左京区にある臨済宗大本山『南禅寺』。この日は新年の坐禅会初め。それに参加しようとやってきましたが、ほぼ夜の風景(笑)

 

観光には空いてる時間帯、朝活をいつも推奨していますが、さすがにこんな夜中のような風景では観光客皆無。そして、こんな時間帯であっても境内を散策できる南禅寺の懐の深さをも実感(笑)

 

そしてこの2~3日前、今シーズン一番の寒波到来で、南禅寺も雪化粧だったようですが、すでに雪は解けてなくなったとはいえ、この時で気温4度くらいでしたかね。まだまだ寒い朝でした。

 

 
しかしながら、同じく坐禅会に参加しようと、足元を懐中電灯で照らしながら参道を行く人も見えたり(笑)見上げると月も見えましたが、うっすら東の空から明るくなりつつあるのを確認できました。
 

南禅寺は、正応4年(1291年)亀山法皇創建の日本最初の勅願禅寺。勅願寺というのは時の天皇・上皇により国家鎮護・皇室繁栄などを祈願して創建された祈願寺のこと。日本の禅寺の中で、最も格式高いお寺。

 

 

坐禅会は会場・龍淵閣(りょうえんかく)にて、毎月第2、4日曜日、冬時間の現在では朝6時半から1時間ほど実施。今年は辰年にちなみ『龍』にまつわる場所が何かと注目されていますが、この龍淵閣もある意味縁起のいい場所と言えるかもしれません(笑)

 

坐禅会後は周辺を散策。こちらは南禅寺の名物スポット・水路閣。

水路閣は明治時代に完成した琵琶湖疏水分線の水路橋で、レンガ造りの明治建築が南禅寺発祥の地・南禅院前にそびえ立ち、和と洋のちょっと不思議な景観をつくっています。他のお寺にはない南禅寺らしさを表しているとも言えます。

 

境内の中央に位置する法堂。度重なる大火により、現在の法堂は明治42年(1909年)に再建された建物。

 

その法堂、内部の須弥壇上中央に本尊釈迦如来、右側に文殊菩薩、左側に普賢菩薩の三尊像を安置し、床は一面の敷瓦。屋根は巨大な欅の円柱で支えられています。
 
 

 

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そして、今年は辰年ということで、天井の龍図に注目が集まっています。
南禅寺では、明治時代の画家・今尾景年画伯畢生の大作と云われる、とぐろを巻いた龍『蟠龍(ばんりゅう)』が描かれています。
 
特に禅宗の本山寺院の法堂の天井に龍が描かれていますが、その理由として、龍は水を司る神とされ「仏法の教えの雨を降らす」または「お堂を火災から守る」という願いを込めて、法堂の天井に龍を描く習わしが生まれたと伝わっています。
 
なので、禅宗寺院ごとに作者や龍の描かれ方も違うことから、それぞれを比較してみるのも面白いかもしれませんね。

 

 

南禅寺のシンボル的存在で、京都三大門の一つにも数えられる三門は、歌舞伎狂言での大盗賊・石川五右衛門の放った名セリフ「絶景かな絶景かな~」でもおなじみ。そして枕草子の『春はあけぼの』を想像させるような空模様。

 

境内参道から少し北側の植え込み。恐らく南禅寺で唯一の蝋梅の木。人知れず、黄色いつぼみが膨らみつつありました。普段の観光ではあまり見かけることのない、新春、早朝の南禅寺風景でした。
 
名称:臨済宗大本山 南禅寺
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
電話番号:075-771-0365
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