金沢大は20日、人間社会研究域の60代の男性教授が、指導していた大学院生の論文を盗用し2010年の国際誌に投稿したとして、1年間の出勤停止にしたと発表した。論文は院生が執筆したが、教授が第一著者とされ、院生の名前が除かれていた。
というニュースがありました
このニュースのタイトルは「金沢大教授大学院生の論文を盗用」でした。
えっと・・・でもこれは盗用とは言わないような気がする・・・
盗用ではなくて、大学院生の名前を論文に入れなかったことが良くない
論文の著者には、だいたい数名の研究者の名前が連なります。
十数名とか数十名というのもみたことあるけど、普通は数名(10名以下)です。
で・・・
一番前に名前が載る(第一著者)のは、その研究にもっとも貢献した人。
二番目に名前が載るのは、その研究に二番目に貢献した人。
という感じです。
そして、最後に名前が載るのは、その研究を取りまとめた人ってことも多い。
ですから、論文の著者は、一番目、二番目、最後、あたりだと「おぉ」となる。
のです。
で、今回のニュースでは・・・
金沢大学の教授が第一著者になった。
ま、このこと自体は本人たちでしっかり話し合いが出来ていれば、特に問題はないわけです。
研究には・・・
研究のアイデアを考え(これがいちばん難しくて大変)、
研究のデザインを整え、
研究費を獲得し(これもすごく大変)、
実際に研究して、
データを解釈して、
論文にする。
という手順があります。
論文は大学院生が英語で書いたようですが、
そのほとんどを教授が直していたかもしれません。
(もちろん直していないかもしれませんが・・・)
というわけで、この研究の流れにおいて、最も貢献したのが教授であれば、教授が第一著者になっても何ら問題がありません。
ただ、教授がな~~んにもしていない(研究のアイデアも、研究費の獲得も、実際の研究も、論文書きも、基本的に大学院生が中心になってやった)、というのであれば、教授は第一著者になるべきではありません。
いずれにしても、大学院生の名前が著者に入っていなかったのは・・・
アウトですね