「グロリア」〔監督ジョン・カサヴェテス 121分)
話の内容は、マフィアに家族を皆殺しにされたプエルトリコ人の少年フィルを守る隣人の女グロリアのお話
オープニングのビルの絵から夜景のビル群の空撮に移るショットや、空撮のバスからバスが走っているシーンに移る、オープニングの撮り口が良かった。バスの後ろには悪ガキ達がしがみついて無銭乗車しているというのも良かった
フィルの家族が皆殺しにされるシーンは撮らず、爆発で窓ガラスが吹き飛ぶシーンとグチャグチャになった部屋をマフィアの男が手帳を探して漁っているショットで示す撮り口も良かった
マフィア達がやって来る中、グロリアとフィルがグロリアの部屋の建物から階段を降りて逃げ出すシーンが印象に残った
グロリアがフィルと別れようとするが、フィルがグロリアにしがみついてくる演出が良かった
マフィアの車がグルッと回って来てグロリアの前に止まり、マフィア達がフィルを渡せと言うが、グロリアは拳銃を発砲してマフィアを射殺し、車を走らせたマフィアの車にもグロリアは発砲して、マフィアの車が横転するアクションの撮り口が良かった
貸金庫からお金を取り出すグロリアの、貸金庫の扉がいっぱいあるシーンが印象に残った
フィルが屋外の売店から新聞を盗る時の屋外の俯瞰ショットやグロリアが道路を歩く時の路駐している車越しのショットなど、何気ないシーンも考えて撮られているのが良かった
ネオンの輝くオンボロホテルが良かった
ニューヨークを出る前、墓場で他人の墓にフィルがお参りする、墓場のシーンロケーションが良かった
列車で出発しようとしたら、駅の食堂にもマフィア達がいて、周りに沢山の他の客がいる中、グロリアがマフィア達に銃を向けてマフィア達の持ってる銃の弾を抜き取らせ、食堂の裏口からグロリアとフィルが逃げるシーンが印象に残った。食堂の裏口の雑然とした感じも良かった
ホテルにもマフィア達が来ると感じて、グロリアは銃を構え、フィルは灰皿持って殴ろうとするが、実はベルボーイがお花を持って来ただけ、という演出がコミカルだった
フィルと仲違いして、フィルを残して独りバーに入っていくグロリアが、思い直して再びフィルを置き去りにした所に来るがフィルはおらず、タクシーに乗ってフィルを探すと、フィルは父親がマフィアの手下の少年と仲良くなっていて、フィルがその父親のアパートの部屋に連れ込まれたので、グロリアが入っていってマフィアの手下1人を射殺し、父親含めた他のマフィア2人にも銃を突きつけマフィア達の銃を奪い、部屋にいた全員を浴室に閉じ込めて、玄関のドアを閉めてフィルと去って行くシーンが良かった
グロリアとフィルがタクシーに乗って逃げたら、父親ともう1人のマフィアの手下も車で追って来て、グロリアがマフィア達に銃を投げ返した後、グロリアのタクシーは左折して、マフィアの車は直進して、グロリアのタクシーがマフィアの車をまく撮り口も良かった
グロリアとフィルが地下鉄に乗って逃げる時、グロリアだけ駅に降りて、フィルは人混みで降りられず、フィルの乗った地下鉄は扉が閉まり発車してしまうという演出が良かった
フィルを追いかけてグロリアは次の地下鉄に乗ったが、そこに父親ともう1人のマフィアが来て、地下鉄車内で他の乗客も沢山いる中、グロリアと父親ともう1人のマフィアの手下が殴り合いを始め、周りの乗客達に取り抑えられ、最後グロリアがマフィア達に銃を向けてマフィア達の動きを止め、フィルが待っていた駅でグロリアは降り、マフィア達の乗った地下鉄は扉が閉り去って行ってしまう撮り口も良かった
最後マフィアのボスとグロリアの話し合いで、命が狙われているのに、グロリアがタバコを吸ったり、ワインを飲んだり、悠然としているという演出が良かった
最後拳銃を発砲しながら逃げて行くグロリア、それを追うマフィアの手下達がグロリアの乗った下に降りるエレベーターを上から発砲して止めようとする銃撃戦が良かった
最後フィルが独りで列車に乗ってピッツバーグに行き、ピッツバーグの墓地で死んだと感じたグロリアの墓参りをしていると、上品なおばあちゃんに化けたグロリアがやって来て、フィルが墓地を走って駆け寄り、グロリアと抱き合う、スローモーションの撮り口も良かった
全般的に
激しい銃撃戦はほとんど無いけれど、マフィアに追われて逃げるアクションは結構あり、そのアクションの撮り口も楽しかった
何気ないシーンも俯瞰で撮ったり、車越しに撮ったりして、工夫して撮られていたのも楽しかった
フィルがグロリアを女として見たり、父親母親代わり、家族友達相棒、として見たりする、フィルとグロリアの関係性が良かった。最後のマフィアのボスとの会話で、グロリアが「フィルは一緒にベッドで寝た男の中で最高の男だった」と言うのもコミカルで良かった
タクシー運転手達も、マイノリティの人種のドライバーや女ドライバーなど、皆んな味があって良かった
タクシーで逃げたり、バスで逃げたり、列車に乗って逃げたり、地下鉄に乗って逃げたり、色んな乗り物で逃げるのも楽しかった
ストーリーに娯楽性アクションがあり楽しいだけでなく、撮り口の上手さ〔下手さ?)でリアルなニューヨークの町や生活も感じられる、ジョン・カサヴェテス監督独特の味わいがある娯楽アクション作品
やっぱり自称シネフィルとしては、ジョン・カサヴェテス監督作品も抑えておかなければならないと改めて感じた作品。観れて良かった
