第2話「夜は男子だけで恋の座談会☆」  源氏物語 光源氏君と12の花めぐり | 源氏物語 光源氏君と12の花めぐり 制作ブログ

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紫式部・源氏物語を題材にした「光源氏君と12の花めぐり」の劇をYoutubeでやっています。
なんとなく子供も源氏物語がどんな話なのか分かるような内容にしています。(ギャグ寄り)
主人公・光源氏が色んな姫と出会い、時には悩み、花の宝石を集めていくお話です。

子供もわかる!? 紫式部・源氏物語 

 

 

第2話「夜は男子だけで恋の座談会☆」のストーリー紹介していきます!

 

帚木のお話です 恋に悩む光源氏(ひかるげんじ)が、頭中将(とうのちゅうしょう)、左馬頭(さまのかみ)、藤式部丞(とうしきぶのじょう)の4人でお付き合いするのにおすすめな女の子、恋愛の失敗談など話し合います。 これをきっかけに光源氏は中流貴族の女の子に興味を持ちはじめます。 どんな恋バナがでてくるのでしょう。

 

ぜひ、Youtubeの動画版も見てください♪

 

 

 

 

第2話「夜は男子だけで恋の座談会☆」

 

プロローグ

ここは今から約1000年前の平安京
源氏物語をテーマにした劇をやっていきます

 

 

私は語り手のサキです。
第2話 夜は男子だけで恋の座談会☆
今回は光源氏たちが恋バナで盛り上がるようです
それでは、はじまり~はじまり~

 

1.中流貴族の女の子

光源氏が17歳のときのお話です
五月雨の夜、光源氏は宮中で帝の警護をしていました
頭中将が遊びに来ていました
光源氏は書物を読んでいます
頭中将:暇~、雨ばかりでつまらない

 

光源氏はくつろいだ恰好で過ごしていました
頭中将:なんですか?このはしたない恰好は?ここは宮中ですよ
光源氏:僕は昔から宮中に住んでいるから、この格好でもいいの
 頭中将:これだからお坊っちゃまは...

 

頭中将:光源氏君宛の恋文とかない?
光源氏:はぁ、そこにありますよ
頭中将:読んじゃお♪

頭中将は光源氏に宛てられた恋文を読んでいました。

頭中将:未だに完璧な女の子に出会ったことがないよ(※困る表情)
光源氏:そうなんですか?
頭中将:すごく評判のいい女の子がいて、実際にあってみると噂と違って、がっかりしたよ
光源氏:へぇ

 

光源氏:どんな女の子とお付き合いするのがいいんでしょうかね?
光源氏は、藤壺女御に恋をしていますが父親の妃なので叶わぬ恋です。

 

妻の葵の上は素っ気ないので夫婦仲もうまくいっていません。
恋に悩める光源氏は、つい頭中将の恋愛話が気になってしまいました

 

頭中将:おっ!それ聞いちゃう?
頭中将:私の経験上、それはね...
頭中将:中流貴族の女の子と付き合うといいよ
光源氏:中流貴族?

 

頭中将:
上流貴族は親が娘にたくさんのお金をかけて大事に育てているから、立派な娘と見える
多少の欠点があっても、親がうまいこと隠しちゃうしね
実際に会ってみないと、噂だけじゃどんな子か分からない

 

しかもプライドが高くて、一緒にいると大変

 

中流貴族の娘はそれなりに教養ができていて
いい子か、そうじゃないか、ありのまま見ることができる
みんな、それぞれ自分の考えを持っていて、個性的で一緒にいて楽しいよ!

 

下流貴族だと、僕たちには物足りないもしれないから興味がないよ
ただ、たまに下流貴族でも気品あふれる素敵な姫もいる。その意外性がいいけどね。
まぁ、めったにいないんだけどね

 

光源氏:なるほど、中流貴族の女性ですか
光源氏:中流貴族の女性はどこにいるんですか?
頭中将:はは、君は上流貴族の女の子としか付き合ったことがないものね

頭中将:中流貴族の娘の見わけか...そうだね

 

頭中将が返答に困っていると、左馬頭、藤式部丞がやってきました
左馬頭:お二人はなんの話をしているのですか?
頭中将:あー、丁度いいところにやってきました!
頭中将:中流貴族の娘の見分け方は分かりますか?

 

左馬頭:そうですね、中流貴族の娘とは
・もともと身分が低かったけど、出世した人の娘とか
・上流貴族だった人が、落ちぶれてしまった所の娘もそうだし
・あとは、受領の娘かな

光源氏:受領の娘かぁ
光源氏:ぜひ、お会いしてみたい
光源氏は中流貴族の女の子に興味を持ったようです

 

2.左馬頭の恋愛 体験談

頭中将:ささ、人生経験が豊富なお二人とも、
このお坊っちゃまに、どんな女性とお付き合いしたらいいか教えてくださいよ
光源氏:さっきからなんですか!お坊っちゃま、お坊っちゃまって!
藤式部丞:いやいや、私どもが高貴なお二人に教えて上げれることなどございません
頭中将:えーいいじゃないの!教えて!教えて!
左馬頭:はは、そんなに頼まれては仕方ありませんな。
左馬頭:どれ、私が何かお話いたしましょうか?
頭中将:やったー!先生お願いします

