てんげる治療院 山﨑ゆか裡です。
八ヶ岳の我が家から見える景色。
麦の穂が色づき、
カッコウが鳴いています。
カッコウが鳴いたら田植えをする、
と北海道では言われるそうです。
ここ八ヶ岳でも
そろそろ霜の降りる季節を抜けたということでしょう。
八ヶ岳でも田植えの時期です。
今年はラニーニャやらエルニーニョやらで
異常気象、農作物の不作などが予想されているようです。
当たり前はないんだな、と
今ある物に感謝して過ごしたいものです。
さて、
前回「酸化・糖化・炎症」について書きました。
酸化が老化の一つということで、
そのためのアルカリ化の必要性は前述のとおり。
でも酸性の大切さもあり。
要はそのバランスです。
さて、
身体の中の最大の酸性臓腑は何でしょうか。
答えは「胃」
胃の壁から放出される胃酸のpHは1〜2。
強酸性温泉で知られる秋田の玉川温泉のpHもそのくらい。
玉川温泉に刃物をつけておくと
一晩でボロボロになると聞きました。
私たちの身体にも
刃物を溶かすくらいの強酸性が備わっているのですね。
胃は食べたものをドロドロに溶かすところです。
そのために胃酸が必要なのですが、
それだけではありません。
重要なのは殺菌。
腸内細菌のバランスを崩すような
強力な雑菌を胃で殺菌します。
ところで皆さま、
「逆流性食道炎」ご存知でしょうか。
臨床現場ではとてもよく聞く症状ですが、
胃酸が逆流して食道の方に上がってくるので
胃の上部から食道にかけて炎症を起こす病。
この症状に胃酸をとめる薬が処方されます。
そこに要注意!というお話です。
神奈川歯科大学大学院の統合医療学講座、
2年生前期にある「オゾン療法」の授業でのこと。
オゾン療法の授業は
鎌倉元氣クリニック院長の松村浩道先生を中心に
オゾン療法を取り入れている
いろいろな分野のドクターによる
オムニバス形式の授業です。
前回と前々回はオゾン水を活用して
口腔内の殺菌消毒をしている
北新宿・橋本歯科の廣田健先生の授業でした。
ところでみなさま、
オゾン療法ってご存知ですか?
オゾンO3の語源は
「ozein 臭いのあるガス」
O2酸素にもう一つ酸素原子がついたものです。
興味深いことに、
オゾンの90%は紫外線によって作り出されます。

オゾン層というと
地上に届く有害紫外線をカットしてくれる層ですが、
そのオゾンを作るのも紫外線なんですね。
この辺の詳細は何とも説明できませんが
そして地球上のオゾンの残りの10%が
雷によって作り出されるのだとか!
中米ベネズエラのカタトウンボの雷、
ご存知でしょうか。
年間117万6千回の雷を発生するのですって。
(単純に365で割っても一日3222回!)

この無音の雷の天体ショー、
動画で観ましたが、圧巻です。
一生に一度は見てみたい光景。
このようにできる
生体にとって自然なものであるオゾンを
酸素と混合させて体内に用いるのがオゾン療法です。
オゾンは高濃度で吸ったり触れたりすると
かえって障害を起こす毒性も有しますが、
よく考えてみると、
自然物は毒性も薬性もあり、
それは単に人間の尺度によるもの。
良いバランスをはかって接するのが
自然との付き合い方ともいえます。
例えば、
畑の野菜は品種改良により毒性は軽減されていますが、
本来、植物は自らを守るための毒を
種や葉などに持っているものです。
紫外線も然り。
適度に浴びるとビタミンDの合成をしたり
殺菌をしたりと役立つものになりますが、
過度に浴びると皮膚癌の原因にもなる。
錬金術師でも知られる医師、化学者のパラケルススはこう言います。
「すべての物質は毒であり、害がないものは存在しない。容量のみが、その物質が毒か薬かを決める。」
自然界にあるオゾンガスを
有用なものとして活用するのが
「オゾン療法」。
オゾン療法が効果を示すという
症状や疾患はとーってもたくさん。

