を読んで手軽に旅行気分を味わっている。



今日読んだのはバリ島の旅。



読み進めていくうちに
南国を感じたい欲が刺激され
読み終える頃には
ボルテージがMAXに達していた。



優雅にプールで夕涼みしたいし
疲れた身体をエステで癒したいし
飽きるほどナシゴレンも食べたいし
ウブドゥのアートにも触れたい。










この中で現実的に叶えられることは
今叶えようと決めて、まずは
作中に出てきた「タラソテラピー」が
自宅で手軽に体験できるという
フランス・ブルターニュ産の
天然バスソルトを即購入した。




なんでも、
ミネラルやらの海藻の成分が
たっぷり配合されているらしく
それらの成分がどういうわけか
身体の疲れを取ってくれるらしい。










その次に【ウブドゥ 絵】と検索して
スマホの画面で
ウブドゥのアートを堪能した。



アートな感性のない私でも
(わあ…)となるほど不思議な魅力があった。



作品が生きているのを感じるのだ。



作中に出てくる現地のアーティストさんの
人柄がなんだかとっても素敵だったのだか、
そういう目に見えないものも込みで
伝わってくるものがあるのだろうなと
ど素人なりに感じた。




さて、次はナシゴレンだ!と思ったが
近くでナシゴレンを食べられるお店は
残念ながらなかったので
代わりにハワイアンレストランに
行くことにした。



バリ島もハワイ島も
日本にいる私からしたら
南国にかわりない。



南国を感じたいという欲は
ハワイでも充分に満たせるはずだ。









言うまでもなく
私のボルテージの高まりを
夫と娘は知らない。



にもかかわらず
ダラダラと寝っ転がって本を読んでいた人が
いきなりハイテンションで
「ハワイアンレストランに行こう!」
と宣言しても
この家のなかに驚く者はいなかった



突拍子もない提案が日常茶飯事なので
夫も娘も何の疑問も抱かずに
いそいそと外出の準備を始めてくれた。



物事をあまり深く考えずに
ぼーっと生きているふたりが
私は愛くるしくて好きだ。



たぶん私がバリ島への
脳内旅行をしている間も
ふたりは特に何を考えるでもなく
ぼーっとテレビを見ていたに違いない。



もし今「私は今ウブドゥのアートを
鑑賞していたんだよ」と伝えたら
2人の目はまん丸になると思う。



数日後にはフランスの塩が届くが
どういう経緯でこの塩が
うちの風呂に混ざっているかなんて
ふたりは考えもしないはずだ。



いつもの入浴剤ではなく
フランスの塩が入っていることにも
気付かないかもしれないが
説明するのも面倒なので
それはそれでいいやと思う。











ハワイアンレストランは
車で30分ほど行った国道沿いにある。



大きな椰子の木のおかげで
日本感満載の国道は
上手いこと隠されており
店内には波の音のBGMが流れ
そこはもう完全にハワイだった。



夫も
「椰子の木のおかげでこの国道も
ハワイの国道みたいに見えるね」と
ハワイの国道を見たこともないのに
嬉しそうにしていた。



三人ともテンションがあがり
マスクの中でニヤニヤしながら
店員さんに聞こえないように
親指と小指を立ててフリフリしながら
「アロハ〜」と言ったりもしてみた。









時刻は16:00
遅いお昼ごはん兼、早めの夜ごはん。




私たちは食の好みが違うので
それぞれが食べたいものを
好きなように好きなだけ頼んだ。




コブサラダとアヒポキは
なんとなく似ているから
どっちかにしようかとも悩んだが
どっちも食べたいから
両方頼むことにした。



ノンアルコールカクテルで乾杯して
それぞれのペースで
それぞれが食べたいものを
それぞれが食べたいように楽しんだ。




しばらくして運ばれてきた
コブサラダとアヒポキを見ると
似ているのは
 "色々なものが混ざってる"ところだけで
まったくの別物だったので
両方頼んで本当に良かった。









私がたっぷりとわがままを発揮できる
世界でたったふたりの家族との
自由気ままな夕方ごはんは最高だった。




今この瞬間大きな悩みや不安なく
世界いち大切な人たちと
笑顔でいられることは「幸福」だ。




とても感謝したい気分になったので
とりあえず出入り口にそびえ立っていた
トーテムポールに伝えて帰ってきた。










私の子どもの頃の夏休みと
娘の夏休みは大きく変わってしまった。



大きなプールもお祭りも花火もない
ひっそりと静かで小さな夏休みを
可哀想と思うこともあるけど、
3歳の娘は私たちが経験してきた
夏休みを知らないのだ。



「夏休み楽しかった?」と聞いたら
「楽しかった!」と言っていたので
娘は私より豊かだなあと思った。










来月は娘がずっと行きたがっていた
ディズニーランドに行く予定だったけど
宣言が延長されそうなので
予定も延期になるかもしれない。



家族みんなで楽しみにしていたから
少しだけ残念だけど
ディズニーランドが延期になったら
また違う楽しみを見つけようと思う。



現実がどれだけ制限されても
これからも心だけは自由であり続けたい。