相談
20歳になる息子について、相談です。
息子は、父親の不妊により顕微授精を受けて誕生しました。
不妊治療の医師から男の子が産まれた場合、父親の不妊を受け継ぐ可能性が高いので、然るべき時に本人に伝える必要があると言われ、その時が近づいています。
夫は、男性不妊である事にプライドが傷つき、男としての尊厳を傷付けられる思いだったと言っていました。
残念ながら、不妊治療で息子を授かったにも関わらず、私達は離婚する事になり、この事実を息子に伝えるに当たってどんなケアが必要かを教えて下さい。
また、精子の数と運動量を調べるには、どの位の費用がかかるでしょうか。
46歳以上・群馬県
お返事
父親が男性不妊のために、顕微授精で生まれた男児の精子濃度や精子数、運動精子数など、生殖補助を受けずに生まれた男児に比べて少ない、というベルギーの研究者たちの発表がありました。
そうした意味では遺伝的要素があると思いますが、男性不妊であっても、射精精液の精子であれば、あまり深刻に考えなくても良いのではないかと思います。
これが精巣などから直接回収した精子だったり、または染色体に構造異常を持っていたりする場合には遺伝をする可能性があります。
息子さんへの伝え方としては、妊娠した経緯などから、心配なら検査を受けてみる？ と話してみるのはいかがでしょう。
検査を受けてみようかとなった場合は、基本的に泌尿器科であれば精液検査を受けることができます。
さらに、男性不妊を診療できる泌尿器科で、医師に話を聞いてもらいながら検査を受ければ、より安心だと思いますが、検査を受けるかどうかは、息子さんの意志に任せましょう。
費用は、保険が適用にならないため、病院・クリニックによって費用が異なりますが、５０００円～だと思います。
また、離婚後は息子さんの様子をよく見てあげてください。成人されていますし、ある程度の理解はあると思いますが、いろいろ思う所があっても、両親に気を遣って言うことが出来ずに、一人で抱えてしまう可能性もあります。
少しでも母親として、違和感を感じたらカウンセリングを受けさせるようにしてください。人知れずに心に深い傷を負ってしまうと、なかなか周りの人のサポートでも改善するのは難しいです。不妊治療の検査同様、専門家に任せた方が良いです。
あまり考えすぎるのも良くありませんので、今まで通り愛情をもって息子さんと接してみてください。
本コーナーは、不妊治療情報センターに日々寄せられる相談とそれに対するお返事を抜粋したものです。不妊治療で悩まれる方は全国に多くいらっしゃいます。私たちは、みなさまが少しでも不安や心配なく妊活や治療に臨めるように願っています。
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気負わず、楽な気持ちで始めてみてください。