「グレン・ミラー物語」(監督アンソニー・マン 117分)

話の内容は、奥さんの支えで、ヒットメーカーの音楽家になった、グレン・ミラーの人生

斜面を登ってくる路面電車が見える、若き日のグレン・ミラーがトロンボーンを質に入れて金を借りる質屋のロケーションが良かった

バンドの採用試験のバンドの演奏に、モップでホールの拭き掃除をしている黒人の掃除夫が、ノリながら拭き掃除しているというのが良かった

ミラーが書いた編曲の楽譜を、「後で見る」と無下に扱われ、採用試験場からグレン・ミラーが去った後、親友のチャーミーが採用試験演奏にグレン・ミラーの置いていった楽譜を使い、楽団のリーダーがグレン・ミラーの編曲を気に入って、去って行ったグレン・ミラーを呼び戻す演出が良かった

ダンスホールの楽団の演奏と客達のダンスシーンが良かった

グレン・ミラーとヘレンが、真夜中に会って話し合ってると、ヘレンの父親が、早朝の狩りの為、猟銃を持って現れるというのがコミカルだった

ニューヨークでも質屋にトロンボーン入れて金を借りる、グレン・ミラーの貧しい暮らしというのが良かった

ニューヨークの通りで、ヘレンのお気に入りの曲「茶色の小瓶」を聴いて、ヘレンをニューヨークに呼び寄せ、強引に結婚するというのが良かった

ニューヨークに着いたヘレンと挙式を挙げて、かけられたライスシャワーのライスがヘレンの服に残っていて、ヘレンのいる2階席からそのライスが溢れて、演奏しているグレン・ミラーの楽団仲間にかかる演出、グレン・ミラーがヘレンを抱き抱えてホテルの部屋に入り暗がりでキスしていたら、灯りがつき、大勢の友人知人達が部屋にいて結婚を祝福する演出、ニューヨークのハーレムのバーでのルイ・アームストロングの演奏とそのバーの照明が数種類のカラーフィルムで、バーの照明の色が変わる撮り口、グレン・ミラー達もステージで演奏する演出、バーの客達が拍手喝采するシーン、ホテルに戻って次の日の朝ヘレンは早起きして「料金が高いから」と言ってアイロンがけしていたと寝ていたグレン・ミラーに話すヘレンのしっかり者ぶり、なんかが良かった

自分のサウンドを見つけ、自分の楽団を持つというグレン・ミラーの夢の為に、ヘレンがグレン・ミラーに以前料金が高くて辞めた作曲のレッスンを受けさせ、楽団を結成する為の費用もヘレンが銀行口座にお金を貯めていて、実現するというのが良かった

自分の楽団を持ったグレン・ミラーが、車で移動する時の、大雨でぬかるんでいて車が進まず、泥だらけになる演出・シーン(ステージに泥のついたズボンで出るというのがコミカルだった)や大雪の中車が故障する演出・シーンが良かった

妊娠していたヘレンは子供が産めなくなり、楽団も解散という踏んだり蹴ったりな演出が良かった

シュリブマンが、グレン・ミラー楽団再結成の資金を援助するのが良かった(色々なポケットからしわくちゃのお札を次々に出す演出も良かった)

トランペット奏者が演奏で唇を切って吹けなくなり、代わりにメインをフルートに変えた曲で大成功するシーン・撮り口が良かった(そのフルートメインの曲は、音楽に疎いボクでも知ってる曲で、その音楽を楽団が演奏し、客が演奏に合わせて踊り、演奏が終わったら客達が拍手喝采する撮り口が良かった)

グレン・ミラーが成功し、大きなダンスホールで演奏したり(グレン・ミラーが演奏中ヘレンのもとへ行って、金のない頃は質屋で買った偽物の真珠の首飾りをプレゼントしたが、今度は本物の真珠の首飾りを送り、演奏した曲の曲名も「真珠の首飾り」にするという、グレン・ミラーのシャレた演出が良かった)、豪邸でパーティーを開いたり(ヘレンの両親も自分の両親も呼び寄せ、養子の子供も2人引き取り、幸せに暮らし、パーティーでは階段をヘレンが降りてくると階段下で待機していた楽団が演奏し始め、階段下で楽団の演奏に合わせてダンスを踊り出し、食事になるとグレン・ミラーがヘレンにヘレンの好きな曲「茶色の小瓶」にかけて本物の茶色の小瓶をプレゼントする演出、なんかがシャレていた)が楽しかった

スタジオで映画の映像に合わせて、演奏する楽団のシーンが良かった

グレン・ミラーが軍隊に志願して、危険を省みず戦地の兵士達を音楽で鼓舞したい、というのが、昔のボクなら戦争を支持していて嫌だなと感じたが、今のボクはグレン・ミラー立派だなと感じた

将軍が見に来ている軍隊の行進で、グレン・ミラーが行進曲を変えて演奏したら、直属の上官には怒られたが、将軍はホメてくれて、グレン・ミラーが軍隊の楽団を好きに使うのと戦地で演奏して戦地の兵隊を鼓舞するのも認めてくれるという演出が良かった

上陸作戦やパリ解放の記録映像が良かった

敵の飛行機が飛ぶ中での、慰問演奏の曲「イン・ザ・ムード」もボクの知ってた曲で、その曲を教会の窓から兵士達が溢れんばかりに顔を出して聴いているというのが良かった

他の慰問演奏での、女性歌手と軍服を着たコーラス隊が、楽団の演奏で歌う歌が良かった

濃い霧の中、グレン・ミラーの乗った飛行機が到着していないと騒ぐ事で、グレン・ミラーの死を描く演出が良かった

グレン・ミラーの死を知ったヘレンが泣いていると、戦地のクリスマス演奏を放送するラジオからヘレンの好きな「茶色の小瓶」が流れてくるラストも良かった

全般的に

全編音楽に溢れていて、楽団の演奏でダンスし、演奏が終わると客達が拍手喝采するシーンは観ているだけで楽しかった。音楽に疎いボクだが、それでもグレン・ミラーが作曲した曲はいくつか知っていて、音楽も楽しめた

音楽だけでなく、しっかり者で夫グレン・ミラーを支える妻ヘレンも良かった

最後は軍隊に従軍して、戦地の兵士達を音楽で鼓舞するというのも、昔のボクなら戦争支持で嫌だと感じたが、今のボクは命懸けで戦地に行って戦地の兵士達の為に演奏をするグレン・ミラーは立派と感じ、好意的に観れた

キャストも皆んな良いし、グレン・ミラーの生き様も素晴らしく、感動できる音楽映画の大傑作♪