今回は、i-wish ママになりたい vol.73「年齢と不妊治療」の特集記事より、トピック12の「年齢と治療法〜卵子の質と凍結保存と成長因子~」について少し紹介いたします。

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年齢と卵子の質  や卵子の確保と凍結保存

不妊治療は年齢との勝負という面がありますが、それが顕著に現れるのが、数を含めた卵子の質です。 

人の妊娠率は、35 歳くらいから下がり始め、流産率も増え始めます。そこに卵子の質が関係していても、質を見た目で判断することはできませんし、質をよくすることはできません。現在可能性があるのは、質の低下を防ぎ、老化を遅らせ、 活性化を試みることぐらいです。 

治療では、年齢とともに卵子を確保するための排卵誘発方法や着床環境に気が配られる一方、凍結保存技術を生かした、将来に向けての卵子凍結保存や胚の凍結保存が期待され、最も有効とされてくる面もあるでしょう。

 

 

凍結融解胚移植 

 

現在の体外受精の治療方法は、採卵して体外受精をした後、胚盤胞まで育った胚をいったん、凍結保存し、母体のコンディション(子宮内膜の厚さなど)が整った周期に融解胚移植する方法が主流で、結果もよいようです。とはいえ凍結技術も人が扱う技術ですから、熟練した胚培養士の技術力や知識も大事です。

 

 

成長因子と卵巣PRP 

近年、胚移植に先駆け、子宮内膜の環境を整える医療技術が進んできました。 保険診療での先進医療項目にも、子宮内膜受容能検査、子宮内膜受容期検査、子宮内細菌叢検査、子宮内細菌叢検査、反復着床不全に対する投薬、子宮内膜擦過 術、子宮内膜刺激法などの技術が名を連ねます。卵子の質に注目し、採卵時に排卵誘発法を工夫し、良好胚を得て移植に臨んでも成功しない時、また不成功を繰り返す時、これらの技術で体を整え、さらに着床環境を見直すこともあるでしょう。 

 

そこに、成長因子を用いて子宮や卵巣を活性化させるPRP(高濃度の血小板)療法も効果を見せているようです。PRP療法は再生医療として 有名ですが、不妊治療では、患者自身の血液から得たPRPを卵巣に注入して卵巣機能の改善を期待します。同じく子宮腔内に注入する PRP子宮内注入法があります。これは子宮内膜の機能改善を期待するもので、内膜が厚くなる、着床に寄与する効果があると言われています。治療施設における症例数も多くあるものの、保険診療での先進医療としては認められていません。今後のさらなる進展に注目したいところです。

 

同じ効果を期待した、PRP(PFC)-FDという技法もあり、これは同じ患者の血液かPRPを作った後、フリーズドライ加工によってパウ ダー状に調製されて処方されます。

 

 

胚培養士の想いとは?

培養士とは、不妊治療実施施設において患者さんの大事な卵子や精子を預かり、受精や観察、凍結融解など、胚や配偶子の取り扱いを行う業務を担った人たちのことです。

培養士は、患者さんの大事な卵子や精子を毎日扱っていますから、ミスを起こさないように細心の注意を払って業務にのぞんでいます。施設によっては、医師の指導のもと、患者さんとの受精方法の確認や移植する胚の説明などを胚培養士が担うこともあり、患者さんの情報を把握し、より一人ひとりにあった受精方法を考える職業とも言えます。 

 

体外受精が保険診療化となり、それと同時に「胚培養士」という職業を、国家資格にしようと国に働きかける動きも出ているようです。国家資格になったとしても、基本の業務は変わるわけではなく、今までと同様に患者さん一人ひとりの妊娠や出産を願って業務にのぞまれるでしょう。

 

詳しくは、i-wishショップ楽天市場店で取り扱い中の

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乞うご期待!

少しでも早く妊娠していただけるよう願いを込めて、不妊治療情報センターが発行する「i-wish...ママになりたい」シリーズの新作「不妊の原因」ができました。不妊の原因は人それぞれです。WEBの相談コーナーに寄せられる内容からも複雑な現状が感じられます。その思いもあり、今回は不妊の原因特集を組みました。これから治療を受けられる方や関係する皆様にとって、少しでも参考となり、何か治療への取り組み方にもプラス変化が起きますよう、ぜひ、お読みいただければ幸いです。治療中の方も、今の治療がどのような理由で行われているかの判断材料となることでしょう。そのほか、全国の不妊治療専門施設の紹介、専門医への取材記事、応援レシピや相談集など、内容盛り沢山!