半蔵
昼頃バイトから帰宅し、飼猫の半蔵が死んだ事を聞かされる、
明朝から朝方にかけての事らしい、
見ると箱の中に猫用の玩具数個と熟睡してるように丸まった半蔵が納まっている、
体はとても硬く当然動かない…、
最初に症状が出始めたのが6月頃である、
口内に炎症ができ餌を食べにくくなっていた、
その後数回動物病院に通い、二ヶ月前に言われた原因は「寿命」だと…、
それからは3匹中一番太ってるイメージのあった半蔵がみるみる痩せ細っていった、
この何週間かは餌も殆ど食えず病院で貰った栄養剤で生きながらえていたようなものだった、
直前にはトイレにすら行ける状態では無かった、
この家に来てから10年と2ヶ月程、家猫としては長生きした部類には入らないだろうと思う、
もっと長生きしてほしかったと言うのは…いや、ペットと言う存在自体が人間のエゴなのかも知れないが、
…まぁ…やるせない…、
はじめて見た時は痩せ細り悪魔のような唸り声を上げており、ここまでかわいくない子猫も珍しくないだろうと思う程だった、
やがて影千代分の餌もモリモリ食いやたら人間に対して無抵抗な丸々とした猫に成長、
気ままで猛獣気質な影千代に対して飼い主に従順で愛想が良く、
こちらの呼びかけに延々「にゃーにゃー」と返事をし続けたり、
玩具の入ってる引き出しの上でずっと「遊んでくれポーズ」を取り続けたり…、
どことなくちょっと足りない雰囲気をかもし出していた、
反面、影千代に対しては常に隙を見て攻撃をし続けて必ず返り討ちあって逃げていく、
妙に攻撃的な所もあった、
三匹目、蘭丸が来たときは「ひょっとしたら半蔵に惨殺されるのでは…」と心配していたが、
終始「シャーシャー」言ってる影千代に対し、蘭丸に寄り添い毛づくろいという意外なお姉さんっぷりを見せた、
あと、愛想が良い割りに他の二匹に比べ甘え下手な所があり、いつも直接甘えに来ず、人が通りかかるまで物陰で待ち伏せし続けてたりもしていた、
今までの様々な思い出が浮かぶ…、
もっと元気な内に遊んであげればよかった、
まぁ…これはこの事に限らず何でも失ってから思う後悔だ、
単純に思い出をありがとうだとか天国でも元気にだとかは言い難いが、
せめて半蔵が家に来て私や家族と過ごした日々が幸せだったと思っていてくれればと祈らずにはいれません。