「犬王」〔脚本 野木亜紀子 98分)
話の内容は、目の見えない友魚と異形の怪物犬王がバンドを組んで、友魚が琵琶で演奏し、犬王がダイナミックに踊って、人気を博す話
友魚が荷車の荷台の角材に乗って移動するシーンが印象に残った
友魚は目が見えないので、色々な音が聞こえるというのが良かった。特に米粒が地面に落ちる音、その落ちた米粒に雀達が集まって来て食べる音、を映像で撮るのが印象に残った
犬王の面の穴越しに見える、犬王目線の撮り口が楽しかった
目の見えない友魚と異形の犬王がセッションし、友魚の琵琶の演奏で犬王が異形の身体を活かしダイナミックに踊る、というのが良かった
犬王の踊りと友魚の琵琶演奏が、どんなんかなぁ、と期待していたら、ロックバンドのように琵琶をかき鳴らし、隣には火を吹く男がいたり、最初の「腕塚」の犬王の踊りも片方だけ長い腕を使ったダイナミックな踊りを期待していたがそれ程ダイナミックでなく、期待はずれだった。観衆と一緒に歌い踊るという観衆を巻き込んだライブパフォーマンスというのも、なんか軽かった
次の「鯨」の、両端に火のついた棒を振り回す踊り、ブレイクダンス、観衆達も歌い踊り出す、光った鯨がスクリーンに映し出されるなどあったが、ボクはオモロくなかった
全国ツアーも、それ程オモロいシーンは無かった
最後の将軍の前でのパフォーマンス披露で、建物の手すりで新体操の平均台の演技のような踊りをしたり、光の帯を使った新体操のリボンのような踊りがあったり、皆既日食で暗くなったら光る龍が出て来たり、カラフルなライトを浴びて演奏したり踊ったりしていたが、ボクはあまりオモロくなかった
犬王が平家の話を踊りで人々に伝える毎に、徐々に呪いが解け、異形が治ってゆき、最後の踊りで犬王が仮面を脱いでも、醜い顔でなく、デーモン小暮のような化粧をした綺麗な顔が現れるというストーリーの設定もボクはビミョーだった
犬王が異形で生まれてきたのは、父親が呪いの面を被り、新しい平家の物語を自分のものにする為琵琶法師達を次々と殺し、それでも足りなくて、生まれてくる犬王を呪いの仮面に差し出して、今の踊り手としての地位と人気を手に入れたからという設定が最後に分かるのはアハ体験だった。最後呪いの仮面に犬王の父親が犬王を殺してくれと頼み、呪いの仮面は犬王でなく、犬王の父親を殺すというストーリーは良く分からなかった
犬王と友有が人気絶頂のハッピーエンドで終わるのではなく、将軍から歌を禁止され、犬王は将軍に従って生き延びるが、友有は逆らって首を切られる、というのも後味が悪かった
最後の600年後の現代で、友有と犬王が出会い、再び演奏して踊るのは、蛇足だとボクは感じた
全般的に
最初の方のストーリーの、友魚は目が見えず、犬王は仮面の穴からしか世の中を見れない、「制限」があるシーンの撮り口とかはなかなか味わいがあって期待が高まり、最初の目の見えない友魚の琵琶演奏で異形の犬王が異形の身体を活かしてダイナミックに踊るシーンも、「弱みを強さに変える演出」でとても楽しかったので、これからどんな凄い演奏と踊りで人気者になっていくのか?期待していたら、ロックバンドのライブのような歌演奏踊りで急に「軽く」なってしまって、ボクは楽しめなかったのが残念‼️だった
肝心の歌演奏踊りをボクは楽しめなかったので、作品全体の印象も残念‼️になってしまった
途中までいい感じだったので、本当に残念‼️だった作品
