下京区京都の玄関口、JR京都駅に隣接する京都伊勢丹。その11階にあるレストラン街。名店ぞろいのフロアで、いつも昼時はどこのお店も行列の人気スポット。ですが、この日は比較的空いていて、これなら入店できるな、とこちらへ。
大阪グルメを語る上で、ハズせない老舗。泉州・堺で200余年続いた料亭発祥。大阪郷土料理「うどんすき」を考案した麺類を中心とした日本料理の老舗『美々卯(みみう)』。何度か行列でフラれ、ようやくやってきました。
つい数年前、関東エリアの支店がコロナ禍で全店閉店。あの美々卯が!?という衝撃が巷に走り、京都にも祇園に支店がありましたが、今も臨時休業中でコロナの余波未だ拭えず、ということなのですかね。現在では京都ではここ京都伊勢丹店だけになります。
こちらの名物は商標登録もされている『うどんすき』。かつて、料理界の東大と呼ばれる調理師学校に通ってたことがあったのですが、当時の日本料理の先生が『炊いても炊いても煮崩れないうどん』という最強チャームポイントの大阪を代表するグルメとして、この美々卯を紹介されていたのが、ずっと記憶に残っていました。
そして個人的な話になりますが、それ以降大阪に本社のある某会社の研修で、上司にランチで連れられたのが美々卯本店。それくらい大阪人にとっての誇りのようなお店なのかな、と認識していました。
そして、じつはうどんだけじゃなく麺類全般優れていて、蕎麦も本格派。親戚が贔屓にしていて、よくここの乾麺を贈ったりしていました。
店内は広々とした空間で、麺類のお店としてはゆったりと過ごせる空間的余裕があります。
テーブルの中心にはIHコンロが埋め込まれ、いつでも名物うどんすきができるようにスタンバイ。
うどんすきも別に一人でも注文できます(笑)
ちなみに、うどんすきとは大阪の郷土料理の一つで、同じく大阪府の郷土料理・魚すき(海魚のすき焼き)にうどんを加えた鍋料理。 だし汁でうどんと様々な具材を煮ながら食べる料理で、考えてみると京都では〆にうどんを鍋に入れることはあっても、うどんがメインのような位置づけの鍋はないですね。
さらに季節の牡蛎を使ったメニューも。
で、しばらくして登場したのがこちら。鍋焼きうどんと言いつつ、とても上品な見た目の御膳スタイルになっています。
九条ネギも上品に斜め小口切り。
さらに注目のうどん。自家製粉・製麺にこだわったうどんで、一見煮崩れないということは硬いのか?と思われがちですが、適度な柔らかさ、弾力を兼ねそろえたちょうどいい歯ざわりのもの。京都のやわやわうどんとはまた違うタイプ。なめらか食感でツルツルしこしこ。
最初厚揚げかと思いきや、魚のすり身も入っています。お店オリジナルの具材かもしれません。
湯葉も出汁をたっぷりと含み、いい噛み応えもありつつ、大豆の風味も感じられる上品な味わい。
一口、カリカリの状態を食べて、その芸術的衣の付き具合とエビの甘みを確認後、うどんに投入(笑)元々天ぷら専門店のような完成度の海老天なので、汁のうどんの上でも衣がグズグズになることなく状態キープでしかも油も軽やか。
具材がいろいろあるので、まるでうどんすきのように具材とっかえひっかえでうどんと共にいただけます(笑)
ツヤツヤ白飯の炊き加減も完璧。柴漬けが上品。
海老天や温泉卵でガッツリコーデ(笑)
お出汁もたっぷりいただき、身体もポカポカ。なんとも寒い季節に満ち足りたランチでした。店を出るご婦人衆が皆、美味しかったなぁ~と満足気にされてたのも印象的。とにかく、完成度の高さがわかる、さすが大阪が誇る老舗の味でした。オススメ!
名称:美々卯 京都伊勢丹店
場所:京都市下京区東塩小路町901 JR京都伊勢丹百貨店11F
電話:075‐342‐0012
営業時間:11:00~22:00
定休日:伊勢丹に準ずる