神馬英傑伝 第二編 『名演技に天晴れです』 | Miko(神湖)の呟き処「功夫迷的独白」

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第二編では日月渓谷に着いた英傑が修行を始めるところから。


原題 『馬鳴風蕭蕭』2006年

侍女の小眉から英傑が去ったと聞いた彩綾は、英傑の部屋の枕元から手紙を見つける。

自分の悪口が書き連ねられた手紙を読んだ彩綾は荷造りをし、英傑を探しに行こうとする。

そこへ司空遠が止めに入り枕元から見つけた水晶の瓶を見せ、自分が生前に師匠から託されたと言い彩綾を諭そうとする。

司空遠から想いを告げられ困惑する彩綾は、司空遠の話と英傑の行動に辻褄が合わないことや、父が生前に後継者がいないと話していたのを思い出し司空遠の話に疑いの目を向ける。
師妹~

司空遠に握られた手を小眉に「皮がむけますよ」と言われるほど洗っていたんだけど、そんなに毛嫌いしなくてもいいのに(笑

英傑を追い出したことを彩綾に責められた司空遠は改心し、師匠の霊前で弟子たちととともに鉄海棠への復讐を誓った。

誓い!

その頃英傑も日月渓谷ヘ向かう途中の宿で魚龍百変功図を眺め師匠への復讐を誓っていた。
そこへ偶然に彩綾もやってくるが、彩綾を欺き英傑は宿を出て行く。

朝になり同室していた男が黒水仙と親しげにしていたと宿の男に聞いた彩綾は、英傑だと判り追いかけようとする。
とそこへ英傑を追っていた鄔大野がやってきて、英傑を絶対に捕まえると息巻いてきた。

小豆子と街の五棵松客棧で待ち合わせをしていた英傑はそこで鄔大野と鉢合わせしてしまった。
そこには鷹千里に命じられ英傑を探す鉄拐快刀という二人組もいて三人に襲われるが、小豆子や女将の鄔大野を英傑に仕立て上げるという作戦でうまく逃げ出すことができた。

この鉄拐快刀という二人組が、デブとヤセのコンビで曲芸まがいの技を使う。
足の悪いデブの劉二拐が持つ杖の上にヤセの李快刀が立ち上がり相手を二人がかりで攻めていくのだ。
有り得ない動きなのだが意外と強いのだ(笑
鉄拐快刀の羊肉捌き

一方、風雷堡の監審堂で瀋傲霜が魚龍百変図を探しに華山に出かけた鉄海棠を仇敵の成玉霜と結託しているという疑いで訴えていた。
しかし、審判の長老二人に受け入れられず監禁していた卓君明に会いに行く。

鉄海棠の後妻である瀋傲霜は、見た目は強欲そうな女傑っぽいが、夫への愛情が強く成玉霜に対する嫉妬心でいっぱいの女性なんだよね。

朱佩瑤と神算子は囚われている卓君明を救出しようと風雷堡を眺めていると、窓辺に立つ女性が娘の小薇で、恋に悩んでいると知った二人は小薇に近づく。
「人に親切にすれば想いが叶う」と占い、小薇を使って卓君明を牢から出すという作戦に出る。

そんな小薇の様子がおかしいと調べ始めた鉄孟能が神算子を英傑の間者だと言い出し、二人は捕まってしまう。
しかし神算子は瀋傲霜の書いた文字で真実を言い当てたため逆に信頼を得ることができた。

鉄海棠の養子である鉄孟能は小薇のことを愛しています。
「気を落ち着かせるため」と言って時折工房に籠もり木彫りをするのが趣味なんだけど、この男も考えてみれば可哀想な男です。
自分でも言ってたけど鉄海棠に巧く利用されてるって感じだし、愛する義妹に趣味の木彫りにはまったく揺れ動かないとまで言われちゃってるし(笑
鉄孟能

英傑を想う小薇は瀋傲霜を酔わせ符牌を盗み出し、卓君明を連れ出すことに成功した。

その頃英傑は街で行われていた双龍会の頭主、辺鉄山の誕生会に紛れ込んでしまった挙げ句に刺客に間違われてしまう。
余興に来ていた鉄拐快刀に連れ出されたところへ鷹千里たちがやってきて、逃げ出した英傑は崖から飛び降りてしまう。

目が醒めるとそこには父親に間違えるほど似ている男がいた。
しかし男は口がきけず侠客だと地面に書いて見せ、ここが日月渓谷だと教えてくれた。
朱哥

そして魚龍百変図の意味が分からず修行が進まない英傑を見た侠客は自らが川に入り見本を見せてくれ、郭師匠とは友人で朱という名前も教えてくれた。
師匠が最後に「日月渓谷ヘ行け」と言った言葉が朱に会えという意味だったことが解り、朱の指導で魚龍百変功を学んでいくことになった。

馬天賜と朱空翼を演じていた李振起という役者さんを観たときに「どこかで観たような」と思っていたのだが、『書剣恩仇録』で王五を演じてた人だと判ったときはスッキリした。

そんな中、白馬門を宇内十二令の配下にしようと鉄孟能が白馬山荘を訪れる。
金銀財宝を並べ引き入れようとするが、司空遠はそれを一蹴すると、鉄孟能は「今夜が白馬門と司空遠の最後の夜になる」と不穏な言葉を言い残し去っていった。

