Webコンサルタントの松崎です。

 

前回のコンテンツマーケティングの前にやるべき現状把握の4つのポイントはいかがでしたか。

Google Analyticsの数字を見て「思ったより少ない」と感じた方も多いかもしれません。でも、現実を知ることが、成果への第一歩です。

 

今回は、集めたデータを活用して「戦略の計画」に入ります。

特に重要な「ターゲットユーザーの設定」について詳しくお話しします。

 

 

「うちの商品はみんなに使ってもらいたいんです」という声をよく聞きますが、これって実は一番危険な考え方。万人受けを狙った記事は、結局誰の心にも響かない記事になってしまいます。

なぜターゲットユーザーの設定が重要なのか

ターゲットユーザーの設定は、コンテンツマーケティングの「方向性」になります。迷ったときに「この記事は、誰のために書いているんだっけ」と立ち戻れる基準点になります。

 

明確なターゲットがあると、記事のテーマ選びから文章の書き方まで、すべてが決めやすくなります。逆にターゲットが曖昧だと、「何を書けばいいかわからない」という状況に陥ってしまうんです。

 

私がコンサルティングでお客様と話をしていて感じるのは、多くの方が「自分の商品やサービスを買ってくれる人」は思い浮かべられても、「記事を読んでくれる人」を具体的にイメージできていないということです。

 

この2つは実は違います。

ステップ1 どんな人に読んでもらいたいか

まずは「記事を読んでくれる理想の読者」を具体的に設定しましょう。

マーケティング用語でペルソナと呼ばれる手法ですが、難しく考える必要はありません。

基本的な属性を決める

最初に基本的な属性から整理します。

  • 年齢層
  • 性別
  • 職業や業界
  • 会社での立場
  • ITリテラシーのレベル
  • 情報収集の方法

たとえば「30代後半の中小企業の経営者で、ITには詳しくないけれど必要性は感じている。普段はスマートフォンでニュースを見ることが多い」といった具合です。

前回の現状把握データを活用する

Google Analyticsで確認したユーザー属性のデータを思い出してください。実際にあなたのホームページを訪れている人たちの傾向が見えているはずです。

 

また、お客様からのよくある質問を整理した際に「どんな立場の人から、どんな質問が多いか」も重要なヒントになります。

 

私の経験では、「実際のお客様の顔を思い浮かべながら設定する」のが一番うまくいきます。架空の人物を作り上げるより、リアルなお客様をベースにした方が、具体的で実用的なペルソナができあがりますよ。

ステップ2 その人はどんな悩みを抱えているか

次に、設定したターゲットユーザーが抱えている悩みを深く掘り下げます。

この作業が、実は一番重要かもしれません。

表面的な悩みと本質的な悩み

お客様の悩みには「表面的な悩み」と「本質的な悩み」があります。

 

たとえば「ホームページのアクセス数を増やしたい」これは表面的な悩みです。でも、その奥にある本質的な悩みは「売上が伸び悩んでいて、経営に不安を感じている」かもしれません。

 

表面的な悩みに答える記事も大切ですが、本質的な悩みに寄り添う記事の方が、読者の心により深く響きます。

悩みの段階を理解する

同じ悩みでも、その人がどの段階にいるかで求める情報は変わります。

  • 問題認識段階→「なんとなく調子が悪い」
  • 情報収集段階→「原因を知りたい」
  • 比較検討段階→「解決策を比べたい」
  • 決定段階→「具体的な手順を知りたい」

前回整理したお客様の質問を、この段階別に分類してみます。どの段階の質問が多いかで、あなたのターゲットユーザーの特徴が見えてきます。

ステップ3 どんな情報を求めているか

最後に、設定したターゲットユーザーが求めている情報の特徴を明確にします。

情報の深さと幅

ITに詳しくない経営者なら、専門用語を使わずに全体像を説明する記事を求めているでしょう。一方、実際に作業を担当する担当者なら、具体的な手順やツールの使い方といった詳細な情報が必要かもしれません。

情報の形式

文章で読みたい人もいれば、図やグラフで視覚的に理解したい人もいます。動画の方がわかりやすいと感じる人もいるでしょう。

 

