本日は不妊症の原因について少し見ておきましょう。

 

 

生殖年齢と不妊症の原因

女性には生殖適齢期があります。20代から30代半ばがピークでそれ以降は妊娠率は下がり、40歳後半から50歳前後にはほぼ妊娠は難しく、閉経します。そのことを大前提として不妊症の原因を考えるのがわかりやすいかもしれません。年齢が大きな不妊の原因にもなりますので、まずは妊娠に向けては早めの準備が肝心です。

i-wish...ママになりたい73号「年齢と不妊治療」の特集から、不妊原因を見ていきましょう。

 

一般的には、卵胞が育たない、排卵が起きない、排卵した卵子を卵管采が卵管内に取り込めない、卵管の通過性に問題がある、精子が子宮に届かない、届いても正常に受精しない、受精しても育たない、育っても着床しない、着床しても流産してしまうなどがあります。

そもそも夫婦間で性交ができないことが原因の場合もあります。

 

卵胞(卵子)が育たない

女性ホルモンのバランスの乱れ、多嚢胞性卵巣症候群( P C O S )、高プロラクチン血症、卵巣機能低下などが原因として考えられます。

 

排卵が起きない

ホルモンをコントロールする視床下部の働きに障害が生じていると、排卵を起こすためのホルモン(卵胞を育てるFSH、排卵を促すLH)が充分でなかったり、分泌バランスが乱れることがあります。精神的な要因や体重変動、過度なストレスの影響などからもバランスは崩れることがありますから、生活面での注意も大切です。

 

卵子を卵管采が卵管に取り込めない

卵管の癒着や卵管が動けない状態にあると、卵管采は卵巣から排卵される卵子を卵管に取り込むことができません。

 

卵管の通過性に問題がある 

卵管が詰まってしまう閉塞は、感染症 (クラミジア)や子宮内膜症などが原因となり、起こります。症状が片側なら妊娠の可能性もありますが、両卵管に閉塞があれば(両卵管閉塞)自然での妊娠はできません。その場合は、開通手術をするか体外受精の適用となります。 

また、閉塞した卵管に液がたまることを卵管水腫と言い、これは着床障害の原因になることもあります。片側であれば、 切除することでもう一方の卵管での妊娠は期待できます。

 

精子が子宮に届かない

精子が子宮に届かない理由にはいくつかあります。男性不妊症では、乏精子症 や無精子症、逆行性射精の場合、女性では、子宮内膜症など子宮に障害がある場合。抗精子抗体がある場合などです。

 

正常に受精しない、受精しても育たない

卵管膨大部で精子と卵子は出会っていると思われるが、受精する力がなかったり、受精しても卵管内で正常に育っていかないことも考えられます。

この受精確認は、体外受精の場合でなければ確認できませんが、卵子・精子それぞれの質に(染色体異常などの)問題があると育ちません。

 

育っても着床しない、流産する

胚が育っても、着床しなければ妊娠できません。着床しない理由としては、胚(受精卵)の染色体異常や子宮に筋腫、子宮内膜ポリープ、先天性の形態異常などがある場合が考えられます。また、慢性子宮内膜炎や子宮内細菌叢の異常など、子宮内膜の状態が悪いと原因になることが知られています。

 

夫婦間で性交できない

性機能障害として捉えた場合、原因があるか、心因性の原因があるか、またはそれらが複雑に絡み合って原因となっていることが考えられます。

そのこと自体を修復することも大事ですが、それに時間的または精神的なリスクを伴う場合、マスタベーションで射出ができれば、射出精子で治療を進めることが優先される場合が多いようです。

 不妊原因は人それぞれです!

本誌を扱う不妊治療情報センター調べでは、年代別( 20 代、 30 代、 40 代)に多い原因を調べた結果、 20代では、排卵因子、卵管因子、精子の問題の順で多く、30代では、排卵因子、原因不明、精子の問題の順で多く、 40代では、年齢因子、卵子の質、胚の問題の順で多いという結果も出ています。

 

不妊症の原因

女性の不妊原因をピックアップして紹介します。それぞれの原因の中には、細かく見ればまだまだ色々な原因があります。それらが複合して不妊症の患者さん一人ひとりの症状があります。もちろん男性側の原因もあります。ただ、男性側の妊娠に向けての役目が、元気な(良好)精子を射出できれば良いという見方があるため、軽視されがちでした。しかし、最近では不妊症の原因の半分は男性側にあるとの発表もあるように、元気な精子を射出するまで行き着くのにも問題が潜んでいるということを知っておきましょう。(詳しくは 本誌バックナンバー「男性不妊特集号」をご覧ください)

検査と妊娠 

不妊症の場合、検査が治療に結びつくこともあります。例えば検査には、卵管の詰まりを検査する子宮卵管造影や卵管通水検査、超音波子宮卵管撮影検査などがあり、疎通性の検査のため、検査自体が開通させる要素もあり、検査後に妊娠したということがよくあります。 

早めの検査はブライダル検査、治療に先駆けた妊活ドックなどの検査があります。

 

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乞うご期待

少しでも早く妊娠していただけるよう願いを込めて、不妊治療情報センターが発行する「i-wish...ママになりたい」シリーズの新作「不妊の原因」ができました。不妊の原因は人それぞれです。WEBの相談コーナーに寄せられる内容からも複雑な現状が感じられます。その思いもあり、今回は不妊の原因特集を組みました。

 

これから治療を受けられる方や関係する皆様にとって、少しでも参考となり、何か治療への取り組み方にもプラス変化が起きますよう、ぜひ、お読みいただければ幸いです。治療中の方も、今の治療がどのような理由で行われているかの判断材料となることでしょう。

そのほか、全国の不妊治療専門施設の紹介、専門医への取材記事、応援レシピや相談集など、内容盛り沢山!