以前、靴磨きに興味を持ち始めた頃にこういうシューキーパーを買ったという話を書きました。

 靴磨き愛好家の方からよく聞くご意見は、「この形式(バネ式)のシューキーパーは、日頃から靴に入れっぱなしにして使うと、革靴の形が崩れてしまうので、それはやめた方が良い。靴磨きの時だけ使うのはOK。」というものだと思います。

 

 確かにカカトのところは靴を1点で押すので、それによって形が崩れてしまうことも、ありそうといえばありそうです。また、靴に突っ込んだときに、グッと曲げられたバネが元に戻ろうとすることによって靴に力がかかるわけですが、その力というのが革靴の甲を上側に押し上げる方向に作用してしまうので、革が伸びてブカブカになっちゃうとのこと。うーんそういうことも、確かにあるのかも知れません。

 

 そういう評判を聞いてしまって以降、私はシューキーパーを買うときは以下のようなタイプを選ぶようになりました。

 なんと呼ぶべきか…木型(ラスト)みたいな形をした木が、金属パイプに仕込んだバネで前後に伸びるタイプ。

 写真のものは、金属パイプが2本なのでツインチューブ式と呼ばれたりするようです。

 ちなみにこの写真のやつのブランドはサルトレカミエです。

 

 確かにこのタイプのものなら、カカトの形もこだわりようがあるし、テンションも前後方向にかかるわけなので、甲革を上側に押し上げる力はバネ式に比べると控えめにできそうです。

 

 ただ、このタイプのシューキーパーも、本当に形が千差万別ですから、ダメなやつもあるでしょうねー。カカトのパーツが横幅大きすぎとか、前側のパーツの形が細すぎとか。このシューキーパーはこの靴には合うけどあの靴にはNG、みたいなこともあるでしょう。合わない形のシューキーパーを入れちゃうと、やっぱり革靴の形が変わっちゃうんでしょうね…。

 

 …あれ。と、いうことはですよ。

 逆に、少々自分の足の形に合わない革靴(ややキツめ)があったとして、その靴に、自分の足にピッタリ合うシューツリーをギュギュッとつっこんで放置しておいたら、その靴を自分の足にピッタリ合う形に育てあげることができるのでは!?

 

 うーん興味深いアイデアだ。できれば是非試してみたいところ。

 

 問題は、「自分の足にピッタリ合うシューツリー」を、一体どうやって手に入れるかということ…。思い切ってビスポークシューズをつくってもらえば、オプションで専用シューツリーを付けてもらえそうだけど、じゃあそのビスポークシューズを履けばいいじゃんということになるわけで…。