月イチ開催の句会。今回もいつもどおりのzoom参加。

 

今回の兼題『春深し』。晩春の季語。

 

 

調べてみると、春を惜しむ若干の憂いや新緑への希望とか、そういった微妙なニュアンスをはらんだ季語みたいです。

 

少し前、前談としての俳句ポストネタを上げていましたが、今回その結果に気をよくして実景を詠む感じになりました。

 

 

 

いつもは、関東の人ばかりで構成された句会なので、関西特有のニュアンスの使い方気を付けよう、とか普遍的言い回しにしようとか、そんなフィルターにいったん通して作句するのですが。

 

その点でいうと俳句ポストは真逆で、類想にならないようむしろ地域の固有名詞や言い回しのほうがオリジナリティーあって評価されやすいというか。

 

投句件数のバリエーション圧倒的ということもあると思いますが。

 

 

前回の句会で自分としてはわりと控えめな、あまり自分らしくない句をつくったなと思った句のほうが、むしろ評価されていて、句会によって評価が本当に違うというか。毎度言ってる今更感ですが(笑)

 

 

 

 

結論として、今回は全滅でした(爆)印象に残った体験ばかりだったので、そのまま走り、まあかなり私的な俳句になったことは否めまない、以下3句。

 

 

①春深し町家に並ぶ他所ナンバー

桜シーズンが終わり観光客の混みっぷりもひと段落の頃、久々に哲学の道周辺を歩いていてふと見ると、今までなかったようなお店が増えたり、昔からあったカフェがなくなっていたり。さらには、周辺の地元民しかいなかったようなエリアの長屋が、ことごとくリノベされてて、その車庫に並んでいる車がほぼ関東ナンバーという(笑)京都も他所からの流入が増えた話は以前にもしていましたが、それは中心部に限った話だと思っていました。それがこんなところにも!という、ちょっと移り行く春の憂いとともに取り合わせました。『町家』自体がピンとこないのかもな、と。

 

 

②桜蕊(しべ)降りマクド紙袋呑む

季語『桜蕊降る』は晩春の季語。以前、プレバトで梅沢さんも詠まれていた季語。

 

近所の保育園の桜並木のある通りの路肩を歩いていた時の風景。その日は土日で、園が休みということもあるのか、大量に降った桜蕊がどっさり路肩の隅に溜まり、その中にマクドナルドの紙袋が埋まっており、春の終焉というか、後の祭りというか、そういう様子を詠みました。ポイントはそこではないとは思いますが、『マクド』にするか『マック』にするか迷いましたが、まあ自分の句なのでそこに地域性をおもねる必要ないだろう、と。

 

③霾(つちふる)やめしや開かずの競輪場

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『霾』は黄砂のことで、この時期の季語。

先日、自転車で向日町競輪場に行った時の様子を詠みました。うっすら靄がかかったような、黄砂がつらい日でしたが(笑)

 

老朽化していて、昭和レトロ感そのままの競輪場でしたが、ふと売店?飲食店が並んでいるエリアがあり、どこもこの日は閉店。守衛の方に聞くと、コロナ以降ずっと閉店してるとのこと。看板みると、今ではあまり見かけない屋号が並び、そんな幻感も黄砂のかかった視界不純さとマッチするかな、と。

 

あとあと、俳句ポストにはキーワード検索機能があり、それで『競輪場』を探すと、まったく競輪場を詠んだ句がありませんでした(笑)なんでしょう。俳句をたしなむ人で競輪場に行くような人はいない、ということなのか。もっと言うと、俳句はブルジョワの遊びなのか(笑)

 

まあ、私も競輪場に行くのは今回生まれて初めてで、それを記念して詠んだ句。誰も共感できないのは仕方ないですね(笑)

 

 

と、まあ普段の体験をそのまま詠むと共感されない、という結果が如実に出た回でした。