Q.クロミフェンを飲んでも注射を足しても、なかなか卵胞が育ちません。アドバイスをお願いします。

 

34歳、結婚して1年半になります。元々生理不順があり婦人科でピルを処方してもらい生理を起こしていましたが、結婚を機に不妊治療専門クリニックに転院しました。その時に、卵管造影検査で単角子宮が発覚し、毎月クロミフェンとHMG注射で排卵誘発をしてタイミング療法をしています。その甲斐あって一度妊娠しましたが、7週で繋留流産。その後またタイミング療法を再開したのですが、卵胞がなかなか成長しなくなってしまいました。先生からは、もう流産の影響は無いと言われています。

 

今周期は、クロミフェン1日2回を5日飲み、注射もしましたが、それでも育ちませんでした。

先生から、「薬に身体が慣れて効きにくくなっているんじゃないかな?」といわれ、更にクロミッド5日間を服用し、それでも育たなかったので加えて注射もしました。

先生からは「元々PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)気味だし、治療を始めた頃よりは老化が進んでるから、薬が効きにくいんでしょう」と言っています。

 

そこで質問なのですが、

①こんなに連続してクロミフェンを服用して大丈夫なのでしょうか?

②また同じ薬を繰り返すより、他に効果的は方法はないのでしょうか?

③また、卵胞が育ちにくいということで、体外受精へのステップアップも検討するべきでしょうか?

アドバイスの程、宜しくお願い致します。

 

 

A.3つのご質問について、お話していきます。

 

質問① 

クロミフェンについてですが、服用しても卵胞が思うように成長しなかった場合、投与期間を延長することがあります。その際に、子宮内膜が薄くなったり頭痛があるなどの副作用がなければ大丈夫です。また、クロミフェンを長期の周期に渡り処方した場合、子宮内膜が薄くなる、子宮頚管粘液が少なくなるなどの副作用が多くなることから、5~6周期くらいを目安にクロミフェン投与を休むのが一般的です。

その他には、あなたの主治医が言うように薬を使い続けると反応が悪くなるということもありますので、これらの症状が見られるのであれば他の方法を考えるべきでしょう。ただ、老化はあまり心配しなくてもよろしいかと思います。

 

質問② 

誘発方法はさまざまあります。クロミフェン+注射で、反応が良くないのであれば注射を連日投与する方法や、別の内服薬を併用する方法などがあります。もともと排卵障害(生理不順)があるということですから、卵巣の機能の問題として反応が良くないのかもしれません。また、多嚢胞性卵巣症候群に対しての治療をすることで排卵障害が改善することもありますので、医師にご相談してはいかがでしょうか。

 

質問③ 

タイミング療法で妊娠が成立しているので、今後もタイミング療法で妊娠成立する可能性があります。多嚢胞性卵巣症候群の方は排卵誘発の方法によっては複数の卵子が排卵される可能性が高くなります(過排卵)。これによって多胎妊娠する可能性も高くなり、これを回避する目的から避妊をしてもらうということもあります。ただ、強い刺激をしないと排卵が難しい場合には、体外受精へ治療法を切り替えることもあるでしょう。体外受精の場合、複数の卵胞が育って、複数の卵子を採取することができても、移植する胚は原則1個ですので多胎妊娠を回避することができます。

 

これまでお話してきたのは一般的なことです。あなたの情報を一番たくさん、また正確に持っているのは主治医ですから、この3つの質問を主治医にしてみてください。一般的なことではなく、きっとあなたのことをお話してくれるはずです。

 

不妊治療情報センター