「エドワールとキャロリーヌ」(監督ジャック・ベッケル 85分)

話の内容は、ささいな事で夫婦げんかし、夫が妻を叩いたので離婚の危機になるが、最後はま〜るくおさまる話

窓から見える通りのショットから、カメラが室内をパンしてピアノを弾いてる夫のショット、その奥で妻がお風呂を洗っているショットというオープニングの撮り口が良かった。ラストもベッドで抱き合った2人のショットから、カメラが室内をパンして、窓から見える朝の通りのショットで終わるというのもシャレていた(最初と最後の撮り口を関連させてるのが良かった)

部屋から出て階段を降りる夫に、キスを何回もして、夫を階段から突き落とす妻がチャーミングだった

「どっちの靴がいい?」と夫に聞く時に、違う靴を片足ずつ履いた足を、夫の方に出して見せる演出がチャーミングだった(ドレスのスカートの裾から見える足が良かった)

妻がドレスのスカートの裾を切って、「大事なドレスを切った」と夫にビンタされた為に、離婚危機の夫婦げんかになるという演出がシャレていた

妻が電話の相手が夫と思って、「クソッタレ野郎」を連発し、最後に「離婚します」と言うのがチャーミングだった

妻の叔父の豪邸での、パーティーでの夫のピアノ演奏が良かった

夫が2回目の演奏をした時、「離婚する」と言われた妻の事が気になって、演奏できなくなり、家に帰ってしまう演出が良かった

演奏を引き継いだパーティー客のピアノ演奏に、他のパーティー客達がピアノの周りに集まり、その後ピアノ演奏に合わせてパーティー客達がダンスを踊り出すシーン・撮り口・演出がシャレていた

家に帰った夫が、散乱している叩き割った花瓶や破って捨てた雑誌を拾ってゴミに入れているというのがわびしかった

最後パーティー客の英語を話す実業家から、夫がコンサートを開く資金を出すと約束され、妻とも仲直りするハッピーエンドがとても良かった

全般的に

話の内容は無いような夫婦のささいなけんかだが、その撮り口や演出が無茶苦茶シャレていて楽しかった

キャロリーヌ役のアンヌ・ヴェルノンが、ボク好みのデラベッピンさんで、とてもチャーミングだったのもとても良かった

たわいもない話をシャレた恋愛コメディとして描くジャック・ベッケル監督の見事さに驚かされた、恋愛コメディの傑作