詳しいメカニズムはここでは説明しませんが、
基本的に、
身体の抗酸化や代謝の活性化を行い、
外用として用いれば強力な殺菌作用を呈します。
話は胃酸に戻ります。
再度になりますが、
前回と前々回はオゾン水を活用して
口腔内の殺菌消毒をしている
北新宿・橋本歯科の廣田健先生の授業でした。
廣田先生の専攻は「口腔細菌学」。
「バイ菌屋です」と笑いつつ、
口腔内のバイ菌がどれだけ健康に影響するか、
そのバイ菌を
強力な殺菌作用のあるオゾン水で殺菌消毒する意義について
たくさんのスライドと
たくさんの親父ギャグを交えた
興味深い授業でお話しくださいました。
そのスライドの中に、
口の中に歯垢が固まって石化したものが。
さらに、
私たちの歯と歯茎の間に溜まった歯垢に
恐るべき雑菌がウヨウヨ蠢く動画も。
日本ではあまり取り沙汰されませんが、
歯周病菌と全身疾患の関連性は
欧米では大きな問題とみなされているそうです。
私も以前、
「外洋に出る船乗りが歯周病菌で死亡」
という内容の記事を読んだことがあります。
歯磨きを怠ると、
歯垢が石のようになるだけでなく、
身体にまわって重篤な症状を呈することがあるんですね。
廣田先生は授業の中で、
歯垢状の塊が心臓に付着している写真を見せてくださいました。
もはや口の中だけの問題ではありません。
そして、
この口腔の細菌がなんと腸に存在するケースもあり、
それが大腸癌の原因の一つになっている可能性もあるとか。
なぜ口の細菌が腸にまで?
その答えの一つが
「胃酸をとめる薬」にありそうなのだとか。
胃薬には
・プロトンポンプ阻害薬(PPI)
・ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)
がありますが、
このプロトンポンプ阻害薬による胃酸抑制が
口腔細菌が腸に届いてしまう原因になっている可能性があるようです。
最近ではもっと強力に胃酸をブロックする薬も
発売されているのだそうですが、
そもそも胃酸をとめることの不自然さを考えてみませんか?
胃酸は大切な働きをしているものです。
それを薬で止めてしまえば、
その結果として思わぬ病を得ることもあるのです。
胃酸が出過ぎる時は、
まず梅干しと大根おろし。
穏やかなアルカリ化に導くことが先決です。
そして
胃のバランスを崩すほどのストレスには
対処の仕方を考えて、
胃の薬を飲んでごまかさないように。
逆流性食道炎はそのベースに
胆嚢の不調があることが多いです。
胃だけの問題ではないということ。
毒にも薬にもなる自然、
私たちの身体もその自然の一部です。
バランスが大切ということです。
お口のバイ菌が身体に悪さをしないために、
朝起きたらうがいと歯磨きを一番に、
と廣田先生。
舌のお掃除も大切です。
オゾン水を生成する機械もあります。
お値段15万円と、少々お高いですが、
オゾン水の殺菌力をもってして
お口やまな板や食品や、
いろんなものが消毒殺菌できます。
(「POSーPRO」という商品)
オゾンは室内の空気の浄化にも最適だそう。
「エアフィーノ」というオゾン発生装置も販売されています。
殺菌消毒、おまけに止血にもなるというオゾン水。
「日本中の歯医者さんでオゾン水を使えばいいのに!」
というのが私の一番の感想です。
そして、
人の身体も含めた自然界は
バランスが大切、ということ。
時にはお薬も必要ですが、
日々の生活ではなるべく大ごとになる前に、
自然のものでお手入れをしたいものです。
また長いブログになりました。
お読みいただきありがとうございます。