東山区、地下鉄東山駅から三条通を東へ。ちょうど粟田神社の向かい。ここに、気を付けていないとつい見過ごしてしまいそうな狭小間口の神社『合槌稲荷神社』があります。
2018年の刀剣ブームの際、参拝したことのある神社でしたが、久々にお参りしようと休日の朝にやってきました。
お稲荷さんらしく、朱色の鳥居が神社奥へと誘っています。
この時、ご近所さんらしき方が参道の掃除をされて、この地域の信仰を集める神社であることがわかります。
この神社は、平安時代の刀匠で、この界隈に住んでいた三条小鍛冶宗近が、一条天皇の勅命により、名刀『小狐丸』を打ち上げる際に祈願した場所と伝わっています。
そこには面白い伝説があり、宗近が伏見稲荷に刀鍛冶祈願をしたところ、それを手伝う若者が登場。その若者の正体が稲荷大明神の使いである狐だったことから、名刀『小狐丸』と命名されたんだとか。
また神社名『合槌』は、宗近と狐が一緒に槌を打つ様子を表しています。そして、鍛冶の手伝いをした狐を祀ることから、火の用心に霊験あり。さらに、歌舞伎や能でも上演される有名な演目であることから、上演の際には演者が参拝することもあるんだとか。
そして、他の神社にはない特徴なのですが、参道は細い路地の先にあり、密集した民家を経由。なので、近隣住民の御迷惑にならないよう静かに参拝するのがマナー。
その先に、石造りの鳥居、その奥に小さな祠があります。その背景には火伏せの木、銀杏が青々と茂っています。
また、天下五剣の一つ、『三日月宗近』(国宝)が代表作。そして、宗近は日本三大祭りの一つ祇園祭・長刀鉾の鉾頭『大長刀』を八坂神社に奉納したことでも有名。現在は大永二年(1522年)三条長吉作の長刀を保存し、複製品を鉾頭に採用していますが。
御朱印は粟田神社で授与されているようですね。ご参考に。
名称:合槌稲荷神社
場所:京都市東山区中之町196