 

左馬頭:私はあまりお付き合いをおすすめしない女性のお話をしますね
左馬頭が昔お付き合いしていた女性の体験談を話し始めました

 

嫉妬深い女

左馬頭:昔、よく私にお世話してくれる女性がいました
左馬頭:しかし、とても嫉妬深い女性で、その性格はなんとか直してほしかった
左馬頭:嫉妬深いのを直してくれないと別れるよと、冷たいことをいったのです

 

左馬頭:そしたら、その女は怒って、私の指に嚙みついたのです
左馬頭:私は驚いて、しばらくその女に会わないでいたら、その女は亡くなっていました
左馬頭:とても染物の上手な女だったのですがね

 

頭中将:嫉妬深い女は困りますね
頭中将:まぁ夫婦のどちらに問題があっても気長に我慢するもの大事だよね
頭中将:そのうち分かり合えるかもしれない
光源氏:(もしかして、僕と葵の上さんのことを言っているのか!?)

 

浮気っぽい女

左馬頭は、もう一つの体験談も話してくれました


左馬頭:その後、別の女性と付き合うことになったのですが

左馬頭:その女性は文字がきれいで、歌や琴の演奏も上手でした
左馬頭:しかし、ある日、私が仕事で留守にしているときに、

 

左馬頭:別の男性とこっそり会っていました。男性が笛を吹いて、その女は仲良く琴を弾いて演奏していたのです
左馬頭:別の男性とも関係があったことを知り、もう会わなくなりました

頭中将:別の男性と浮気していたなんて辛いですね

 

左馬頭:私が思うに、お付き合いにおすすめな女性は家庭的で落ち着きがある子
左馬頭:信頼できて、留守も任せられる子がいいですよ

 

頭中将:なるほど、勉強になるね、光源氏君

 

光源氏:(藤壺さんのことだ!!!!)
光源氏は密かに思いを寄せている藤壺女御のことを思うのでした

 

3.頭中将のエピソード

頭中将も昔の恋人について語りだしました
頭中将:私もね、昔お付き合いしていた女性がいたのだけど(悲しい顔)
頭中将:妻が彼女に嫉妬して、その子を脅したみたいで
頭中将:その子は気が弱い子だったから、どこかに姿を消してしまったよ

 

頭中将:一度だけ撫子の花を添えて手紙をくれたんだ
光源氏:手紙にはなんて?
頭中将:山里にひっそりと住む私のことを忘れても、幼く可愛い娘のことは忘れないでください
頭中将:その子と間にまだ幼い女の子もいたけど可愛かったな
頭中将:手紙を頼りに、一度だけ会うことができたけど、また姿を消してしまったんだ

 

頭中将:今は何をしているかも分からない、心配だよ
頭中将:行方を探しているんだが見つからない、もう一度あの子に会いたいな

 

光源氏:えっ?
思っていたより、重い内容だったので何も言えなくなりました

 

 

4.藤式部丞の恋愛 体験談

頭中将:次は藤式部丞殿のお話を聞きたいな
藤式部丞:私のような者がお話しできるようなことはありませんよ
頭中将:またまた~、聞かせてくださいよ!

 

頭中将の真剣なまなざしに負けて、藤式部丞は自分の恋愛の失敗談を語り始めました

賢い女
藤式部丞:そこまで言われては...
藤式部丞:あれは、私がまだ大学寮の学生のときの話でございます
藤式部丞:学問に詳しい博士の娘とお付き合いしていました
藤式部丞:その娘はとても賢く、手紙もかな文字を使わず、全て漢文で書ける子でした

頭中将:えーヤダ!手紙にびっしり漢文とか読む気なくすよ
藤式部丞:ははっ

 

藤式部丞:学問についてや役所勤めの豆知識など色んな事を教えてくれました
藤式部丞:あまりにも賢くて、難しいことを聞かれても私が答えれないと恥ずかしい気持ちになりました

 

 

藤式部丞:しばらく会わなかったのですが、久しぶりに会いに行ったら
藤式部丞:障子の向こうから出てくれなくて、顔を合わせてくれませんでした
光源氏:すねてるのかな?
藤式部丞:その女は「今はニンニクを食べて臭いから会えない」と言いました
藤式部丞:障子の隙間から強烈なニンニクの臭いにおいがしたため帰ろうとしたら
藤式部丞:その女は寂しくなったのか「ニンニクの臭いが消えるころに、また会いに来て」と言いました

 

光源氏:そんなニンニク臭い女の子がいるわけない!!

 

頭中将:あはははは!!!!
頭中将:上流貴族の女の子としか付き合ったことないお坊っちゃまには分からないんだな
頭中将:世の中にはニンニク臭い女の子もいます~
光源氏:う、ウソだ~~~~
藤式部丞:あははは!

 

そんなこんなで恋の座談会は朝まで続きました

光源氏は中流貴族の女の子に興味をもったようです
どんな出会いが待っているのかな?

 

(おわり)

 

次回「平安最凶の貴婦人が登場!?」を予定しています。