祖母95歳
一昨年
一人暮らしの自宅で体調を崩しそのまま入院
肺炎で一時命の危機もあったけれど持ち直し
現在は介護付き有料老人ホーム暮らし
長い一人暮らしからの集団生活
安心と引き換えに自由やプライバシーが減り
90代からの新しい人間関係の構築に激変した新しい環境への適応
気丈でとても聡明な祖母は
この2年で見事に自分の新しい居場所を作っていった
2年前倒れた直後は祖母自身きっとまた戻るであろうと思っていた自宅
でも倒れてからの怒涛の約半年でだんだんともう戻ることはないだろうと覚悟してきたであろう自宅
祖母が2年前までに住んでいた家は今もそのままで
母や母の兄弟が度々空気の入れ替えや掃除しに行ったり、ものを片付けに行ったりしているけれど
基本倒れた日のまま
その家をついに手放すことにした祖母
ある日突然離れてしまった家だから
きっと色々思い出せばあそこにあるものはどうしようとか
もう一度見ておきたいとかあるだろうけれど
祖母はもういかないと決めたようで、自宅にあるものは貴重品以外全て今いる施設には
持ち込んでいない
「自宅の様子は、あれがここに飾ってあって、あの家具はここにあってとしっかりと
私の頭の中にあるからそれでいい」
と言っていたそうで
その祖母の気持ちなんとなくわかった気がした
きっと一度でも戻ってしまったら思い出があり過ぎて
離れがたくなってしまうから
もともとものすごく片付け上手な祖母だから余計なものはあまりない家で
だからこそ今家にあるものはきっと大事なもので思い出が詰まっているものもので
改めて目の前にしたら手放しがたくなってしまうから
だからもう戻らないと決めたのだろうな
そして過去じゃなくて今を楽しく充実して生きていく為になにをしていくか
に思考をシフトしたんだろうなと思うと
本当に祖母らしく、潔くてかっこいいと思う
自宅が売れてしまったらもう祖母宅に行くことは出来ない
私は祖母の初孫で本当に本当にかわいがってもらい祖母が大好きで
同じくらい祖母の家が大好きだ
祖母や祖父との思い出、お正月に親戚で集まった賑やかな思い出
が沢山詰まっているから
だから最後に祖母宅とお別れしに行ってきた
祖父母宅に行くと必ず祖母が「しばらく♪会いたかった~♪」と両手を広げて迎えてくれた玄関
素敵なピエロの置物を探してるのよ。と一緒にデパートで水色のストライプのオシャレなピエロを見つけて購入して飾った玄関の棚
祖父のハットがかかっていた帽子掛け
いつもぴしっと整頓されていた玄関横の納戸
洗濯機と脱水機が別々の洗濯機
モスグリーンで深い浴槽
小さい頃はお風呂よく一緒に入ったな
お風呂から出てくると私がお気に入りのグラスに麦茶を入れてくれていて
長い髪の毛をドライヤーで乾かしてくれたのが嬉しかったっけ
小さい頃お泊りした朝起きると
台所に立っている祖母の後ろ姿が見えて
隣にいくと「おはよう♪」といって朝ごはん前に小さな塩にぎりを握ってくれた
遊びに行くとすぐ寝てしまうソファ笑
ごはん食べたり、おやつ食べたり、お茶したりしながら
沢山おしゃべりしたダイニングテーブル
今色々改めて思い出してるけど
行ったときはそういうの考え出しちゃうと泣いてしまいそうだからまるでいつものように行って、まだ来るかのように帰った
祖母と同じで私の頭の中には私の祖父母宅がこれからもずっとあるから大丈夫
祖母の自宅を手放すにあたり祖母からあった話は
自宅にあるものはほぼ業者に頼んで処分してかまわない
自宅にあるもので誰かが使ってくれるものであれば持っていって使ってくれたら嬉しい
ということで
祖母宅へのお別れと一緒に
祖母宅へあるもので我が家で使っていきたいものをいろいろもらってきた
おばあちゃんが使ってきたものをこれから自分が使っていけることがなんだか嬉しい
干支のようじ入れ
卵焼き用フライパン
食器たち※一部
祖母宅で長らく静かにそこにあったものたち
我が家に来て早々
私にいろんなものを乗せられ入れられ(笑)
娘たちに使われ(笑)
その賑やかさにびっくりしていることでしょう
卵焼きを乗せ♡
ミネストローネを入れ♡
本日の夕食時にも大活躍
食器好きの私としては今度はこの子たちに何を盛ろうと考えるだけでわくわくする
娘たちには私と弟が祖母宅に行った時用に
用意してくれていたお茶碗を
なんだか自分が使っていたお茶碗を娘たちが使っているのがなんだか感慨深い
二人とも
「猫だ!かわいい♡」とすっかりお気に入り
でも。。これまで二人ともメラミンのお茶碗だったから
扱いが、ちと不安
だけどこれを機に陶器のお茶碗大事に使うことを学ばせましょ
ミルクポットには麦茶を入れたら
次女ちゃん「これかわいい!」と自分で注ぐ
そして思ったことは祖母は95歳
今はまだまだ元気だけれどこの先いつどうなるかわからない歳
だから祖母が存命の今
いろいろと譲り受けられたこと
それがなにより嬉しい
だってお礼が言えるのだから
大事に大事にしていこう