高校に入学して1週間が経つ。


佐知子は部活をどうしようかと思っていた。


体の調子が悪くても時間は過ぎる。


目まぐるしい高校ライフに追いつかなくてはと一生懸命だ。


佐知子は、朝、ご飯を食べると吐いた。どうしても吐き気がして吐いてしまうが吐いたあとご飯を1膳、ほおばって学校に行った。


吐くには心当りがあった。

生理が来ていないことに気が付いたからだ。

佐知子はモデルの仕事をしていた。

仕事が終わると次々、男の人に誘われる。

それがビデオで撮影されていた。



多分、この一件で妊娠していた。


しかし、佐知子はストレスのせいにして放置した。


高校に入ってからは佐知子の顔が今までとは違う人みたいに変わっていた。成長期だからと言ってこんなにも人相が変わってもいいのかと思うほど。


それが中学校の時の同級生に少し似ているような気がする。


「逆っこ入れ替えっこ」


ある日、佐知子にこんな声が聞こえてきた。

テレパシーのようなものだろうか。


高校に入ってからはモデルの仕事はしていなかった。最近顔が似ている中学校の同級生から連絡がきた。

「モデルやる事になったの。」と。

佐知子はおどろいた。


早速、ネットでのファッション通販のモデルをしている彼女の姿を見た。


どこか懐かしい佐知子の昔の顔に似ていた。


何故か自分の顔を思い出すのが鈍めしかった。


脳みそごと視野が入れ替えられたが如くなのか。



「逆っこ入れ替えっこ」


これからの佐知子の人生はどうなるのであろうか。


モデル業界の謎である。


佐知子は部活動の用紙を破り捨て、退学届を書く事にした。









おわり