管理栄養士国家試験過去問解説16 | 管理栄養士国家試験と研究と私

管理栄養士国家試験と研究と私

管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。


おはようございます晴れ
最近は朝からあついですねえっ

朝からアイスを食べたい!!

今日は応用栄養学で必ず出題される妊娠期に関する問題です。


******************
正常妊娠時に上昇する検査値である。正しいものはどれか。2つ選べ。

(1)血漿プロラクチン
(2)血清アルブミン
(3)血清総カルシウム
(4)血漿フィブリノーゲン

******************

正解は…(1)、(4)です。


◯(1)血漿プロラクチンは、妊娠時に上昇します。
プロラクチンは乳汁を作るホルモンです。
妊娠したときに母乳がでないと困ります。だから、妊娠時には、血漿のプロラクチンは上昇します。

プロラクチンと合わせて覚えておきたいのが、オキシトシンです。
オキシトシンは、射乳ホルモンです。
母乳が作られても、うまく出てくれないと困りますので、射乳ホルモンであるオキシトシンも分泌が高まります。

ちなみに、オキシトシンは脳下垂体後葉から分泌されます。


×(2)妊娠時には、血清アルブミンは低下します。
妊娠すると、赤ちゃんにも血液を送らなければいけないので、循環血液量が増加します

血液量が増えると、相対的に血清のアルブミンが低下するというわけです。


ちなみに、アルブミンは栄養状態の指標に用いられるたんぱく質です。
アルブミン3.5g/dL以下だと低栄養です(高齢期の問題等で出題されます)。


×(3)妊娠時には、血清総カルシウム濃度は低下します。
考え方は、(2)と同じです。

妊娠時には、赤ちゃんのために循環血液量が増加します。
循環血液量が増加するため、相対的に血清総カルシウム濃度が低下します。

ちなみに、妊娠時には腸管からのカルシウムの吸収率高まるので、妊娠期の付加量にカルシウムは含まれていません


◯(4)妊娠時には、血漿フィブリノーゲンは上昇します。
フィブリノーゲンは、血液凝固に関わるタンパクです。

血が出てもすぐ止まるのは、このフィブリノーゲンや、同じく血液凝固に関わる血小板のおかげです得意げ


出産時の出血に備えて、妊娠すると血漿フィブリノーゲンが上昇するんです。



妊娠したらどうなるか?
妊娠によって血液成分がどう変化するか、全部覚えるのは大変ですよね。

妊娠時の身体の変化は、

「赤ちゃんのため」、
出産に備えて」

がキーワードです。


覚えるときに理屈も一緒に覚えておくと、
本番自信を持って正解を選ぶことができますよひらめき電球


では、また来週音譜