「ミスティック・リバー」〔監督クリント・イーストウッド 138分)

話の内容は、娘を殺されたチョイ悪な父親が、幼馴染を犯人と思い込み、殺して川へ沈める話

児童性愛者の車にデイブが乗せられて、連れて行かれる不気味な感じが印象に残った

デイブが夜中血まみれで帰ってきて、奥さんが不審がる演出で、デイブがケイティを殺したように匂わせる演出が印象に残った

ショーンに無言電話をかけてくるショーンの奥さんの演出・撮り口が印象に残った〔顔を映さない撮り口や壁に映った影から入る撮り口や、最後娘を連れてショーンの元に戻ってくる演出なんかが印象に残った)

警察に取り押さえられながら、娘の殺人現場に入ってくるジミーが印象に残った

「娘を殺されたら普通は肩を落とすが、前科のあるジミーは肩に力が入るので前科者だと分かった」というパワーズ刑事のセリフが印象に残った

使われた拳銃の銃痕や警察への通報電話で通報者が被害者が女性と知ってる事が分かるなどして、徐々に真犯人のブレンダンの弟レイとその友達をつきとめていくショーンとパワーズ刑事が良かった

デイブがケイティを殺していなかったと後で分かるが、ジミーは「ケイティ殺しを認めたら命は助けてやる」と嘘をついたので、デイブが罪をやってないのに認めたら、ジミーはデイブを殺して川へ沈めるというのがやるせなかった〔デイブの奥さんの「デイブがケイティを殺した」という密告により、ジミーがデイブを殺すのを決める演出もやるせなかった)

最後の真犯人が逮捕された後、ジミーが無実のデイブを殺した事を後悔するのは、私刑・リンチ反対を訴えているようにボクは感じた

最後のレイやデイブを沈めた川のショットは、何事も無かったかのようにいつも通り流れる川に不気味さが感じられて印象に残った

全般的に

分かりやすいミステリー。ジミーの娘ケイティを殺したのは誰か?をショーンとパワーズ刑事がつきとめる

ショーン・ペンの家族想いのチョイ悪オヤジ、子供の頃の性的暴行を受けた影のあるオッサンのティム・ロビンス、そして刑事の職務を遂行していくケビン・ベーコンの3人が役を上手く演じ、この分かりやすいミステリーを味わい深いものにしている

こんな分かりやすいが味わい深いミステリーまで撮れるなんて、クリント・イーストウッド監督の引き出しの多さに改めて驚かされた作品