今年は息子の三回忌が待っている。
息子が亡くなった実家から引っ越しをした私は、狭いワンルームマンションで冷えた弁当を食べ、仕事にも行けず、月に一度だけ心療内科へ通う毎日。
病院の近くの映画館でジュラシックワールドが上映されているようで、駅にポスターが貼ってあった。
前作は息子と観に行ったな…
喉の奥がギュッと締め付けられるような感じがした。
泣いてはいけない。
小さな子供の手を引くお母さんたち。
かつて私も引いて歩く小さな手があった。
なんてことない日々がどれだけ幸せだったのか、あの子が居なくなって初めて気付く。
先生に話をしてるといつも我慢していた涙がポロポロと溢れ出してくる。
私が生きている意味は?
薬でどうにかなるものでもない。
それは分かっている。
薬でこの筆舌に尽くし難い気持ちが楽になるなら…
結局毎回睡眠薬を頂いて帰るだけ。
昨夜は深夜2時に目が覚めた。
息子が出てきたわけでもないのに、夢の中で私は新しい家に引っ越した様子で、どんな家具にしようか?と後で息子に聞こうとしていた。
夢から醒めてここがどこなのか分からなかった。
実家でもない。
夢の中の新居でもない。
いつもの狭い部屋。
ベッドに寝転びながら横を見ると、相も変わらず息子の位牌と写真と沢山のお菓子。
まだ受け入れられないのか。
いや、受け入れてはいると思う。
現実逃避したいだけなのだ。
何をしても楽しくない。
何もする気力が湧かない。
ただ死んだように生きている。
親友にラインをしたら、たまたま彼女も目が覚めたところだった。
電話をして、私はまた泣いても仕方ないのに泣いた。
彼女のは母親も自死でこの世を去った。
あれから10年経つというのに、こういったフラッシュバックは今でも起こるらしい。
「先は長いで。なんなら一生涯かもやな」と、自死遺族の先輩は言った。
そっか…一生涯か…
それなら早く死にたいわ。
あの子のいない人生なんて楽しめるわけもなく、生ける屍と化して息をして、いつお迎えが来るのかだけを待って…
生き地獄だね。
でも彼女がいてくれるお陰で少しは笑える。
ママは笑っていいのかな?
思い出すのは息子の満面の笑み。
美しい顔立ち、白くて歯列の整った歯、優しい瞳、100点満点の笑顔だったよ。
もう一度だけママに微笑みかけてよ。
そしたらママも思いっきり抱きしめて二度と離さないから。