『愛には疎い』が人情味あふれる男 | Miko(神湖)の呟き処「功夫迷的独白」

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本格派武打明星(武術アクションスター)である吴樾・吴京・李連杰などの作品レビュー(ネタバレあり)、マウス絵、日記
         

前回の予告通り、今日も『白蛇伝説』について語ります。

この作品のサブタイトルは「It's Love」なのです。
と言うことは、主役は白蛇の精・ススと薬草取りの青年・シューシェンとなる訳ですが、
『愛』には男女間だけでなく、師弟、友にもあるのですね。

ファハイとノンレンはこの『師弟愛』で結ばれています。
「金山寺の和尚になるのが夢」と言うノンレンに「わたしが早く死ねばいい?」なんて皮肉を言って困らせますが、内心は「立派になったな」って嬉しい気持ちもあるんでしょうね。
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だから、妖怪になりかけているノンレンが、青蛇のチンチンを救うため現れた時は相当驚いてたし、崖から落ちそうになり、法力を逸らすシーンは鳥肌物でしょ。
「寺には戻れない」と言うノンレンの言葉を聞いて涙を浮かべてたもんね。

「妖怪に惚れるとロクなことはない」とファハイが言ってたけど、あれは今回の惨劇のことを指しているのか?それとも過去の経験からなのか?
でも「愛に疎い」と千年生きているススに言われているので、過去の経験ではなさそうね。

でも「愛に疎い」のお返しに「おまえが千年生きる白蛇だと知っても汝を愛するか?」って言い返すけど、これはススの勝利だね。
だってそうじゃなければ「なんだ、蛇かよ。騙されるところだった」って諦めるだろうし、まして危険を冒してまでシューシェンは雷峰塔から仙草を盗まなかったもんね。

でも結局、「ロクなことはなかった」んだよね。
悪霊に執り憑かれ危険な目に遭うシューシェンを救おうとファハイが一生懸命してるのに、「苦しめてる」とか「記憶を消し去るなんて卑怯だ」って寺を水浸しにされちゃうんだから。

終盤でファハイが「やられちゃった?」となる場面で、『悟り』を開いたことで光の手に包まれ更なる力を得るのは、自分の考えを否定し『負け』を認めたからなのかなって。
「仏は慈悲深い」と言うファハイの言葉にもあるように、『負け』を認めたことで、ファハイも偉大な力を手に入れ、罪を認めさんげ(懺悔)したススはもう一度、シューシェンに逢えたんだろうなって思った。
塔を持ち上げたファハイのあの力ももしかしてそれまではなかった力だったかも。

「わたしは姉のようにひとりの男性を愛せない」ってチンチンはノンレンのもとを去るけどあれはノンレンをファハイのもとへ行かせるためだったんだね。
あ~『女ごごろ』だね

最後は面白シーンと萌えシーンをご紹介して終わりにしますね。

面白シーンは「両親に結婚の承諾を得たい」と言うシューシェンに家族を合わせるシーン。
父はのんびり屋の亀、母はせっかちな兔、使用人は鶏、親戚一同は蛙、猿、猫。
亀、鶏役の役者さんはベテランさん、蛙役の役者さんもコメディ界では有名な役者さんらしいですね。
せっかちなウサギ母さんが可愛かったなって。

萌えシーン①は蝙蝠妖怪を倒し、真っ赤な溶岩?の中で岩に立ちはだかるファハイの姿は鳥肌物よ!戦隊もののヒーローのようでした。
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萌えシーン②は本堂の外で黒袈裟を着て、棍棒を持ち立っている和尚の姿。
白袈裟は清楚で素敵だけど、黒袈裟姿は胸も開いているせいか、セクシーなのよね。
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追伸:
映画を盛り上げる物のひとつに『挿入歌』があるでしょ。
この作品の挿入歌を歌うのは主役の二人、スス役のエヴァ・ホワンとシューシェン役のレイモンド・ラム。
『許諾』と言うタイトルのなんとも切ない素敵な曲です。
初めてこの曲を聴いた時、涙が出そうになりました。

歌詞の一部“为你而活是我的许诺”(あなたのために生きると約束する)は、
りんちぇラブラブが修正したものなんだそうです。
こんなロマンチックな歌詞が思い浮かぶなんて私生活のりんちぇは愛に疎くないようです。
「奥さんのためなら死ねる」とも言ってるくらいですからね・・・阿弥陀仏~~~


今回の萌えシーンもミコの絵でのご紹介です。
ステキ黒和尚はミコの憩いの場「天照庵」からの戴き物です。