50歳以上では糖質を減らした方がいい? | 管理栄養士国家試験と研究と私

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管理栄養士国家試験の合格に向けて、過去問解説をしたりします。研究や学会、食品や栄養のお話もします。

今日はちょっと難しいお話です。

管理栄養士の勉強をしている方向けです。


50歳未満は、糖質をエネルギーとする解糖エンジンがメインで動く。
50歳以上は、酸素をエネルギーとするミトコンドリアエンジンに切り替わる。

だから、50歳以降は糖質の摂取を減らす。


って、本当なんでしょうか?


私なりに考えてみましたニコニコ


50歳未満は、糖質をエネルギーとする解糖エンジンがメインで動く。
について。

解糖エンジンというのは、たぶん解糖系のことだと思うのですが、解糖系だけで産生できるエネルギー源はほんのわずかです。

さらに、解糖系ばかりが動いて、ミトコンドリアエンジン(たぶんTCA回路のこと)が動かなければ、乳酸が山のように蓄積して、乳酸アシドーシスになります。

ですから、50歳未満は解糖系が主に働くというのは、あんまり根拠がないような気がします。


そして・・・

50歳以上は、酸素をエネルギーとするミトコンドリアエンジンに切り替わる。

について。

ミトコンドリアエンジンと言うのは、たぶんTCA回路のこと。

若くても高齢でも、エネルギーはこのミトコンドリアで産生されます。

解糖系というのは、地球上に酸素が殆どなかったころ、小さな微生物が動くためのエネルギーを産生するために生まれたシステム。

そして、TCA回路は、地球上の酸素が増えて、大きな生物が動くためのエネルギーを産生するシステム。


というわけで、若い時は解糖系、歳をとるとTCA回路というのにはちょっと不自然さを感じます。


最後に・・・

だから、50歳以降は糖質の摂取を減らす。

について。

若くても、歳をとっても、エネルギー産生の基本は・・・

グルコース(糖質)→解糖系→TCA回路→エネルギー産生

です。

仮に、50歳以降に糖質を減らしたとして、それで、脂質やたんぱく質からエネルギーが作られたとしても・・・

脂質→β酸化→TCA回路→エネルギー産生

たんぱく質→糖新生→グルコース(糖質)→解糖系→TCA回路→エネルギー産生

となりますから、どっちにしても、普通にミトコンドリアでエネルギーが作られることには変わりはないような・・・


私の考えをまとめると。

50歳を過ぎたあたり?からは、基礎代謝が下がって太り易くなるから、普通に食べる量を減らしましょう。

 ↑

ふつうですね(笑)