旦那の子として

産むと決めて

次の検診日


あれ?と先生が首を傾げた。

こっちゎ不安になる。


先生、何か問題ありますかね?

うーん。ちょっと心音が弱いかな?まっ問題ないでしょう。
そう
先生が言った。

また1週間後に
来てくださいとの事。

アタシのせいで
赤ちゃんが
生きようとしなくなっちゃったんかも。

何も考えないようにしょう。

まだ
9月の残暑真っ只中だった。


つわりも出てて
ホント毎日が
憂鬱だった。


1週間後の
検診の日がやってきた。

先生ゎエコーの画像を見て
しばらく黙っていた。

今回ゎ諦めてください。


えっ?
何でですか?


エコーの画像にゎ
時たま手と思われる
部分が動いている。

この子生きてるのょ。
何で諦めなくちゃいけないの?


先生ゎ静かに言った。

この子ゎ
先天的な病気があって
産まれる前に
お母さんのお腹の中で
死んでしまったり
例え産まれたとしても
長く生きられないんです。

医者側としたら
その時のお母さんのメンタル的な事も考えて
提案してるんです。


━━━━
でも
この子ゎ

生きてる。

先の事ゎわからない。
アタシ産みたいんです


そうしましたら
旦那さんとよく相談して
また
1週間したら来てください。


……
わかりました。


命の重さ
命の尊さ


旦那に帰ってから
相談した。

医者がそう言ってるんぢゃ
諦めた方がいいだろ。

旦那ゎ
今回の妊娠が半信半疑だったからその言葉が
あたしには
余計
他人事に聞こえた。

この子を守りたい。


次の検診日ゎ決断する日だ。
なんとしても産みたいって
つたえょう。


検診の2日前くらいから
まだ夏の暑さが残ってると
いうのに
寒くて寒くて
夜ゎ毛布にくるまって
寝た。
昼間でも
裏起毛のフード付パーカーを
着てた。

お腹ゎ張ってるし
妙にひんやりしてる。

調子悪いなぁ~。

そして
検診日。

先生。
2、3日前から
体が寒くて寒くて…
お腹も冷たいんです。



エコーで先生が診てくれた。




そこに写っていたのゎ
ピクリとも動かない
ちっちゃなちっちゃな
なきがらだった。




赤ちゃん
ごめんね。

ママが
あなたを
殺したのも同然。

産みたいって言いながら
ホントゎ
心の中で
どーしようって
悩んでいたから。


神さま

アタシ

罪を犯してしまいました。━━━━━━

5ヶ月目に
入ったとこだった。


普通分娩で
子宮口を拡張して
薬と注射で
無理矢理堕した。


死産。


手のひらに乗るくらいの
赤ちゃんだった。

顔も手も指も足も口も目も鼻も
全部ある。

赤ちゃん
ママゎこの罪を
どう償えば。


こうして
暑い暑い9月の残暑ゎ
過ぎていった。








あたしは帰ってから

旦那に


「生理来ないから産婦人科行ってくるね」



と行ってでかけた。



今までのことはないものだとしなければならない。




ここから新たにスタートなんだ。


産婦人科で

「よかったですね。おめでとうございます。もうすぐ4ヶ月になりますね」



超音波の画像にはやっとヒトの形になりかけている赤ちゃんが動いてるのがわかった。

心臓がピクピク動いている。



「次は1週間後に来てください。」





帰って旦那に報告。



旦那も生理が来てないって時点で

妊娠してんじゃねんとは言っていた。

実際アリバイセックスはしたけど中に出してはいなかったんだ。


旦那も半信半疑だ。





でも貫き通さなければならない。






あたしは出口のない闇の中にいた。



おろす産婦人科はみゆが産まれたと言っていたとこ。



お金は半分真司がもつという。





周りは全額男がもつのが普通だょって。




あたしたち2人の無責任さからだからあたしも払うと言ったんだ。



当日。真司は休んではくれなかった。

でも来てはくれ、また仕事に戻るらしかった。


あたしは心細かった。



女友達に頼んで一緒についていってもらった。




お金は前払い。10万近いお金を払った。


診察をうけ手術は午後になるという。



いょいょか。



初めての堕胎手術。




手続きが受付で始まった。




真司は待合室で持ってきた漫画本を読んでいた。



ふぅ~。。ため息がでる。




1人でこんなに悩んで悩んで
出した答え。



それなのにまるで自分には関係ないといった感じで、なんで漫画なんて読んでられんの。




書類の下の方に同意欄があって
真司に書いてもらった。






受付の人が

あたしの姓と真司の姓を見て

「旦那さんではないんですか?」



と聞いてきた。




「はぁ…」




「あの、ここの欄は旦那さんじゃないと駄目なんですょ」



「えっ??!あっでも相手の人なんですけど、訳あって旦那とは別居中で…」



別居はしてないが思い付く限りの言葉で嘘を並べた。



「送付とかでいいんで旦那さんに記入してもらってからまた来てください。」



旦那に言える訳ないじゃん。



受付の人の事務的な態度にムッとしながら、全額返してもらい産婦人科をあとにした。



「どうするかまた考えてみよう」
と真司は仕事に戻った。




やっぱりおろすなって事か。





とにかくお腹の中で今精一杯生きようとしてる子どもがいる。




産むしかない。





旦那の子として。





ここんとこ毎日「生理きたんか?」と旦那に聞かれてる。




これ以上限界だ。




帰ったら言おう。