左京区、洛北の奥にある静市静原。隣のエリアには里山として知られる大原があり、大原以上に小規模の集落で、自然豊かな場所で京野菜は農産品の里でもあります。
 
この日は京都一周トレイルの途中、なかなか今までお参りすることのなかった神社なので、立ち寄りました。
 
以前から、京都の隠れた紅葉名所として地元民の間でもあまり知られていない穴場撮影スポット。インスタグラムなどで一部紅葉シーズンに大銀杏が紹介されたり。
 

そんなことをうろ覚えで訪れたわけですが、この時期は鬱蒼とした緑一色の境内。結局大銀杏を確認できなかったのですが、後で調べるとこの鳥居の右側にあったようです(泣)それぐらい、いろんな木々の枝葉で境内が包まれています。

 

さらに、拝殿周辺にはかなりの樹齢であることがわかる、恐らく御神木であろう杉の木立。

 

古来、御本社に伊弘諾尊(いざなぎのみこと)と奥御前に瓊瓊杵尊(ににょにょきつねのみこと)を祀り、『二宮社』とも呼ばれていました。天武天皇が逆徒に襲われた際、この地で心身静かに過ごされたことから「静原」という地名が付けられ、和銅4年(711年)祭祀が始まったと伝わっています。

 

この時、ちょうど祭りシーズンで、周辺に飾られた提灯には「二葉葵」の社紋。二葉葵と言えば、世界遺産として知られる上賀茂神社、下鴨神社を思い出し、何か関係があるのか?と調べると大ありでした。
 
明応年間(1492~1501年)の戦で、社領の祠、社記や記録等はすべて焼失。その後「賀茂御祖神社(下鴨神社)」の末社となり、以来葵祭で使用される葵はここ静原神社で採取、献上されていました。1960年(昭和35年)に静原神社は下鴨神社の末社から独立しましたが、今でも御蔭祭り、葵祭には参列する習わしが続いています。

 

奥には周囲の森と同化するように鄙びた木造の本殿。

 

神社には参拝客向けの社務所などはなく、お札や御朱印などはセルフ授与となっています。

 

世界遺産・下鴨神社と深いつながりがありながら、参拝客がほとんどおらず、穴場的とも言える神社ですね。

 

 

名称:静原神社

場所:京都市左京区静市静原町1351