「雪夫人絵図」(監督 溝口健二 86分)

話の内容は、ドロドロの愛憎劇

熱海や芦ノ湖の山や海のシーンが良かった。特に熱海の別荘から見える山海のシーンが良かった 

心は酷い夫を嫌っていても、身体は夫を求めてしまう雪夫人の女の性が、お子ちゃまのボクにはワケワカメだった

雪夫人が経営する別荘だった旅館に、夫が京都の愛人を連れて泊まりに来るというのがドロドロだった

雪夫人に子供がデキた事を知って、恋人である菊中先生が、酔い潰れながら、雪夫人の夫に「雪夫人を大事にして下さい」と頼むのがオモロかった(菊中先生が雪夫人に子供がデキたので、自分の雪夫人に対する恋心を殺して、夫に雪夫人を大事にしてくれと頼む。そりゃ飲まなきゃやってられないなとボクは感じてオモロかった)

雪夫人の経営する旅館を京都の愛人が乗っ取るというのが楽しかった。夫の京都の愛人が夫の連れの立岡とデキていて、旅館の名義が立岡になっているというのもオモロかった

雪夫人に子供がデキ、立岡の策略で雪夫人と菊中先生が同じ部屋にいるのを見た夫が、雪夫人が部屋から出た後、菊中先生に泣いてすがりながら「雪をとらないでくれ」と頼むのが、ドロドロだった

最後雪夫人が朝靄の芦ノ湖をフラフラ歩くシーンの朝靄の芦ノ湖のシーンが良かった

最後雪夫人が芦ノ湖に入水自殺するオチは、ボクは弱いと感じた

全般的に

熱海や芦ノ湖の景色のシーンは、観ているだけで楽しいシーンが多かった

ただ雪夫人が夫から酷い仕打ちをされ、最後芦ノ湖で入水自殺するというオチは弱いとボクは感じた。雪夫人に子供がデキて、夫と雪夫人の立場が逆転するとか弱々しい雪夫人が強くなっていく演出の方がオモロかったのではないか?とボクは感じた

夫の京都の愛人とその恋人立岡に旅館が乗っ取られるのはオモロかったが、もっと溝口健二監督らしい「悲惨過ぎて笑わざるを得ないユーモア」も欲しかった

お子ちゃまのボクにはこの作品のドロドロの愛憎劇は理解出来なかった作品

溝口健二監督のような名監督でも全ての作品が傑作というのは難しいんだなとも感じた