京都盆地を取り囲む山々で構成れた全長約80キロの、地元民が気軽に利用する山歩きコース『京都一周トレイル』。東南、伏見から比叡山、大原、鞍馬を経て、高雄、嵐山、苔寺に至る、京都市街の眺望を楽しみながらめぐる山歩きコースで、ガイドブックも多数発行されています。地元民にとっては手軽に登山を楽しめる、比較的難易度の低い山歩きコースですが、最近では山歩きだけにとどまらず、トレラン大会も開催され、全国的にその知名度も上がっています。

それぞれの山を単発で登る機会はあっても、京都一周を縦走することは今までなかったので、以前から一度京都一周トレイルを踏破してみたいな、と。

 

今回は東のスタート地点とも言うべき、東山コース伏見深草ルート。

 

まずはそのスタート地点『京阪伏見桃山駅』。駅からスタートなので、アクセスもバッチリです(笑)ここから桃山に向かって大手筋通りを東へ。緩い傾斜が続きます。

 

通りの左手に伏見のランドマーク『御香宮神社』を通ります。御香宮神社は酒処、名水処の伏見を象徴する神社。この日は先を急ぐためスルーします。

 

しばらくすると、『桃山御陵』参道に入り『乃木神社』『伏見桃山稜』を経由。杉並木の参道が圧巻で、地元住民が朝散歩などで集う憩いの場。

 

さらに、『伏見桃山城』入口に。地元民にとっての旧キャッスルランド。逆さ瓢箪飾りのポールなど、豊臣秀吉ゆかりの地であることをあらわしています。
 
桃山城の撮影には許可を要するため、入口の外観画像のみですが、2つの天守閣があり、その周りには鮮やかなサツキが彩っていました。

 

そこから、これまた地元民憩いの場『伏見北堀公園』。グラウンドや体育館があり、さらに新緑が気持ちいい遊歩道を通ります。

 

 

そこから『八科峠』峠道を上り、住宅街エリアに。峠を境に東側には六地蔵エリアが広がっています。ここからしばらく住宅街が続き、トレイル道標があまりなく、ちょっと迷いつつ京都老人ホームへ向かって歩きます。

 

ここから『大岩山』へ。このあたりは京都一周トレイルと深草トレイルを兼ねたコースになっているようです。
 

大岩山の南側にはこのような竹林道。車両が通れるような道にもなっています。

 

そこから太陽光パネルエリアのある拓けた場所をすぎると、京都市内を一望できる『大岩山展望所』に到着。ベンチなども設置されており、この時お弁当を広げるグループもいたり、わりとこのあたりでは有名な場所なんですかね。

 

そんな見晴らしのいい展望所から一変する、鬱蒼とした山道にトレイルは続きます。ここから下り中心に。

 

しばらく下っていくと、石仏や石碑、小さな祠を通り過ぎ、以前にも参拝したことのある『大岩神社』に到着。堂本印象作のエキゾチックな鳥居が有名な神社ですが、無人で廃社同然の寂れ具合。このあたりは薮蚊が多く、ちょっと立ち止まるだけで蚊に噛まれます(笑)なので、虫よけ対策をされたほうがベター。

 

さらに神社参道を下ると大岩街道に合流。
 
そこからY字路の、恐らく旧大岩街道側、右に進み深草方面へ。

 

途中、住宅街にありながら天皇御陵の集中する場所を通り過ぎます。こちらは『仁明天皇深草陵』。奥には拝礼所も。

 

名神高速道路のトンネルをくぐり、その高速道路脇の道を上っていきます。

 

住宅街を経由し、さらに山手に進むと市民農園などもある、日当たりのいい小高い丘の畑エリアに。

 

さらに竹林エリア。伏見もわりと竹林の多いエリアなんですね。筍シーズンにはこのあたりが名産地になっていたり。そういえば、戦国武将・明智光秀終焉の地・明智藪もわりとこの近くにあり、やはり竹藪でした。

 

このあたりも深草トレイルと重複する場所。深草トレイル単体でも見どころがいっぱいありそうなコースですね。野鳥の種類が豊富みたいですね。

 

 

ここから、さらに美しい竹林コースが続きます。こんな場所が伏見にあるとは知りませんでした。とても素敵な景観のコース。

 

このあたりから、伏見稲荷大社エリアで、道標も英語表記のものが目立ち始めます。

 

すると、見覚えのあるお稲荷さん感のある鳥居や祠配置のエリアに合流。このあたり、外国人観光客に特に人気なのか、出会う人ほぼ100%外国人観光客でした。しかも、けっこうな人数の。それに引き換え地元民のくせに、伏見稲荷大社の中でもこの南側のエリアに来るのは初めて(汗)

 

一筋の石畳の細い竹林の道が続き、嵐山の竹林の小径に負けず劣らずの素敵な景観がしばらく続きます。何より、ひっそりとした穴場感のある場所。

 

時折、猪除けの空砲も鳴ったり、市内とは思えない場所。

 

すると、『伏見神宝(寶)神社』にたどり着き、さっきまで歩いてきた竹林の道が『竹乃下道』であったことを知る。平安時代、このあたりには別荘荘園があり、源氏物語や多くの文学作品に当時の様子が描かれた場所なんだとか。
 
そして、この伏見神宝神社は伏見稲荷大社の摂社ではないみたいですね。「竹取物語」発祥の地とされ、境内には狛犬ならぬ狛龍のある、龍神信仰の神社。辰年である今年は特に人気。

 

そこからさらに進むと伏見稲荷大社の千本鳥居に合流し、いつもの見慣れた風景に。

 

 

 

今回の伏見深草コースはここから千本鳥居を下り、最後は伏見稲荷大社の鳥居前、京阪伏見稲荷駅がゴールに。

 

今回のコースタイム、約9.5㎞で4時間程度。これまで歩いたコースの中では、アスファルトの道が多く、勾配も比較的緩やかで、さらに市街へのアクセスがしやすいコース。なので、初心者向きとも言えます。しかも、伏見稲荷大社に合流できるなど、観光も兼ねた旅行者にとっも歩き甲斐のあるコースに。ご参考に。