東山区、東山の山中。
この日は京都盆地を取り囲む山々で構成された全長約80キロの、地元民が気軽に利用する山歩きコース『京都一周トレイル』を利用し登山。その中でも、人気コースの清水寺~将軍塚~粟田神社までの東山コースを利用。
 
途中、京都市内が一望できる眺望の良さが格別。

 

そのコースの途中には京都屈指の観光スポットである神社仏閣にもつながり、この時もちょっと道に迷っているうちに知恩院へ。

 

知恩院は法然上人を開祖とする浄土宗の総本山寺院。

京都の三大門の一つに数えられ、アジア最大級とも言われる三門を有し、現存する木造建築では最大級二重門の三門。国宝。

 

そして、それに連なる参道の石段は、映画『ラストサムライ』の舞台ともなった場所で、知恩院のパワースポットとも言われています。

 

この日の知恩院、本堂では袴姿の女子たち大勢。
もしや、と思い尋ねてみると、この日は山内にある女子大学、華頂大学の卒業式。式はこの本堂で執り行われるとのことで、仏教系大学ならでは。

 

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さらに境内の山側、京都一周トレイル東山コースの合流口付近。江戸時代から伝わる高さ3メートルあまり、重さおよそ70トンもある大釣鐘。

 

そして、毎年17人の僧侶による、独特の撞き方で巨大な鐘を鳴らす除夜の鐘は、多くの見物客でにぎわう冬の京都の風物詩。こちらは以前見学した時の様子ですが、僧侶の集う様子から大釣鐘がいかに巨大であるかがわかります。

 

 
そんな大釣鐘の脇道から山に登っていくと、知恩院の中でも開創当初の古くからの寺域となるエリア。そこに、ちょっと不思議な石造りスペースに遭遇します。通り過ぎる外国人登山客も、なんだろう?と足を止めて撮影したり。

 

この場所『法垂窟(ほうたるのいわや)』は、建仁2年(1201年)に法然上人が中国の浄土教僧・善導大師に夢の中で法を授かった場所と伝わります。

 

奥に進むと、山の岩盤に小さなくぼみがあり、その奥に石仏が。

 

 

中は洞窟になっていて、その周りには泉があり、なんとも神秘的な雰囲気の場所。

 

善導大師は、法然上人に「法は垂れるものである」と語り、その言葉から「法垂窟」と名付けられたと伝わり、文字通り法然上人の教えが広がることをあらわしています。

 

入口にはレリーフがあり、古くてはっきりと認識できませんが、善導と法然の出会いを表してるとか。

 

念仏信仰の源流、知恩院の奥の院とも言える神聖な場所。ちょっとパワースポット的雰囲気も漂うひっそりとした場所。ぜひ、この山内に足を運んでみてください!

 

 

名称:法垂窟(ほうたるのいわや)

場所:京都市東山区円山町627