管理栄養士国家試験過去問解説29 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。


おはようございますニコニコ
先週はすこしヘビーでしたか?叫び


今週も、先週と同じ問題の続きです。
(1)、(2)の解説は、先週の解説を参考にしてくださいねひらめき電球

余力がある方は、自分で解説できるか確認してみてください!!


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内分泌疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)バセドウ病では、血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
(2)原発性アルドステロン症では、血漿レニン活性が上昇する。
(3)クッシング症候群では、糖新生が亢進する。
(4)甲状腺機能低下症では、血清コレステロール値が低下する。
(5)先端巨大症では、血清成長ホルモン(GH)値が低下する。
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正解は・・・(3)です。


では、(3)から解説します。


◯(3)クッシング症候群では、糖新生が亢進します。
クッシング症候群では、副腎皮質ホルモン(特に糖質コルチコイド=グルココルチコイド)の分泌が上昇しています。

糖質コルチコイド(グルココルチコイド)の主な働きは、血糖値をあげることです。

したがって、クッシング症候群では、血糖値をあげるために糖新生が亢進します。

ちなみに、糖新生は、糖以外(グリコーゲン以外)のアミノ酸や乳酸から糖(グルコース)をつくることをいいますよ得意げ


×(4)甲状腺機能低下症では、血清コレステロール値が上昇します。

甲状腺ホルモンには、コレステロールを胆汁酸に変換するのを促進する働きがあります。
したがって、甲状腺ホルモンの分泌が低下する甲状腺機能低下症では、血清コレステロール値が上昇します。

コレステロールから胆汁酸が作られるということはとても大事なので覚えておきましょう。
ちなみに、コレステロールの材料はアセチル-CoAですよ。


その他に甲状腺ホルモンで基本的におさえておかなければいけないこともまとめます。
甲状腺ホルモンは、ざっくりいうと、「身体を元気にするホルモン」です。

たとえば、甲状腺ホルモンがたくさん出る状態だと(甲状腺機能亢進症)
身体を元気にしようと血糖値をあげたりします。また、心臓の働きが活発になったり(頻脈)、エネルギー消費が亢進して体重が減ったり、汗がたくさんでたり、、、、します。


×(5)先端巨大症は、成長ホルモン(GH)が出過ぎてしまう病気です。
したがって、先端巨大症では、血清成長ホルモン(GH)値が上昇します。


ホルモンの働きを覚えないことには、得点UPにはつながりませんむっ
ホルモンの働きを覚えて、そのホルモンが分泌されすぎたら?分泌が少なかったら?と疾患につなげていってくださいねニコニコ


今年の管理栄養士国家試験過去問解説も残すところあと2回です。
では、また来週~~~