「馬上の二人」(監督ジョン・フォード 109分)

話の内容は、主人公マケーブが軍からの依頼でネイティブ・アメリカンコマンチ族に連れ去られた白人達を連れ戻す話

子供が走っていって、教会の鐘を鳴らすひもを引っ張るオープニングが良かった

マケーブが酒場の前で、帽子を深く被って椅子に座り葉巻と酒をたしなんでいると、駅馬車がギャンブラーを乗せてやって来たり、ジムの率いる騎兵隊がやって来るのがシーン的に良かった(ラストでマケーブの代わりに保安官になり酒場の女主人ベルの婚約者にもなっている男が、オープニングのマケーブのように酒場の前で帽子を深く被って椅子に座り葉巻と酒をたしなんでいるという演出も良かった)

酒場のポーカー台の緑が良かった

騎兵隊が川を渡ろうとするシーンがシーン的に良かった

川でのマケーブとジムの会話のやり取りがコミカルだった(特に酒場の女主人ベルが太もものガードルの所にナイフを隠しているのをなんで知ってるんだ?とマケーブがジムに尋ねたり(最後にマケーブがエレナに毒舌を吐いたベルを殴ろうとバーのカウンターを乗り越えたら、ベルが噂の太もものガードルのナイフを抜くのもコミカルだった)、マケーブが街の全ての店から売上の1割をみかじめ料として取ってるのが分かる会話がコミカルだった)

開拓者達の幌馬車や牛の群れの間を通って少佐のいる砦へ向かう馬に乗ったマケーブとジムのシーンが良かった

マーティのおさげ髪でボーイッシュな感じがカワいかった

マーティに気のある神父の息子2人とジムのケンカが良かった。途中からズングリムックリの軍曹がやって来て突き出た腹で体当たりして神父の息子2人を川に落とすのがコミカルだった

ネイティブ・アメリカンの戦闘部隊隊長ストーンカーフの筋肉モリモリが凄かった

嫁を連れ戻しに追って来たストーンカーフをマケーブがあっけなく射殺するのは肩透かしだった

独身士官のダンスパーティーで、軍隊関係者や貴婦人達が、ネイティブ・アメリカンのストーンカーフの嫁だったエレナを好奇と蔑んだ目で見て、エレナが居た堪れなくなるのが哀しかった。エレナを擁護しようとしたマケーブが、「ネイティブ・アメリカンの酷い生活より軍隊関係者や貴婦人達のエレナへの態度の方が酷い」みたいな事をダンスパーティーの最中に怒って言うのが良かった

ジムが連れ戻して来たコマンチ族の白人の男の子が、助けてあげようとした年配の女性を刺し殺してしまい、怒り狂った開拓民達のリンチ裁判で縛り首にされるのが怖かった。その時に開拓民達に引きずられたコマンチ族の白人の男の子がマーティの持っていたオルゴールにあたって、落ちたオルゴールから流れた曲を聴いてコマンチ族の白人の男の子が「俺のオルゴールだ」と言って、コマンチ族の白人の男の子がマーティの弟と分かる前フリ回収演出が良かった

最後のエレナの乗った駅馬車の御者にマケーブがなっていて、エレナと一緒にカリフォルニアに出発するハッピーエンドも良かった

全般的に

それ程西部の壮大なシーンも無く、アクションもほとんど無いが、ボクはとても面白く感じた

あれ程ネイティブ・アメリカンに連れ去られた人達を必死で連れ戻そうとしていた人達が、ジムが連れて戻って来たコマンチ族の白人の男の子を見てドン引きしたり、それでも白人として受け入れようとしていた年配の女性はそのコマンチ族の白人の男の子によって刺し殺されたり、コマンチ族として育てられた白人の子を白人社会で育てる事の無理さが上手く描かれているのがボク的に良かった

又コマンチ族の酷い生活より、軍隊関係者や貴婦人達がコマンチ族の嫁だったエレナを好奇と蔑んだ目で見る酷さの方が酷いという演出もボク的に良かった

キャストも、金に汚いジェームズ・スチュワートや生真面目な軍人リチャード・ウィドマーク、ズングリムックリのコミカルな軍曹役の俳優さんや筋肉モリモリのストーンカーフ役の俳優さんも良かったが、マーティやエレナ酒場の女主人ベルと出てくる女性陣が皆んなボク好みで魅力的なのがとても良かった

アクションも壮大なシーンも少ないが、ネイティブ・アメリカンに拉致された白人の悲哀は見応えがあり、女性陣が魅力的なので主人公2人の恋愛も楽しめたジョン・フォード監督の傑作西部劇