このブログの最初の記事に書いたように、ブログを書こうと思い立ったきっかけは、ある革靴ブランドに興味がわいたことでした。

 

 その後、ビジネスシーンでの装いをどうにかしようと悪戦苦闘する過程を備忘録的にアレコレ書いちゃっていますけども、それはそれとしてこの靴ブランドへの興味は尽きません。

 

 

 リーガルが製造したジョンストン&マーフィー(Johnston & Murphy)、通称ガルジョンマーです。2009年3月以降販売されなくなり、どういうラインナップだったかという資料が手元にない中、どういう全体像だったのか調べたり想像したりする過程を楽しんでいます。

 

 ちなみに、このブログを書くきっかけとなったのはこちらの型番LH04でした。

 

 このLH04を含むLHシリーズについて、今の時点でわかっていることを改めてまとめておこうと思います。

 

LH01 ストレートチップ 内羽根

LH02 Uチップ 外羽根

LH03 シングルモンク プレーントゥ

LH04 プレーントゥ 外羽根(ダービー) 

LH06 プレーントゥ 外羽根 

LH10 プレーントゥ 外羽根(ダービー)

LH13 プレーントゥ シングルモンク

LH19 Uチップ 外羽根

LH25 Uチップ ダブルモンクストラップ

LH26 Uチップ 外羽根 

LH27 プレーントゥ 内羽根

LH28 スワールトゥ 外羽根(ダービー)

 

 最初の記事を書いた時点では発見できていなかったLH01というモデルは、やはり存在していました。ストチでした。

 

 最初の記事では、甲の仕様については内羽根か外羽根かということしか書いていませんでしたが、外羽根についてはここに書いたようにダービーとブラッチャーとをわかる範囲で書き分けてみました。というか、確認できた範囲ではブラッチャーはありませんでした。LH06と19と26はダービーだったかブラッチャーだったか残念ながらメモしていなかったので、また発見したら記録しておこうと思います。

 

 内羽根についても、ここに書いたようにオックスフォードとバルモラルかかき分けようとしたのですが、これも全然メモしていなかったので、今後の課題です。

 

 ガルジョンマーには、ここに書いたようにいくつかの「ライン」が存在しますが、これまでに発見できたLHシリーズの靴は全てCROWN ARISTOCRAFTラインでした。一応はガルジョンマーの中で最高級のラインということになりそうです。

 ただ、某大手掲示板サイト上の情報によると、LHシリーズの販売が確認されているのは2008年12月頃。リーガルとジェネスコ社との契約が切れたのが2009年3月のようですから、ガルジョンマーの中でも最後の頃に製造・販売されたモデル群ということになりそうです。そして同掲示板では、リーガルのウェブサイトに商品情報が記載されていない、リーガルの正規店で見かけることはなくアウトレット店でしか発見できない、等の投稿を根拠に、アウトレット専用ないしはセール専用の商品なのではないかという可能性が指摘されています。

 実売価格は約2万円だったらしく、「3万円相当の商品を1万円値引き」という売り文句だったとの投稿も見られましたが、本来の定価がいくらだったのかがわかりません。元々2万円くらいで販売することを想定して造られたのかも知れません。そうだとすると、CROWN ARISTOCRAFTだからというだけで最高級と位置付けるのは考えものかも知れません。

 

 興味深いことに、LH01~03と、LH04以降のモデルとで、細かい仕様に色々と違いがあり、ココに何かの分水嶺がありそうです。その1つがサイズ表記で、LH01~03は他のガルジョンマーと同様にインチ表記なのですが、LH04以降はcm表記なのです。そしてどういうわけかLH27とLH28は再びインチ表記。どうしてこういう違いが生まれたのでしょう。謎です。

 また、インソックのロゴの色。LH01~03は多くのガルジョンマーと同様の金色ですが、LH04以降は茶色だったりだったりします(自分の見たところでは、LH04、06、10、13、28は茶色で、19、25、26、27は黒)。

 そして、LH01~03は多くのガルジョンマーと同様のグッドイヤーウェルテッド製法だと思われますが、LH04、LH06、LH10、LH26はマッケイ製法でした。そしてLH13、19、25、27、28はグッドイヤー…うーん、ぐちゃぐちゃですね。

 

 ここからは私の勝手な想像なのですが、リーガルは2008年頃、ジョンストン&マーフィーに関するジェネスコとのライセンス契約が切れることが確実になった後、駆け込みで多くのガルジョンマーを製造しようとしたのではないでしょうか。例えばライセンス契約の内容が、「年間●足のジョンマーを製造することを許可する」というものだった場合、リーガルとしてはせっかくだから契約の枠を使い切ろう」という発想になる可能性があります。LHシリーズは、そうして生まれたモデル群だったのではないでしょうか。

 でも、ライセンス契約が切れるまでの期間内に目指す足数を製造するには、それまでのガルジョンマーの製造ラインだけでは追いつかず、別の製造ラインも動員したのでは?例えば、それまでは新潟工場(チヨダシューズ)だけで造っていたけれど、国内の提携構造等にも造らせたのでは?その結果、サイズ表記がインチだったりcmだったり、インソックの色が金だったり茶だったり黒だったり、製法がグッドイヤーだったりマッケイだったり、と様々な仕様が乱立することになったのではないでしょうか。

 そして、リーガルとしてはもはやジョンマーのブランド力を高く保つモチベーションはないので、品質的にはそれまでのARISTOCRAFT相当のレベルに満たないモデルであっても、全て大盤振る舞いのCROWN ARISTOCRAFTとして販売した…?

 

 …リーガルやLHシリーズをディスる意図は全くなかったのですが、なんだかそういう書きぶりになってしまったかも知れません。様々な手がかりから色々と想像する面白さで、つい。平にご容赦いただければと思います。

 

 なにはともあれ、某大手掲示板の住人には忌避されていたマッケイ製法のLH04ですが、マッケイならではの細いコバがシュッとしていてドレッシーで、私はこれはこれで好きです。

----

2024年4月

こちらに書いたようにリーガルとジェネスコ社との契約終了は2009年3月らしいとの情報を得たので、一部修正しました。