「父と暮せば」(監督 黒木和雄 99分)
話の内容は、原爆で死んだ父親のオバケの説得で、生き残った娘が幸せに生きていこうと決心する話
オープニングの雷が怖くて押し入れに隠れる父娘というのがコミカルだった
娘が流しで洗い物してる後ろを父親が通るショットが印象に残った
ほとんど家の中の芝居なので、カメラが部屋の中をグルッと一回りして映すなど撮り口を工夫していたのが印象に残った
宮沢りえと浅野忠信が、木々の中を並んで歩くシーンが印象に残った
宮沢りえがおじいちゃんとおばあちゃんの顔を描いたうちわで、顔を隠しながら、鏡台の前で物語を語るシーンの宮沢りえが可愛いかった
家の雨漏りで、沢山のヤカンや皿を雨の受け皿にしているシーンがコミカルだった
浅野忠信が集めている、原爆の酷さが分かる、原爆瓦や原爆の投下された時間で止まっている時計、顔が熱でただれた人形や地蔵の頭、などが、モロに原爆の爆発を撮るより原爆の酷さを物語っていたのもボク的に良かった
宮沢りえが浅野忠信の愛を受け入れて幸せに生きようとしないのは、被曝の後遺症があるからでも、生まれてくる子供に原爆の後遺症が遺伝するからでもなく、死んでいった親友やその他の人々に、生きてて申し訳ないという気持ちからだったというストーリーが印象に残った。特に父親を被爆した時に見捨てて見殺しにして逃げたというのを後悔しているというストーリーも印象に残った
最後父親が、何を言っても聞かない意固地な娘に、娘の子や孫、子孫達に原爆の酷さを伝えてもらいたいから浅野忠信と結婚し幸せに生きてくれと説得し、娘が受け入れる結末もボク的にとても良かった
最後原爆ドームに白い花2輪が咲いているショットも生命の強さや明るい未来を象徴していて、ボク的にとても良かった
全般的に
原作が井上ひさしの演劇の脚本みたいなので、家の中の芝居がメインの演劇の様な映画だったが、戦争の悲惨さ原爆の悲惨さが伝わってきて、こういう反戦映画は貴重だなとボクは感じた
モロに原爆の被害を撮るよりも、原爆瓦や原爆が投下された時間で止まった壊れた時計とかの方が、原爆の悲惨さが伝わるなとボクは感じた
そして娘が、被曝症、子供への被曝症の遺伝だけでなく、親友や原爆で死んでいった人達、特に父親を見殺しにしたのが申し訳ないという気持ちから、幸せに生きるのを意固地に拒絶するのを、父親が子や孫、子孫達に原爆の酷さを語り継いでもらう為にも浅野忠信と結婚して幸せに生きてくれと説得し、その説得で意固地になっていた娘の心が溶け、浅野忠信と結婚して幸せに生きようと決心するオチも、ボク的に理に適ったストーリーだと感じて、ボク的にとても良かった
最後の原爆ドームに咲く花の、悲惨さを乗り越えて新しい命が生まれる、生命力の強さと明るい未来を象徴するラストも、ボク的にとても良かった
辛気臭いし、映画的なオモロさは少ないけれど、戦後80年原爆投下から80年経った現在、戦争の悲惨さ・原爆投下の悲惨さを風化させない為にも、こういう良質な作品はとても貴重だなぁとボクは感じた作品
