てんげる治療院 山﨑ゆか裡です。

 

癌という病気は古代エジプト時代からあるそうです。

 

文明あるところに病あり、という感じでしょうか。

イヌイットの村にスーパーができたら

今までなかった癌という病が増えた、

という話を聞いたことがあります。

 

以前訪れたモンゴルでも、

人口の7割が首都ウランバートルに住むようになって

癌という病が激増したとも聞きました。

 

自分含め周りで癌を患った人は誰もいない、

という人はいないんじゃないか?

というくらい多い病気です。

 

 

現代では世界で6人に1人が

癌で亡くなっているそうです。

 

日本ではなんと、

一生のうちに癌と診断されるのは

男性で65.5%、女性で50.2%で、

その割合は年々増えているということなので、

日本人の3人に2人が癌と診断されることになりそう。

 

これは死亡率ではありません。

今や治癒する癌も多いです。

が、「闘病」という言葉がよく使われるように

病院での癌の治療は厳しいものにもなっています。

 

神奈川歯科大学大学院統合医療学講座の

2年後期に「癌の統合医療」という講座がありました。

 

担当は、

健康増進クリニック院長 水上治先生。

長年にわたり、

癌患者さんを統合医療の立場で診てきた大ベテランです。

 

ドイツの医療制度がお好きだという水上先生、

患者さんに目線を合わせて

患者さんの立場に立った医療をしておられます。

 

ドイツの癌治療はチームで行われ、

自然療法も多く用いられるとのこと。

日本でもそんな医療体制がとられるようになるといいなぁ。

 

 

さて、

癌ってどういう病気かというと、

最初はたった一個の細胞が変異して、

どんどん増殖し、

その臓器を侵食して障害を起こし、

身体は栄養失調となり、衰えて、

身体を維持するのが難しくなる病気です。

 

癌化した細胞はある条件の下で

どんどん増えて独自の血管をつくり

酸素をシャットアウトするので

身体は機能できなくなっていく。

 

現場では癌細胞と免疫細胞が闘っているので、

身体の中は常に炎症が起きています。

慢性的に炎症が続くと身体が消耗します。

 

 

なぜ癌になるのか。

なぜフツーの細胞が癌細胞になるのか。

癌は多因子病で、

ものすごくいろんな理由があります。

 

 

⭐︎遺伝子の変異

正常の細胞が癌細胞に変わるといういわば身内の反乱。

修復酵素による修復や、

変異した細胞自体の自死、免疫の攻撃などで

収められるはずの変異細胞が、

修復も自死も攻撃も免れると生き残り、増殖します。

つまり、

修復したり、自死を促したり、

攻撃したりという自分の力を失っていたんですね。

 

⭐︎エピゲノムの変化

細胞が持っている機能で、

遺伝子のオン/オフスイッチがありますが、

(これがエピゲノム)

受け継がれたらまずいぞ、

という遺伝子のスイッチをオフにすれば

変異細胞ができないのですが、オフにならないと癌化へ。

このスイッチはライフスタイルとも関連しているそうで、

不健康な生活を送っているとこのスイッチも麻痺するのだそう。

 

⭐︎低酸素と細胞代謝異常

細胞の中でエネルギーを作っているミトコンドリア、

酸素を使ってATPというエネルギーを作ります。

活性化したミトコンドリアの細胞は癌になりにくく、

元気のないミトコンドリアの細胞は癌細胞になりやすい。

癌細胞は酸素のないところで増殖します。

酸素から発生する活性酸素種が癌細胞を攻撃するので、

低酸素の方が癌にとっては都合が良いのです。

ということで、

酸素を取り入れてエネルギッシュに生活することが大切。

実生活でも呼吸が浅くならないように。

 

⭐︎酸性化

癌細胞は細胞外に乳酸を排泄するので、

癌細胞の周囲は酸性になっています。

酸性環境はさらに癌細胞の増殖を促し、

癌細胞が生きやすくして転移も促します。

身体のアルカリ化につとめましょう。

 

⭐︎免疫力低下

ナチュラルキラー細胞という免疫細胞が

身体をみまわって癌細胞を見つけたら殺します。

免疫力を落とさないように。

 

⭐︎交感神経優位

交感神経優位ということは身体が緊張していること。

すると、リンパ球(免疫細胞)の機能が下がります。

リラックスして休息を。

 

⭐︎細菌やウィルス感染

たとえば、

ピロリ菌による胃がん、

ヒトパピローマウィルスによる子宮頸がん、

肝炎ウィルスによる肝がん、

EVウィルスによる悪性リンパ腫や鼻咽頭がん、

白血病ウィルスによる白血病リンパ腫

などがあります。

 

⭐︎化学物質と電磁波

発がん性のある化学物質は多々あります。

たくさんありますよね。

最近では高い電磁波を長時間浴び続けると

細胞が癌化するともいわれています。

 

 

ということで、

細胞が癌化する理由はたくさんあるのですが、

現代社会に癌が多いのもわかります。

 

化学物質のたくさん使われた食品をとり、

電磁波を発生する器具をたくさん使い、

ストレスフルな生活で免疫力を落とし、

運動不足で酸素不足になり、

化学物質多用のタバコで気分を紛らわせたり。

 

でも、なぜワタシが?

