上京区、今出川智恵光院通りを下がる。この日野暮用でたまたま車で通りかかり、そういえばラジオ塔の遺構がある市内の公園の一つがここだったな、と思い出して、立ち寄ってみました。

 

比較的新しい雰囲気の公園で、2013年ごろ公園デザインをリニューアルされたそうです。

 

これまでラジオ塔を探して市内の公園をいくつかめぐってきましたが、特徴的な間取りです。中央にグランドがあり、この日もキャッチボールや野球などを楽しむ、このあたりの住民らしきの方が多数おられました。

 

そして、そのグランドの周りに遊歩道と遊具スペースがあり、滑り台など配置し、わりと小さいお子さんが遊具を楽しんでいました。

 

さらに、災害発生時の一時的な避難場所としても活用できるよう、マンホールトイレも。

 

今まで見てきた公園にはなかった遊具。足つぼマッサージ(笑)老若男女問わず様々な人が利用できるように設計された公園であることがわかります。遊歩道散歩しながら、途中足つぼ刺激。かなり健康増進につながりそう。

 

さらに遊歩道を進み、グランド裏へ。八重桜かなり散り始めていましたが、他にもコブシ、ハナミズキ、ハナモモなど四季を感じられる植栽も配置。区民誇りの木であるケヤキも。

 

で、そんな遊歩道の片隅にあるこちらの建物。これが探し求めていたラジオ塔遺構です。

かつて、日本の至る所、街頭など人が集まる場所に設置された公衆用放送聴取施設『ラジオ塔』。日本でラジオ放送が開始されたのが大正14年(1925年)で、東京放送局が最初。以降、ラジオを持つ家庭も増え、普及していきつつも、高価なものであったため、国民の需要を背景にこうした公共のラジオ塔を設置。

京都市内にも、いくつか設置され、未だその遺構が見られる公園があり、その一つがこちら。これまで見てきた中で類似する形のものがいくつかある灯ろう型。

 

中は抜かれ、空洞になっていますが、かつてはこの中にラジオ機器が埋め込まれていたんでしょうね。

 

さら上部。おそらくスピーカー部分だと思いますが、かすかにメッシュ状の金具板が残り、ここから音を発していたんではないかと。四方に響き渡るよう、円形の小窓が設けてあります。

 

あまりにも景観にマッチしすぎていて、その存在に気付く人もあまりいないような、そんなラジオ塔。思い思いに園内で楽しむ老若男女を、ひっそりと見守るような、そんな遺構でもあり。