管理栄養士国家試験過去問解説10 | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。


おはようございますニコニコ
スベスベマンジュウガニです。

ところでみなさん、スベスベマンジュウガニってご存知ですか?
スベスベマンジュウガニってかわいい?名前ですが、
実は毒を持っているんです!
私が可愛いけど毒を持っている…なんて怖い意味はありませんよシラー

この名前気に入っています。


では、今週も過去問解説いきますよ~~~

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ヒト体内における脂肪酸に関する記述である。◯か×か?

(1)オレイン酸は、必須脂肪酸である。
(2)エイコサペンタエン酸は、パルミチン酸から合成される。
(3)ドコサヘキサエン酸は、γ-リノレン酸から合成される。
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脂肪酸で覚えるべきポイントは、

①必須脂肪酸が何か?
n-◯系、炭素数◯個

です。
これを覚えていないと勝負できませんよむっ


×(1) オレイン酸は必須脂肪酸ではありません。
必須脂肪酸は、リノール酸、αリノレン酸の2つです。
必須脂肪酸は、生体内で合成することができないので、”必須”脂肪酸なんですよ。

オレイン酸は、他の脂肪酸から合成することができます。

オレイン酸は、n-9系1価不飽和脂肪酸
n-◯系は、二重結合位置
◯価は、二重結合の数
のことを示しているので、
オレイン酸は、メチル基側から9番目の位置に、1つ二重結合がある脂肪酸です。


×(2)エイコサペンタエン酸は、n-3系の脂肪酸です。
エイコサペンタエン酸は、同じくn-3系のα-リノレン酸から合成されます。

ちなみに、パルミチン酸は炭素数16の飽和脂肪酸です。



×(3)ドコサヘキサエン酸α-リノレン酸から合成されます。
ドコサヘキサエン酸は、エイコサペンタエン酸と同様にn-3系の脂肪酸です。


ここで、管理栄養士国家試験に最低限必要な脂肪酸をまとめます。
これだけは覚えてしまいましょうひらめき電球


※Cは炭素のことです

【飽和脂肪酸(二重結合なし)】
C16(炭素数16) パルミチン酸
C18 ステアリン酸

一価不飽和脂肪酸(二重結合1つ)】
n-9系 C18:1(二重結合1つ) オレイン酸

ちなみに、オレイン酸はオリーブ油に多く含まれますニコニコ

【多価不飽和脂肪酸】
n-6系

C18:2 リノール酸…必須脂肪酸
  ↓
C18:3 γ(ガンマ)-リノレン酸
  ↓
  ~
 
C20:4 アラキドン酸


n-3系

C18:3 α-リノレン酸…必須脂肪酸
  ↓
  ~
 
C20:5 エイコサペンタエン酸(EPA)
 
  ~
  
C22:6 ドコサヘキサエン酸(DHA)


EPA、DHAはよくご存知かと思いますが、青魚に多く含まれています。


リノール酸→γ-リノレン酸…などというように矢印でしめしている部分は、
生体内で合成することができるということです。

つまり、必須脂肪酸であるリノール酸、α-リノレン酸があれば、炭素数を増やしたり、二重結合を増やしたり、を身体がやってくれるということです。


長くなってしまいましたが、脂肪酸は覚えてしまわないとはじまらない!ということで、いまのうちにさっさと覚えてしまいましょう!


では、また来週~~