花より団子、雨でもキモノ。
美大の同窓生で結成した我々「着物隊」は、ほぼ月例で着物を着て行事を楽しむ活動をしています。
皆それぞれ子育て、介護、仕事…と日々自分の暮らしを生きていますが、この日は乙女成分を多目に持ち寄って、はんなりしゃなり＆大笑いで過ごします。
２カ月くらい前から日程を調整し、さらに着ていくものをあれこれ準備してきますから、たとえ雨でも、うまい具合に花が盛りでなくても、花粉が激しく舞っていても、
「やっぱり服にしよう。」
とはならずに、予定通り決行しちゃうのです。
ああ、だけど2018年度のキモノ隊のお花見は、隊史に残るぐらい最高に麗しい１日となりました。
恥ずかしながら、この日のテーマは「細雪」でした。
この一枚の写真が撮れただけでも、目標クリア。
そして、さらにもっともっと心豊かな時間を織り上げることができました。
隊員は、京都のあちこち、奈良、大阪、遠くは東京から、関西の実家に帰って来る日を合わせて集結します。
阪急の十三駅で宝塚線から京都線に乗り換えるときに、今日の行楽客の人出が尋常でないことは想像できました。
待ち合わせは、南座の前にしました。
改装がようやく終わりかけたところで、劇場はクローズしているのに、祇園河原町の角はワサワサと観光客が溢れています。
「久しぶり～♪」
「アラ素敵～♪」
この界隈は、和装小物や呉服を扱う店が軒を連ねておりますので、乙女は足を止めずにはおれません。
近くの「祇園ゆるぎ」をちょいと覗いて、メンバーのひとりは、はんなり大人可愛い帯締めをぱぱっと選んでお買い上げ。
京都はやっぱり日本一お買い物が楽しい街です。
だけど、夢中になってたら、ご飯の予約の時間に遅れるわ。
花見小路からちょいと筋を入り込んだ辺り、小さな間口の料理屋さんがひしめいているうちの一軒、「花咲」でランチです。
静かで落ち着く２階の個室でまずは乾杯～♪
それぞれに、近況報告を。
受験生の母もいて、それぞれの思いでこの春の日を迎えています。
リーズナブルなランチのミニ懐石は、春らしいおもてなしの心配りが満載で、キュンキュンする。
若い筍の皮をシェードに見立てて灯りを灯してありますよ！
料理の写真だけでブログに掲載できる画像の上限を越えちゃいそうなので、割愛していますが、どれも供される度にわぁっと声が上がります。
お漬け物のお寿司も爽やかで美味しい。
一歩店を出ると、すごいひとごみ。
だけど、花見に集まったのだから、やっぱりサクラの下で記念写真を撮りたいよね、ってことで、白川沿いに行ってみました。
アラアラ、大混雑。
この写真、やっと撮るには撮ったけど、お花のキレイさを満喫するのは望めないね。
円山公園の垂れ桜も満開見頃っていうけど、お花が見えるかしら？
と言ってる私たちに、
「うちのお寺の桜も、今最高にきれいなんだけどね。ゆっくりできるよ。」
と、先輩がご自宅のお寺にお誘いくださいました。
伏見の曹洞宗「榮春寺」。
450年前に創建された由緒ある古刹です。
現在、お庭にはソメイヨシノ、ヤマザクラと共に、紅垂れ桜が満開なのだそうです。
なんと贅沢なことに、その名所を、ひととき、私たちで独り占めできることになりました。
祇園の人気店で話題のスイーツをテイクアウト。
これをお土産に、京阪に乗って、榮春寺に移動です。
本堂の天井画も見事です。
そして、「まあきれい！」と、みんな息をのみました。
夢のような春爛漫そのものの景色です。
花の精はきっといます。辺りの空気を染めています。
失礼あそばせ。
順番に花の下で記念撮影大会させていただきました。呉服屋さんでもらう女優さんが微笑むカレンダーのロケ地みたいです。
上向いて～♪後ろ向いて～♪
みなさんの素晴らしいお衣装にもほれぼれします。
薄い緑の私の着物は高価なものではありませんが、花の下ではぴったりなコントラストになっていて嬉しい。
この日おろしたてのものです。
そして、指心庵という茶室に誘っていただきました。
先輩は茶道の先生なのです。
にじり口から、私入れるかしら？
ダイエット頑張っておけばよかった。
ちゃんとお稽古していないので、気詰まりというか、おどおどたじたじしてしまう自分が本当に残念です。
だけど、究極のおもてなしである茶席は、誰もが心落ち着く時間です。
お道具の組み合わせ、抹茶の美味しさ、作法のきまりごとのひとつひとつも、魅力的で深い。
若き頃、苦手だと感じてやめてしまった茶道が、こうして時々手招きしてくれてるなぁ。
サプライズで催してくださったプライベート茶席。本当に感謝しています。
お座敷に戻ったら、可愛い足音がちょこちょこ近付いて来てくれました。
コーギーの仔犬、はるちゃんです。
ペロペロしてくれて嬉しいなぁ。
ゆっくりさせていただきましたね。
なんて贅沢なお花見だったのでしょう。
また次のキモノ隊活動楽しみです。