中学受験の国語の指導をしていて思うのは、浜学園の国語の教材は結構保護者の人が読むと面白い題材が多いなぁということ。

 

今日は6年生の指導をしていたんですが、

佐藤多佳子の「サマータイム」

これは中学受験で頻出の作家ですね。

 

 

短編集だから入試問題にも出しやすく、子供の心情をしっかりと描いている良い作品だと思います。

今回は、喧嘩して引っ越してしまった広一から手紙が来た時の佳奈の心情理解です。

 

でも今の子達は手紙を書いたことがない(特に男子!)

だから好きな人から来た手紙を開けるのに場所を選ぶとかという感情って理解が難しいですよね。

 

問題を解く時は必ずヒントになる行動・描写があるんでそこから読み取って行けばいいので経験っていうのはあまり必要ないかもしれませんが「普通こういう時はこう思うやろ」っていうのがあれば読みやすくはなります。

 

5・6年生は読んでおいて損はありません。

 

そして論説文は

片田珠美「一億総ガキ社会」

 

でした。

 

テーマは「断念」を受け入れられない子ども

についてでした。

 

結構、保護者の方が読むと耳が痛い話です。

 

この手の話は難しいんですが、自分の子育ての経験があるし、確かにそうだなと思うところと、いやそうは言ってもというところがあります。

まぁでも子育てには参考になる部分はあるかと思います。

 

論説文の問題は、内容ではなく「正しく読む」ことができているかどうかなんです。

だから、内容が難しいというのは語彙レベルで難しいと感じることはあっても問題自体は結構平易な場合が多いので、内容が難しいからと言って解くのを諦めては行けません。

 

例えば、

 

この断念の積み重ねによって子どもは「A」ということを学んでいくので、断念させるべきことは断念させることが必要だ。

 

Aに入ることわざを選びなさい

 

ア ダメなものはダメ

イ 明日は明日の風が吹く

ウ 因果応報

エ 七転び八起き

 

という問題があったとしたら、

 

この断念の積み重ねによって子どもは「A」ということを学んでいくので、断念させるべきことは断念させることが必要だ。

 

「ので」に注目すれば、アだということはすぐに分かります。

 

こういうのってでも、

 

雨が降っていたので、傘を持って出た

 

とか普通に使いますよね。だから意外と気づかないんですよね。

 

間違えた時は、答えだけを確認するだけじゃなくって、どうしてその答えになるのか、ただ単に「語彙がない」で済ませて欲しくないと思います。

 

そして、こういう論説文を読んだ時は必ず大人の意見を話してあげると良いと思います。

 

子供が「断念」を受け入れられないのは、親の失敗させたくないという、過保護・過干渉が原因だ

 

と筆者は言っているわけですが、どうしてそうなるんだろうね?どうして過保護・過干渉になるんだろうね?

という話をして、引き込むわけです。

 

これは親子ではなかなか難しいですよね。だから他人の大人=先生に任せると良いと思います。

 

君たちは、親から一度も怒られずに一日を過ごすことができるか?

先生も子供を一日も怒らずに過ごすことができるか?

 

お互い怒らない方が良いに決まってるよね。でもなんで怒ってしまうんやろうか?

みたいな話をしていきます。

 

もちろんそこに答えなんてありません。でも、それって一般的なことでどの家庭でも起こっていることだって思うってすごく大切なことやと思います。そしていろんな価値観があって良い。それを認めて、成長して行けば良いと思います。

 

国語っていろんなことを教えてくれますね。

ただ問題を読んで合ってるかどうかってもったいないです。

 

今回は浜の教材で良いなと思ったので紹介しましたが、マスラボで使っている国語教材もかなり良いです。

みんなこれでどんどん成績もあげていきます。

 

楽しく読書したあとは正しく読む練習をしていきましょう。

昼からも頑張ります!