と思われる方も癌にはなり得ます。

 

 

もちろん遺伝的な要素や、

スピリチュアル的にはカルマ・トラウマも関連します。

 

それから、

「癌」という字が「病だれに品の山」

と書くように

物もエネルギーも余計なものも

たくさん持ち過ぎていると癌になるという説も。

人間関係も断捨離するといいらしいですよね。

 

 

細胞が癌細胞かどうかは

病理検査で判断されますが、

これがなかなか正確でないこともあるそうです。

安全策をとって「癌」ということも。

他の病理にまわしたら

癌とは診断されなかったこともあるのだそう。

 

早期発見、早期治療が功を奏すこともあります。

が、

検査していたのにある日突然みつかることもあります。

 

 

 

さて、

ケイシー療法では

癌は血液の劣化による、と言われます。

 

なぜ血液が劣化するのか。

 

①酸・アルカリのバランスが崩れて酸性過多になる

身体を酸性にするのは肉食と炭水化物。

野菜と果物が不足していても酸性に傾きます。

 

②血液中の老廃物が増大する

食べ過ぎは肝臓や腎臓の負担が増えます。

そうすると血液が汚れてきます。

化学物質や白砂糖の多い食事も血液を汚します。

 

③血液の凝固力の低下

これはケイシー先生の独特な言い回しですが、

免疫力の低下と同義を指しているようです。

私たちの免疫細胞が癌化した細胞を見つけたとき、

これを攻撃するために

血液の凝固力をもとに武器を作るのだそうです。

血液の凝固力が低下していると

免疫細胞が十分な武器を持てないということ。

ケイシー先生は

これに対して人参をたくさん食べるようにと言っています。

 

④酸素の供給能力が低下

血液が劣化した結果かもしれませんが、

酸素が供給されないと

癌は「遊走能」という能力を獲得して

他に転移していきます。

血液の酸素供給能力が十分にあれば

癌はその場にとどまっているということです。

 

血液が劣化する理由はこの四つが挙げられています。

 

 

 

 

さて、問題はここから。

これだけ多様な原因がある癌という病気に対して、

病院でされている治療は・・・

 

標準治療、という言葉を聞いたことがありますか?

 

臨床試験の結果を元に

科学的エビデンスがありますよ、と言われる手法。

・手術

・抗がん剤などの化学療法

・放射線照射

 

この組み合わせが癌の「標準治療」です。

 

エビデンスが実はあまり当てにならない、

という事実は今は置いておいて、

 

病院から提示される治療を

患者さんはどう選べば良いのでしょう。

 

インフォームド・コンセント(説明と同意)

は必ずあるはずですが、

病院側から説明されたらそれに同意するだけ、

となっていないでしょうか。

 

パターナリズム(父権主義)という言葉もあります。

結局は「医師にお任せ」となる。

 

私の知人も

「先生の言う通りに治療を受けなければ

もう診てもらえなくなるから」

 

「化学療法を少し休みたいと言ったら、

その間に癌が大きくなったらどうするのか!」

と脅されるような言い方をされ、

やはり逆らえなかった、と言う方も。

 

ここまでは、

よく病院にありがちな一方向医療。

 

 

これに対し、水上先生は

シェアド・ディシジョン・メイキング

(共有された意思決定)

はどうだろう、とおっしゃいます。

 

患者さんがより良い意思決定ができるように、

医療者と患者さんが情報を共有し、

協力して意思決定のプロセスを歩むという考え方です。

 

そこに、統合医療が入ってきます。

従来の標準治療に加え、

本人の免疫力を高めたり、

血液の質を上げたりという

癌細胞への攻撃だけではない療法を組み込んでいく。

代替医療と呼ばれるいろいろな治療です。

 

私がもしドクターと組んで癌治療に関われたら、

ひまし油湿布とケイシー流食事療法、

鍼灸治療や温熱療法、ハーブ療法などを加えます。

 

病院によっては、

癌に特化した先端医療を施すこともあります。

特化した最先端技術や新薬など、

まだ標準には入らないけど治療効果が見込めるもの。

 

ただし、高額だったり

それを受けられる病院が限られていたり、

という条件もあるようです。

 

 

さて、理想的な癌の治療とは。

 

標準治療+先端医療+代替医療

 

これが水上先生の提唱する

癌の統合医療です。

 

代替医療や自然療法に理解のあるドクターは

まだまだ日本には少ないのが現状のようです。

 

シェアド・ディシジョン・メイキング、

(共有された意思決定)

これをドクターの間に入って一緒にできないものだろうか。

 

統合医療を学び、

たくさんの先生方と繋がってきた私たちなら

できるかもしれない!

 

今、ホリスティックナース3名が中心となって

この取り組みを始めています。

私もこれから手を組んでいきたいと思っています。

 

こちらはまた改めてブログに書きますね。

 

 

さて、最後に、

終末期を迎えることになった癌患者さんにも

水上先生はこう提案しています。

 

まず、QOLを上げること。

生活の質が向上すれば自然にそれが延命効果にもなります。

 

そのためにも、各種代替療法と呼ばれる

さまざまな治療法が役に立ちます。

超高濃度ビタミンC点滴で鎮痛剤を減らせるケースもあるそうです。

 

少しでもその方が楽に、

そして希望を持って生きられること。

心身ともに苦しい状況に

何か差し伸べられる手をみつけること。

 

水上先生は、終末期のがん統合医療を

 

QOL改善+希望=生命力上昇→がんとの共存

 

とまとめていらっしゃいます。

 

その人がそれまで生き様と価値観を全うし、

その延長線上での選択を尊重する。

 

 

癌についてはまだまだ

書きたいことがたくさんありますが、

 

長くなりましたので今回はこの辺で。

 

 

水上治先生のご著書はいろいろあります。

 

 

 

 

 

 

癌に限らずですが、

ドクターとの橋渡しや、

さまざまな療法をされている先生方への橋渡し。

 

統合医療を学んだ私たちだからこそ

お役に立てるできること。

そんなシステムづくりもしていきたいと思います。

 

最後のクラスで水上先生と記念撮影

 

長文お読みいただきありがとうございました。