あなたのターゲットユーザーは、どんな形式の情報を好むでしょうか。Google Analyticsでよく見られているページの傾向を確認すると、ヒントが得られるかもしれません。

情報を求めるタイミング

「朝の通勤時間にスマートフォンで見る」のか、「じっくり時間をかけてパソコンで調べる」のかでも、適切なコンテンツの長さや構成は変わります。

 

私がよくお客様にお伝えするのは「あなたのターゲットユーザーは、どんなときにあなたの記事を読むのか」を具体的にイメージしてくださいということです。

ターゲット設定でハマってしまう落とし穴

ターゲットユーザーを設定する際に、多くの方が陥る落とし穴があります。

 

よくある間違い

  • 理想のお客様だけを想定してしまう
  • 自分と同じ価値観の人ばかり考えてしまう
  • 詳細すぎて現実離れしてしまう
  • 一度決めたら変更しないと思い込む

理想のお客様だけを想定すると、実際の訪問者とのギャップが生まれます。現実のお客様の中には、まだあなたのサービスの価値を十分理解していない人や、予算に制約がある人もいるはずです。

 

自分と同じ価値観の人ばかり考えてしまうのも危険です。年齢や立場が違えば、同じ情報でも受け取り方は大きく変わります。

 

詳細すぎる設定も考えものです。「34歳、既婚、子供2人、年収600万円、趣味はゴルフ」といった細かすぎる設定は、かえって記事作成の自由度を奪ってしまいます。

 

そして、ターゲットは一度決めたら変更してはいけないものではありません。ホームページの成長とともに、訪問者層も変化していきます。定期的に見直すことが大切です。

データを活用したターゲット設定の精度向上

前回の現状把握で集めたデータを、ターゲット設定に活用する具体的な方法をご紹介します。

 

Google Analyticsの「オーディエンス」データから、実際の訪問者の年齢層や興味関心がわかります。Google Search Consoleからは、どんなキーワードで検索して来ているかがわかります。

 

これらのデータと、お客様からの質問内容を照らし合わせることで、より精度の高いターゲット設定ができるようになります。

 

競合他社の分析結果も活用しましょう。競合がどんなターゲットに向けて記事を書いているかを分析し、あなたが狙うべき「隙間」を見つけることができます。

ターゲットユーザーが明確になると変わること

ターゲットユーザーが明確になると、コンテンツ作成のあらゆる場面で判断がしやすくなります。

 

記事のタイトルを考えるとき、「このタイトルはターゲットの人が検索しそうか」「興味を引けそうか」という視点で判断できます。文章を書くときも、「この表現はターゲットの人にとってわかりやすいか」「専門用語の説明は必要か」といった判断ができるようになります。

 

そして何より、記事に一貫性が生まれます。訪問者にとって「このホームページの記事はいつも自分のことを考えて書かれている」と感じられるようになるんです。

 

こうした一貫性のあるコンテンツを継続的に発信していくことが、Web集客における大きな力になります。ターゲットが明確でブレのないコンテンツは、検索エンジンからの評価も高くなりやすく、結果的に多くの人に読まれるホームページへと成長していきます。当社ブログのWeb集客でのコンテンツ充実の重要性でも、こうした継続的なコンテンツ作成の効果について詳しく解説していますので、是非あわせてご覧ください。

##ターゲット設定があなたのコンテンツの方向性を決める

ターゲットユーザーの設定は、コンテンツマーケティング成功の土台となる重要な作業です。どんな人に、どんな悩みを解決する情報を、どのような形で提供するかが明確になることで、読者にとって価値のあるコンテンツが作れるようになります。

 

前回の現状把握で集めたデータを活用しながら、具体的で現実的なターゲット像を描いてみてください。完璧である必要はありません。まずは「今、一番伝えたい相手」を明確にすることから始めましょう。

 

もし「データは揃ったけれど、どうやってターゲットを絞り込めばいいかわからない」「設定したターゲットが適切かどうか不安」という場合は、専門家の意見を聞いてみることをお勧めします。当社のWebコンサルティングサービスでは、データ分析からターゲット設定、コンテンツ戦略の立案まで、一貫してサポートさせていただいています。

 

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