出産は…2 | はじめのいっぽ

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ブログタイトルは子どもが覚えてきた歌の中で好きな曲のタイトルからつけました。

優しいママに、素直な女性に一歩ずつでも近づけたらとの思いもこめてます。

長男の出産は排卵誘発剤を服用することから始まった。

基礎体温が2層にならなくなってからは、漢方薬も飲んでみた。

どんなことをしても、赤ちゃんが産みたい。

それだけだった。


でも、毎月来るべきものがくると、気分は落ち込み、旦那様に当たることも。


「子ども作るために結婚したわけじゃないだろう。

欲しくたって何年もできない人たちだっているのに。

1ヶ月やそこらで、悩んだって仕方ないだろう」


原因が私にあるから、あなたはなんとも思わないのよ。

自分に原因があったら、私と同じ思いをするはずなんだから。

自分のせいで子供ができない…。

きっと同じ思いをするはず。


でも、そんなことはいわない。

言ってもけんかになるだけだし。

だから、生理が終わってから排卵日までしかHはしない。

だって、そういう気分にもならないし。


そうこうしているうちに、1年が経ち、ようやく妊娠に成功。

しかし、7週目に出血。


「赤ちゃん大丈夫ですか?」


「まだなんともいえないけど。でも、今流産したとしても、

それは染色体の異常でおきることなんだよ。

もし、産まれたとしても、何らかの異常は出るはずだからね。

たとえば産まれてすぐに亡くなったりとか。

だから、初期の流産はお母さんのせいではないから」


慰めでいってるのか、本当のことなのかは分からないけど

少しは救われる思いがした。

だけど、やっぱり、無事でいて欲しい。


幸い、出血がその後も続きはしたが、大事には至らなかった。


1人目ということもあり慎重になりすぎているのは分かっているけれど

慎重すぎて悪くなることはない。

そういう思いで、毎日を過ごした。


9ヶ月に入り、再度出血。おしるしかもと思い病院へ。


通された部屋は陣痛室。

だけど、陣痛があるわけではない。

モニターをつけて3日間ほど過ごしていたが、部屋にいた人はもちろん、

あとから入ってきた人も次々と出産していく。

なんだか、ここにいるのが嫌になった。

早く帰りたい。


「あのね、出産はまだ先のようだけど、心配なことがあるのよ。

お腹が張るとね、赤ちゃんの心音が下がるの。

普通は150とかあるんだけど、お腹が張ると、60~70くらいまで下がってるのね。

だから、このままもう少し入院して欲しいんだけど」


赤ちゃんに問題があるのは分かった。

でも、ここにはいたくない。

出産していく人を何人も見てるのはつらい。

そりゃ、赤ちゃんに何かあってからでは遅いけど

会社も辞めたし、家で安静にしてるから、帰りたい。


何かあったら病院へ行く、それを条件に家へと戻った。

ただ、胎動も感じるし、お腹の張りで心音が下がることは

普通に生活していても分からない。

検診はサボらずきちんと受け、そのたびに赤ちゃんが無事でいることにホッとした。


そしていよいよ、予定日の翌日。

陣痛がないまま、検診の日を迎えた。

旦那様も今日からお休み。

病院に一緒に来てくれた。


モニターをつけ1時間後。

医師から


「このまま入院してください。

お腹の張りと同時に、赤ちゃんの心音が下がってます。」


やっぱり、あのときのままだったのだ。

でも、生きてる。これだけは確実。

予定日も過ぎたのだし、後は医師のいうとおりにしなくては。

私は病院に残り、旦那様はタクシーで家に戻った。


入院に必要なものを持ってきてくれた旦那様と、医師からの説明を受ける。


「陣痛促進剤を1時間に1錠ずつ服用します。

でも、赤ちゃんの心音が下がるようなら中止します。

普通分娩を考えてますが、母子ともに危なくなるようでしたら、

帝王切開に切り替えますので、そのときはご主人のサインが必要になります」


私の出産が始まった。