司空遠は白馬門を守るため決死の覚悟で、門弟たちと誓いを交わす。
そしてその夜、瀋傲霜率いる風雷堡の一団が現れ白馬門を攻めてきた。
司空遠は剣を抜き立ち向かうのだが、仲間の門弟の一人に背中を斬りつけられてしまう。男は間者だったのだ。
そして瀋傲霜に胸を打たれ倒れた司空遠は仲間とともに牢へ入れられてしまった。

そこへ戻って来た鄔大野は瀋傲霜に待ち伏せされ、懐柔されてしまう。
そして白馬門に戻った鄔大野は木に縛られ火を焚かれそうになる門弟たちを目にする。
しかし門主にさせてもらえる約束を条件に帰順してしまった鄔大野はなにも出来ずにいた。

帰順してしまった鄔大野のことを鉄海棠が「腰抜けのワンタン」と字幕で言ってたけど、ワンタンのようにふにゃふにゃな男という意味なんだろうね。
言われても怒ることもできない情けない男に鄔大野は落ちてしまってましたよ(笑

鉄海棠は成玉霜が白馬門に現れるのを待っている。
と鉄海棠の合図で火が焚かれそうになったその時、成玉霜が現れた。
鉄海棠は成玉霜に白馬門を統率してくれるよう説くが、成玉霜は断り出て行ってしまう。

そして翌日、牢に入れられていた司空遠たちは、鉄海棠が作った定魂神針を背中に受け洗脳させられてしまった。
定魂神針、注入!


またもや演技派の樾哥に天晴れ。目つきも変わり取り憑かれたような顔が巧すぎるのよ。

白馬門、黒馬門~

一方、英傑を追っていた彩綾は黄花草原に行くが小薇と出くわしてしまい、言い争っているうちに剣を抜き戦い始める。

英傑の仲間に止められ彩綾はその場を去るが、小薇は追ってきてまたもや剣を向けてきた。
とそこへ白衣装の女侠が現れ、彩綾をきつく叱ってきた。
彩綾が親でもないのにと反発すると、女性は顔を覆っていた布を取り、母親だと名乗った。
信じられない彩綾は彼女と別れ、街へ行く。

立ち寄った飯処で同じく街に来ていた朱と会った。
彩綾は父親の知り合いである馬天賜と間違えるが、朱は紙に馬天賜は英傑の養父だということと、この先の日月渓谷に英傑がいることも教えてくれた。

日月渓谷で修行をしていた英傑は、黒水仙の鳴き声に気づく。
とそこには彩綾がいて自分を探しに来たという。
英傑は帰るように諭すが、彩綾は修行につき合うと言いだした。
30日間、ここでの生活に耐えられたら結婚するという賭けを始めた二人の生活が始まる。

彩綾はここまで気位の強いわがままなお嬢様イメージだったけど、可愛い一面も見えてきたって感じだったな。
郭白雲の娘というだけで敬遠されて、普通の生活が羨ましかったんだね。

そして30日が経ち、彩綾は赤い布を剣で切り結婚式の飾りを作り始める。
しかし、英傑は大事な修行に入るので待って欲しいといってきた。
約束を破ったと彩綾が出て行こうとすると、そこへ欧陽山が手下とやってくる。
洞窟に閉じこもり修行をする英傑のため、欧陽山を剣で追い払い残ることにした。

欧陽山は鷹千里に報告のため一度は退散したが、再び鷹千里を連れて英傑を捉えにやってきたのだ。
彩綾は剣を抜き黒水仙に手助けされながら闘い始める。

そこへ洞窟から出て来た英傑に習得した魚龍百変功を食らわされ、鷹千里は逃げていった。
しかし彩綾は鷹千里の鈎爪の毒を受けてしまっていた。

英傑は内功を送り治療を始めるが、倒れそうになる彩綾を支えた姿を小薇に見られてしまった。
小薇は洞窟の飾り付けを見て裏切られたと勘違いし出て行ってしまう。
英傑は小薇を追いかけるが、その様子を見て彩綾もそこから去っていってしまった。

彩綾は英傑を好きになってしまったんだね。
でも英傑は師匠に頼まれる前に小薇には出会っていた訳だし。
『中国版ロミオとジュリエット』と呼ばれてる理由は、許されない恋っていうことか。
小薇の父親を倒さなきゃならないし、そうすれば小薇が悲しむだろうし、師匠の遺言も守らなきゃならないし。

そんななか、卓君明は宇内十二令の魔手から白馬門を救おうと、江湖の有志たちを集めようとしていた。
しかし、招待状の返事は欠席ばかりだった。
そこで最後の望みをかけある人物の下へ向かうことにする。

一方、武林制覇という野望に近づいていた鉄海棠は白馬門をはじめとする西方の門派の支配を確実にするため秘策を練り上げていた。
そしてそのことを成紅梅の25周忌で明かそうとしていた。

鉄海棠の策略も悪辣さを増してきました。
娘が英傑を愛してるということまで利用しようとしているぞ。
初めは小薇が小生意気であまり好きになれなかったけど、ちょっと可哀想になってきたよ。

第二編はここまで。
次回の第三編ではラストまで書いていきます。