「大いなる幻影」(監督ジャン・ルノワール 117分)

話の内容は、ドイツ軍の捕虜収容所から脱走するフランス兵の話

慰安演奏会で、フランス兵の捕虜達が、ピアノの演奏でダンスを練習しているシーンが良かった

脱走する為に掘った穴の土をズボンに隠し、庭に捨てるというのは脱走もののお約束だった

脱走する為の穴を掘ったのに、別の捕虜収容所に移動になるというのが悲しかった

ロシア兵の捕虜達が、食い物の差入かと思ったら本の差入で、キレて差入の本を焼いてボヤ騒ぎを起こし、ドイツ兵達に鎮圧されるのが迫力があった

フランス兵の捕虜達が、一斉に笛を吹いて騒いだので、ドイツ兵達が駆けつけ笛を没収し、今度はフランス兵の捕虜達が色々な物を叩いて騒ぎ出したら、再びドイツ兵が鎮圧に来て、ジャン・ギャバンの上官の貴族出身の将校がドイツ兵達をひきつけている間に、ジャン・ギャバンともう1人が収容所から脱走する撮り口が良かった(フランスの貴族の将校が笛を吹きながら階段を上って逃げるシーンの階段や、最後収容所所長のシュトロハイムに貴族出身の将校が撃たれて倒れるシーンなんかが印象に残った)

ジャン・ギャバンと一緒に脱走したもう1人の兵士が、ジャン・ギャバンと仲違いをして、一時歌を歌いながらジャン・ギャバンがもう1人の兵士を置き去りにして去って行く時の遠景シーンがシーン的に良かった

ジャン・ギャバンと匿ってくれたドイツの子持ち未亡人がデキちゃうというのがお約束だった。又未亡人の連れ子の女の子がカワいかった

最後雪山の中をスイス国境目指して逃げる、ジャン・ギャバンともう1人の兵士の遠景ショットのラストも良かった

全般的に

遠景シーンでいくつかいいシーンはあったが、戦争映画だけれどアクションがそれ程無く、恋愛の描き方もジャン・ルノワール監督にしては淡白で、ジャン・ルノワール監督の代表作と言われているけれど、ボクは良さをあまり感じられなかった

この作品でも「ゲームの規則」のように貴族階級が時代遅れになっていくというのを描いていたり、「戦争が終わって、平和でいい時代になる」というのは幻想に過ぎないみたいなセリフがあったりしたが、ボクはイマイチピンとこなかった

観れない事はなかったが、ジャン・ルノワール監督作品にしてはマジメで、面白さが少なく、ボクはイマイチノレなかった作品