「ディシジョン・アット・サンダウン」(監督バッド・ベティカー 77分)

話の内容は、妻メアリーを殺されたと思い込み、サンダウンという町に復讐にやって来た男の話

オープニングの小高い丘の遠景ショットが印象に残った

復讐の相手、サンダウンの有力者キンブロウが、結婚しようとしているのに町に愛人がいたり、昔は主人公バートの妻メアリーとも関係があったり、というのが複雑だった

小屋に立て篭もるバートと親友のサムに、キンブロウの手下の保安官達が発砲し、手下の1人は小屋に侵入して来るが、サムが鍵状の鍬で手下の腕を刺してやっつけるというのが印象に残った

キンブロウの事を、町の人達も本当は良く思っていなかったというのが複雑だった

バートは妻メアリーが自殺したのを理由にキンブロウに復讐しに来たが、メアリーが実は貞淑な妻じゃなかったというのが複雑だった

サムがガンベルト外しているのに、背中からキンブロウの手下に撃たれて死ぬのが悲しかった

判事が隠れて酒を飲んでいるのを、町の住民の1人が、判事の背広の内ポケットに入れている酒瓶を割る事で、みんなの前で明らかにし、判事を笑い者にする演出が印象に残った

町の人達が、バートとサムがやって来たのをきっかけに、キンブロウの横暴に立ち上がり、キンブロウの手下達をやっつけて、バートを助けるというのが複雑だった

町の人達の蜂起により、全てを失くしたキンブロウが、最後バートと一騎打ちの決闘をするのか?とボクは感じていたら、愛人のルビーがキンブロウを撃ってキンブロウが対決出来ないようにするという演出が印象に残った

町の人達からキンブロウ達を一掃出来たお礼に、酒場で酒を奢って貰ったバートが、「サムが撃たれる前に町の人達には蜂起して欲しかった」と言って奢って貰った酒瓶を酒場の壁に投げつけて割るシーンが印象に残った

最後キンブロウは愛人ルビーと馬車でサンダウンの町から出て行き、バートも1人馬に乗ってサンダウンの町を後にするというオチも、ボクはスカッとせず、モヤモヤ感が残った

全般的に

昔蓮實重彦が絶賛していて、ずっと観たいと感じていたバッド・ベティカー監督の西部劇で、時間も77分と短かったので、観る前はオモロさが凝縮されていて観てスカッとする娯楽西部劇を期待していたが、アクションは小屋での立て篭もりの銃撃戦でスピード感が全くなく、人間関係も複雑で勧善懲悪でもなくてモヤモヤしたし、最後も一騎打ちの決闘で決着をつけず、観てスカっとはしなかったが、流石蓮實重彦が絶賛していただけあって、そこが逆に独特の味わいのある西部劇で、オモロいか?と言われればビミョーだが、観て損は無かったとボクは感じた。時間も短いし、Amazonプライム・ビデオのサブスク見放題にあるもう1本のバッド・ベティカーの西部劇「ライド・ロンサム」(73分)も観てみようとは感じた作品